――まずはレディクルをご利用いただいたきっかけからお聞かせいただけますでしょうか。
山田様:私たちのサービスは、1つの研修を依頼されるところから始まり、そこで信頼関係を築けると、次年度さらに多くの研修の依頼に繋がります。小さなところからスタートし、一気に取引が拡大するというパターンが多いのです。しかし、扱っている商材は形がなく価格が高いこともあり、その最初の1つの案件をどう受注するかがとても難しいです。経験の浅い営業メンバーもいる中で、テレアポだけで仕事を受注する難しさを感じていました。そこで、受注に一歩でも近づけるようなテレアポ以外のやり方を考えていたのがきっかけになりました。
――「レディクル」以外にも検討されましたか。
山田様:もちろんしました。例えば、私たちのお客様になり得る企業の人事の方が集まる講演に登壇し、参加した方々の名簿をいただけるというサービスもありました。それもいいなと思いましたが、実際に利用していないので効果は分かりません。
また、展示会にブースを出展し、来場者にこちらから声をかけてその場で商談することも考えました。前職のときにその経験はありましたが、来場者はその日の天候に左右されたり、時間帯によっても差が出てしまったりするので、イベントとしてはとても良いのですが、費用対効果に少し疑問がありました。そんなときに「レディクル」からお声がけをいただきました。
――「レディクル」が課題を解決してくれそうだと感じられたのでしょうか?
山田様:そうですね、話を聞いてみたいと思いました。営業代行の会社など、他の会社の話もいろいろと聞きましたが、その中で「レディクル」は詳細にヒアリングした案件を紹介してくれるのと、ひと月に紹介する件数の目安も示してくれました。私たちにマッチする案件をどれだけ紹介してくれるのかが不安だったので、その点を詳細に教えてくれたのはとても良かったですね。
――その説明を受け、「利用してみよう」と決意されたのでしょうか?
山田様:どのような案件を紹介してもらえるか聞いたときに、とても詳しく書かれたサンプルを見せてもらったのですが、そのインパクトがとても大きかったです。私たちも普段からテレアポをしていますが、そこに書かれた情報量を得ようと思うとかなりスキルが高くなければ聞き出せない内容でした。そこまでお客様からヒアリングができている案件が、月に何件か送られてくるとしたらすごいと思いました。担当者さんのヒアリング力が優れていると感じました。
また、契約した後のフォローとして定期的に案件の進捗を確認したり、営業がさらに良くなるようなアドバイスも受けられるとありました。弊社では昨年5月のホームページリニューアルと同時に、営業担当の中途社員を2名採用しました。その2名は営業未経験で、私たちが営業を一から教えるのはとても難しいことでした。そのため、もちろん社内でも営業の強化はしますが、社外からもアドバイスがいただけるならとても良いと思いました。
そこで、今度は営業メンバー全員に向けてもう一度サービスの説明をしていただきました。すると社内からも「これは良い」という声が挙がり、営業メンバーにも納得してもらった上で契約に進めたのが良かったと思っています。
――営業メンバーが評価されたポイントを教えてください。
山田様:私と同じで、案件内容を詳しくヒアリングした情報が毎月一定数提示してもらえるところですね。普段のテレアポでは一度のお電話でそこまでヒアリングすることは難しく、初回のアポイントですらそこまで話が聞けるかどうか……というところだと思います。また、紹介いただいた案件に手を挙げるかどうかを自分たちで判断できる点も良かったですね。

――受注に繋げるために、オンボーダーとのミーティングやサポートも役立っていますか?
山田様:お客様への提案内容は社内で考えられますが、営業としてどんな動き方をするとよいかなど、営業プロセスのサポートをしていただけるのが役立っています。これまでの自分たちにはなかった視点をいただけることが多いので、貴重な機会だと思っています。
例えばつい先日は、「各アポイントのゴールを明確に決めたほうが良い」というアドバイスをいただきました。今いる社員の癖でもあると思いますが、お客様と仲良くなりたいですし、研修は足の長い仕事でもあるので、アポイントではついお客様にじっくりといろいろなことを聞いてしまいます。そのためアポイントの時間も長くなりがちです。しかし、紹介いただく案件に関しては課題が明確になっていることも多いので、アポイントの回数を少なくし、アポイントのゴールを明確にして毎回やりきる。そしてやや早いタイミングで提案をぶつけていく方が受注に繋がりやすいのではないか、といったことを定例会でアドバイスしていただいています。案件やお客様にもよりますが、一からテレアポをする案件と「レディクル」から紹介いただく案件とでは、営業の進め方が少し変わってくるので、そういったサポートはとてもありがたいですね。
――定例ミーティングにはどなたが参加されていますか? また参加された方の反応はいかがですか?
山田様:私と営業メンバー全員で参加しています。今は3週間に一度のペースで行っています。アドバイスいただいたことに対して、素直に「そうだよね、そうしよう」と言ってみんな前向きに受け止めています。例えば、初回のアポイントで、最終的な提案をするまでには何度のアポイントと期間が必要なのかという先が見通せる資料があると良いというアドバイスを受けて、実際にそのような資料を作成しお客様にもお見せするようになりました。また同様に、受注してから研修を開催するまでのステップに関する資料も作成中です。もし私から「こういった資料が必要だ」と言われると、営業メンバーは「言われたから作成する」といった姿勢になってしまうと思います。しかしそれを客観的に言ってくださるので、メンバーの納得感も高く動き出しが早いです。そのあたりは社外の方に関わっていただくことの効果だと感じています。

――教育面で活用できた点はありますか?
山田様:初回アポイントの録画を見ていただき、フィードバックしてもらえたのがとても良かったです。客観的な見え方や、話の切り出しのタイミング、時間の使い方などをアドバイスしていただきました。営業メンバーの先輩が同席していれば一緒に振り返りをしていますが、フィードバックの観点はその先輩一人の視点でしかありません。なので社内の先輩の視点だけでなく、第三者の目線でのアドバイスはとても嬉しいですね。
――営業メンバーの成長を感じられることもありますか?
山田様:自分たちなりに効果的なアポイントの進め方を考えるようになりました。「レディクル」利用前の営業メンバーはじっくりと会社案内をして自分たちのできることを紹介していました。しかし、最初に紹介いただいた案件でもそのようにしてアポイントがうまくいかなかったことで、「会社案内にそんなに時間をかけている場合ではない」と気づくことができました。そうしてトークも磨かれていき、今では必要なことを端的にお話できるようになりました。課題が明確になっている顧客には、初回アポイントの段階で実際の研修プログラムのサンプルを見せることもあり、対応の仕方にバリエーションが増えてきています。これまではどの顧客に対しても同じようなやり方をしていましたが、そのあたりの精度が上がっていると感じていますね。
――その他に、成果や手応えを感じられていることはありますか?
山田様:組織力がアップしていると感じています。例えば営業プロセスの管理について、営業の進捗管理のフォーマットを教えていただき、そこに自分たちで考えた項目を追加して活用しています。私たちは4期目に入ったのを機に、営業プロセスの管理について見直しをしました。営業力の向上はもちろんのこと、営業プロセスをフォーマット化していくことも同時に行っています。私たちは小さな会社で営業メンバーも数人のためその場ですぐに合意が取れるということもあり、良いと感じたものはすぐに取り入れることができます。「次の定例ミーティングで見せられるようにアクションを取ろう」という自発的な動き方が自然とできています。
それぞれの案件の進捗を確認し、総合的な営業の進め方など、とても参考になる伴走をしていただいています。社内でももちろん工夫していますが、社外から自分たちにはない知見を教えてくださったり、他社の進め方など私たちでは知りえない情報も提供してくれます。思った以上にたくさんのことを教えていただいて、非常に丁寧にサポートしてもらっている印象です。
――今後「レディクル」に期待することがあれば教えてください。
山田様:定例会を繰り返していき今後営業メンバーのスキルが高まっていけば、毎回全員が定例会に出席しなくても良くなると思います。しかし、そうして営業メンバーの業績が伸びていけば、また新しいメンバーを採用してその人たちへの教育が必要になるでしょう。教育は社内でやるのと同時に社外からもサポートしてもらうことが効果的だと感じているので、これからも継続的なサポートをお願いしたいです。また、他社での取組み方や案件のトレンドの変化があると思うので、そのあたりも同時に教えていただけると嬉しいですね。
(撮影/小野 綾子 取材/伊藤 秋廣(エーアイプロダクション) 文/近藤由美)
※2025年3月の取材時点での情報です。