【サンプルあり】RFP(提案依頼書)とは。目的・構成・作成のポイントを解説


目次1 RFP(提案依頼書)とは2 RFP(提案依頼書)を作成するタイミング3 RFP(提案依頼書)のWordサンプルを...


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こんにちは。ビジネスマッチングエージェント「Ready Crew(レディクル)」の教えてレディクル編集部です。

 

 

システム開発、アプリ開発、Webサイト制作、動画・映像制作など(以下、開発・制作)を外部の企業に外注する際には、複数の候補先から提案を受けた上で最終的な発注先を決定します。そして、各候補先からの提案を受けるために作成するのがRFP(提案依頼書)です。

発注業務別のRFP(提案依頼書)の作り方・書き方のポイントを解説したコラムもご用意しているので、こちらもあわせてご一読ください。

>>「RFP システム開発」コラム
>>「RFP Webサイト制作」コラム
>>「RFP 動画・映像制作」コラム
>>「RFP アプリ開発」コラム

RFP(提案依頼書)とは

RFP(提案依頼書)とは、システム開発/導入、アプリ開発、Webサイト制作、動画制作などなど、企業がさまざまな業務を発注する際、ベンダーや制作会社から自社に合った最適な提案を受けるために発注企業側が作成する文書のことです。文書の内容は後ほど詳細に記載しますが、大まかに説明すると必要な要件、プロジェクトのスコープ、解決したい課題、実現したい理想の状態などの情報が中心になっています。

RFP(提案依頼書)を作成せずに打ち合わせなどでの口頭指示だと発注する側、発注を受ける側で認識のズレが発生し、発注企業の選定を終えいざプロジェクトが始まったとしても失敗してしまう恐れもあります。発注を受ける側から認識のズレがなくより良い提案をもらうためにも必ず作成しましょう。

すぐに使えるRFP(提案依頼書)サンプルもご用意しているので、ぜひご一読ください。

RFP(提案依頼書)を作成するタイミング

では、どのようなタイミングでRFPを作成するのでしょうか?プロジェクトの選定フェーズを工程別に切り出し、RFP(提案依頼書)を作成するタイミングを下記にまとめました。

RFP(提案依頼書)のWordサンプルを無償公開

開発・制作の種類別にWord形式でご用意したRFP(提案依頼書)のサンプルを、下記からダウンロードいただけます。いずれも編集可能ですので、貴社の具体的な状況に応じて内容を書き換えてご活用いただけます。

また、サンプルを参照いただきながら本記事を読み進めていただくことで、より理解を深めていただくことができます。

>>RFP(提案依頼書)サンプル(システム開発)をダウンロードする(Word形式)
>>RFP(提案依頼書)サンプル(Webサイト制作)をダウンロードする(Word形式)
>>RFP(提案依頼書)サンプル(動画・映像制作)をダウンロードする(Word形式)
>>RFP(提案依頼書)サンプル(アプリ開発)をダウンロードする(Word形式)

RFP(提案依頼書)を作成する目的とは?

RFP(提案依頼書)は、開発・制作を外注する際に、複数の候補先からの提案を受けるために作成します。

ブランドイメージの向上につながるコーポレートサイトを作りたい
競合もやっているので、うちも顧客向けのアプリをリリースしたい

上に挙げたような抽象的な要望だけでは、限られた時間で最適な発注先を見極めることは困難です。各候補先から、予算、手法、期間などが大きく異なる提案が寄せられる可能性が高いからです。

このような状況を防ぐには、「どのような課題を抱えているのか?」「どのようなゴールを目指しているのか?」といったことを各候補先にあらかじめ伝えた上で提案をしてもらう必要があります。そのために各候補先に提示するのが、RFP(提案依頼書)です。

RFP(提案依頼書)の一般的な記載項目とは?

RFP(提案依頼書)に記載する項目は、提案をしてもらいたい開発・制作の種類によって異なります。ここでは、一般的にRFP(提案依頼書)に記載することが多い項目を紹介します。

概要・基本情報
前提課題
ゴール
スコープ
成果物
機能要件
非機能要件
予算
スケジュール
提案に関する情報
契約に関する情報

各項目について、以降で詳しく解説していきます。

1.概要・基本情報

簡単な挨拶文を添えた上で、開発・制作が含まれるプロジェクトの概要を説明します。あわせて、基本情報として正式な社名や拠点所在地などを記載します。

2.前提課題

プロジェクトの立ち上げに至った前提課題を説明します。

例えば経理システムを開発する場合には、業務フロー図などを交えながら現状の業務のどこがボトルネックとなっているのか(=どこをシステム化によって効率化したいのか)を示します。また、採用動画を制作するという場合には、採用目標と実績の差分を表やグラフで示すといった形で具体的に課題を記載しましょう。

3.ゴール

プロジェクトが目指すゴールを記載します。

ゴールは、できる限り定量的な数値目標として記載しましょう。各候補先からの想定通りの提案を受けやすくなり、実際にWebサイトやアプリをリリースした後に具体的な数値にもとづいて効果を検証できるようになるからです。

例えばECサイトを制作する場合には、「ECサイト経由で発生した売上が占める割合を全体の○%にする」といった形で記載します。会員向けアプリを開発する場合には、「サービス利用の平均継続期間を○ヶ月改善する」といったゴール設定が考えられます。

4.スコープ

プロジェクトのうち、発注先が担うべき範囲を記載します。プロジェクトの全容を示した上でスコープ(対象)を明確化しておくことで、各候補先が提案可能な範囲を限定することができ、提案の精度を高めることができるからです。

5.成果物

発注先との間で、成果物の認識がズレてしまうことが珍しくありません。そのため、RFP(提案依頼書)には成果物を明記しておくことが重要です。

なお、成果物は開発・制作の種類によって異なります。そのため、ここでは一般的な成果物を列挙します。

【主な成果物】
システム、映像・動画、Webサイト、アプリなど一式
要件定義書
ワイヤーフレーム
WBS
操作・設定マニュアル
など

6.機能要件

システム開発、Webサイト制作、アプリ開発では、RFP(提案依頼書)に機能要件を記載するのが一般的です。

機能要件とは、機能や処理などの定義を指します。代表的な項目は、会員登録、クーポンやポイントの付与、商品購入/サービス申込、決済、データベース連携などです。

詳しい機能要件は、発注後の要件定義段階で発注先との間ですり合わせます。とはいえ、RFP(提案依頼書)にも機能要件を記載しておいた方が各候補先からの提案の精度が高まります。抽象的でも良いので、RFP(提案依頼書)にはできる限り機能要件を記載するようにしましょう。

7.非機能要件

処理速度が遅く、業務に支障が出てしまう(システム開発)
アクセスが集中すると、サイトがすぐにダウンしてしまう(Webサイト制作)
新しいクーポンを発行する際には、都度発注先に追加費用を支払って対応してもらわなければならない(アプリ開発)

システム開発、Webサイト制作、アプリ開発では、RFP(提案依頼書)に機能要件だけではなく非機能要件も記載しましょう。機能要件に含まれない部分(=非機能要件)に起因する上に挙げたようなトラブルを回避することが目的です。

なお、非機能要件には機能要件以外のすべての要件が含まれます。下記の通り、IPA(※1)が定義している「非機能要求グレード」にもとづいて記載することが多いです。

性能・拡張性
セキュリティ
運用・保守性
移行性
可用性
システム環境・エコロジー

システム開発、Webサイト制作、アプリ開発のいずれについても、「運用・保守性」は発注先との間で特に認識のズレが生じやすい非機能要件です。皆さんも、「発注先がマニュアルを作成してくれなかった」「発注先から『OSのバージョンアップへの対応はしていない』と言われてしまった」といった話を耳にしたことがあるのではないでしょうか?

このようなトラブルを防ぐために、「運用・保守性」の項目として教育・研修や保守期間に関する要望を記載しておくことをおすすめします。

※1:独立行政法人 情報処理推進機構

8.予算

予算によって、各候補先からの提案内容が大きく変わります。各候補先は、予算に応じて体制や投下する工数を想定するからです。そのため、RFP(提案依頼書)には予算を記載するようにしましょう。

また、予算を超過しているものの、提案の質は高いという場合もあります。そのため、「予算を超過する場合には、提案書内でその理由を説明すること」といった注釈を設けておき、そういった提案を行う余地を残しておくことも大切です。

一方で、「相場がわからない」という場合には予算を記載しないことも選択肢の1つです。適当な予算を記載してしまうと、高額な予算を提示されたり、逆に予算規模が小さすぎて提案が集まらないといった事態に陥るおそれがあるからです。

9.スケジュール

プロジェクト全体スケジュール
発注先の決定から要件定義、開発/制作、検収、リリースに至るまでのスケジュールを示します。とはいえ、RFP(提案依頼書)段階では正確なスケジュールが決まっていない場合が多いです。そのため、「YYYY年MM月W週までに開発完了」といった抽象的な形でスケジュールを記載しておきましょう。

発注先の選定スケジュール
発注先の選定は、一般に下記のスケジュールで進みます。

一般的なベンダー選定スケジュール
RFP(提案依頼書)公開
RFP(提案依頼書)に対する質問受付
RFP(提案依頼書)への回答
提案・見積提出
提案プレゼン
提案内容に対する質問と回答
選定結果の通知

RFP(提案依頼書)には、それぞれのステップの期間や期限を明記しましょう。

10.提案に関する情報

RFP(提案依頼書)の公開後、提案を依頼した各候補先から期日までに必要な情報を抜け漏れなく提出してもらうために、RFP(提案依頼書)には提案に関する情報を記載しましょう。一般的には、下記の情報を記載します。

提出期限
提出先
データ形式
備考

11.契約に関する情報

連携している外部システムのバージョンアップ後に不具合が発生したが、発注先から「保守期間外なので対応できない」と言われてしまった(システム開発)
発注先が、制作の一部を勝手に他の制作会社に再委託していた(Webサイト制作)
発注後に、発注先とのミーティングを通じて動画の利用可能期間が1年間に制限されていることが判明した(動画・映像制作)
発注先が、保守段階でOSのバージョンアップに対応してくれなかった(アプリ開発)

皆さんも、このようなトラブルを耳にしたことがあるのではないでしょうか?このようなトラブルを防ぐには、RFP(提案依頼書)に下に挙げたような契約に関する情報を記載しておくことが不可欠です。

当社の権利
検収・支払条件
瑕疵担保責任
秘密保持契約

RFP(提案依頼書)の作り方・書き方のポイントとは?

開発・制作の種類ごとに、それぞれのコラムでRFP(提案依頼書)の作り方・書き方のポイントを解説しています。本項では、それらのコラムで取り上げているポイントの一部を抜粋して紹介します。

1.並行して評価シートを作成する

点取表や○×表など、RFP(提案依頼書)作成後に行われる各候補先からの提案に対する評価資料を並行して作成。評価シートを意識してRFP(提案依頼書)を作成することで、候補先から的を射た提案を受けやすくなります。

2.関係各所と調整する

RFP(提案依頼書)は、特定の部門だけではなく、必要に応じて関係各所と調整した上で作成した方が「前提課題」や「ゴール」に敵った提案を受けやすくなります。例えば、特定の製品・サービスのサービスサイトを制作する場合には、実際に顧客と接している営業担当者やサポート担当者へのヒアリングを行い、彼らの意見をRFP(提案依頼書)に反映するといったことが考えられます。

3.目的を明確にする

目的によって、各候補先からの提案が大きく異なってきます。そのため、RFP(提案依頼書)の作成では、前項の「3.ゴール」で示したように、定量的な数値でプロジェクトの目的を明確化することが特に重要です。

4.時間を掛けすぎない

RFP(提案依頼書)作成では、「前提課題」や「ゴール」を中心にプロジェクトの根幹となる項目を優先的に記載することを意識しましょう。必要十分な項目に絞って記載することで、スピーディーにRFP(提案依頼書)を作成できることに加えて、各候補先としても「どういったポイントを押さえた提案をすれば良いのか」がわかりやすくなるからです。

まとめ

今回は、RFP(提案依頼書)の作り方・書き方のポイントを解説してきました。冒頭でご紹介したサンプルを活用していただきつつ、本コラムで解説した内容を参考にしてぜひRFP(提案依頼書)を作成してみてください。

また、開発・制作の種類別にRFP(提案依頼書)の作り方・書き方のポイントを解説したコラムもご用意しているので、こちらもあわせてご一読ください。

>>システム開発
>>Webサイト制作
>>動画・映像制作
>>アプリ開発

一方で、発注先の選定にあたって次のような課題を感じている方も多いのではないでしょうか?

「できるだけ多くの候補先から提案を受けた上で、最適な発注先を選定したい」
「できるだけ早くプロジェクトを完了したいので、複数の候補先からなるべく早く提案を受けたい」

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※2:日本マーケティングリサーチ「2020年 12 月期 ブランドのイメージ調査