ーーまずは、御社の事業について教えてください。
小澤 祐貴様: 当社の主幹事業は、イベントプロモーション本部が手がけるイベント関連事業です。企業が新商品や新サービスを発表する際に、どのような手法で世の中に広めていくかを考えますが、その選択肢の一つとしてイベントがあります。私たちは、そうしたイベントの企画・制作・運営をしています。具体的には、メディア向けのPRイベントやサンプリングなどのフィールドプロモーション、イベントスペースを借り切って新商品の体験会を実施するなど多岐にわたります。
クライアントは飲食、ゲーム、化粧品、ハイブランドなど非常に幅広く、規模もさまざまで、最も小規模なものは街頭での路上サンプリング、最も大規模なものは東京ビッグサイトのホールをすべて借り切り、何万人ものお客様が来場するファン向けイベントを手がけた実績があります。
亀山 昇汰様:イベント制作は一つの案件に長く関わることが特徴で、短くても3~4ヶ月、長ければ1年以上かかることもあります。そのため、その商材やカルチャーを深く理解し、愛情を持って取り組むことがイベントの質を大きく左右します。例えば、自動車のイベントであれば、車好きのメンバーが「ファンはどの角度から車を見たいか」を理解した上でレイアウトを考えます。音楽イベントなら音楽好きの、化粧品なら女性のプロデューサーが担当するというように、その商材への理解が深いメンバーをアサインします。こうした適材適所の人員配置によって、会社としてトータルで質の高いサービスを提供できることが、当社の最大の強みだと考えています。
ーー「レディクル」を導入されるに至った背景についてお伺いします。「レディクル」導入以前、どのような課題を感じていらっしゃいましたか。
亀山 昇汰様: 当社は、イベントの運営、特に現場のオペレーションをメインとする会社としてスタートしました。例えば、運営マニュアルの作成から、スタッフのディレクション、現場全体の統括までを担ってきました。そこから事業を拡大していく過程で、より大きな案件を手がけるためには、運営だけでなくプロジェクト全体を統括する制作の領域まで担う必要がありました。音響・照明などのテクニカルなパートや美術造作、ステージ進行まで含めて一括で受注する体制を整えることで、より上流のポジションからプロジェクトに関われるようになり、受注額も上がっていきました。その鍵となったのがプランニングの強化です。企画段階から参画することで、プロジェクト全体をプロデュースする立場となり、必然的に事業領域が拡大しました。この体制が整ったのが、コロナ禍前後の時期です。
そこで新たな課題が生まれました。培ったノウハウや実績を「どこに売り込めば良いのかわからない」、つまりリード獲得が大きな課題となったのです。これまでは、広告代理店やデザイン会社などから、イベントという手法が決まった後にお声がけいただくケースが多かったのですが、さらに事業を拡大するためには、より多くの企業様と接点を持つ必要がありました。また、商流の観点からも、クライアント企業様から直接ご依頼をいただくという、いわば縦と横の両軸で販路を広げていきたいと考えていました。私たちの事業は受注産業なので、ニーズがないと売り込むことができません。上流の企画段階から入り込みたいという思いはあるものの、社内のノウハウ不足が成長の壁となっていました。
ーーどのようなきっかけで「レディクル」を知り、どのように受け止め、そして活用しようと考えられたのでしょうか。
亀山 昇汰様:コロナ禍を経て、制作会社がリードを取り、自社にないスキルを外部に委託するという流れが生まれました。例えば、我々の業界では、美術造作が得意な施工会社が運営を当社に依頼されたり、逆に当社がノウハウのない施工を専門会社に委託する、持ちつ持たれつの関係が業界全体に広がりました。つまり、トップダウン型から横のつながりを重視するスタイルへと業界の構造が一変したのです。
すると、いかに広く他社とつながり、どこから仕事が来るか分からない状況に対応できるかが重要になります。我々もインターネットの海に飛び込み、情報を集め、見込みのある企業にアポイントを取ってセールス活動をしなければならないと考えていました。
その過程で、さまざまなサービスのリサーチをして、実際にやり取りもしましたが上手くはいきませんでした。問題は、我々の事業が受注型であるという性質上、ある程度ニーズがあるところに技術を提供して初めてビジネスが成立する流れにあります。そのため、事前にニーズが整理・セグメントされているサービスに登録しなければ、我々のビジネスモデルでは成功が難しいと感じていました。そうした視点で探していくと、まさにドンピシャだったのが「レディクル」でした。営業担当の方が介在し、クライアントのニーズを深くヒアリングした上で紹介してくださる。この仕組みはとても魅力的でした。
ーーなぜ、業界の構造が横のつながりへと変化したのでしょうか。
亀山 昇汰様:1つの要因として、イベント業界はコロナ禍でリアルな接点が持てなくなり、売上が急激に落ち込みました。多くの会社が「仕事を取らないと生き残れない」という危機感から、あらゆる企業にドアノックを始め、リード獲得に奔走しました。その結果、業界内でニーズが分散し、さまざまな企業間でコミュニケーションが生まれるように。まるでアメーバのようにつながりが広がり、自社にないノウハウを他社と補い合うという動きが各所で起き始めました。これが、コロナ後の業界の大きな変化だと捉えています。
ーー 実際に「レディクル」と商談されて、どのような印象を持たれましたか。
小澤 祐貴様: 当時、我々も展示会に足を運んで名刺を配ったり、ポスティングやテレアポなどの営業活動を試みていました。しかし、先ほどから話に出ているように、相手に明確なニーズがない状態ではなかなか話が進みません。すでにお付き合いのある会社があったり、そもそも我々のように「モノ」を売っているわけではない事業は、その価値を伝えるのが難しい。そんな状況を打破できずにいました。
そんな時に亀山から「レディクル」の話を聞き、「これはいいな」と直感しました。我々が抱える課題を解決するには、ニーズがあるところにアプローチするのが最も効果的であり、我々の強みを最大限に活かせると思いました。その後、会議で提案したところ、たまたま専務も同じ話を受けていたことがわかり、「詳しく聞いてみよう」と。そこからはトントン拍子に話が進みました。
ーーサービスを利用されて、どのように受注に結び付いていったかを教えてください。
亀山 昇汰様:「レディクル」の案件は、非常に細かくヒアリングされ、誰が何を求めているのかが細かく分析されているため的確な対応ができます。毎日2〜3件ほどご紹介いただく案件の中から、今後、我々と長いお付き合いができそうな企業様や、いわば「原石」のような可能性を秘めた案件を見つけやすいと感じています。
スピード感も魅力の一つです。お客様の中には「急ぎでお願いしたい。明日か明後日には商談したい」といったご要望もありますが、そうした際にも、我々がチャンスを逃さないよう、即座に挙手をしてアポイントを設定し、迅速に商談へとつなげる。まさに爆速の対応をしていただけます。
そして、担当の方が導入後のアフターサポートとして伴走型で営業支援をしてくださる点が大変心強いです。我々にとって、リードを「どれだけ獲得するか」という量の問題と、その「質を高める」という両軸を強化していくことは、今も変わらぬ課題です。量に関しては「レディクル」のおかげで十分に担保されていますが、そのリードをどう活かすか。つまり“生かすも殺すも我々次第”という状況で、その活かし方まで支援していただけるのは大きいです。クライアントをどうナーチャリングし、課題を引き出してマネタイズしていくかまでサポートしていただいています。
さらに、我々の課題を冷静に分析してくださることにも大きな価値を感じています。毎年1年間の活動を振り返り、紹介数や初回商談化率、受注率といったデータを基に分析していただけるので、我々がどこを苦手としているのかを明確にすることができます。
ーー小澤さんの感触はいかがでしたか?
小澤 祐貴様:これまでの状況が改善されているという手応えを感じる一方で、弊社にとっての課題は、「手を挙げるものの、その後のアフターフォローが不十分で、適切にアプローチできていない」ことだと痛感しています。多くの案件に手を挙げても、そこで終わってしまい、そのまま流れてしまう。せっかく「レディクル」のサービスを利用しているのに、それでは非常にもったいない。この点が課題であり、今後はここに注力していかなければならないと強く意識しています。
それを認識できたのも、「レディクル」の担当の方からの的確な指摘のおかげです。さまざまな気づきを与えてくださることが本当にありがたいです。
ーー「レディクル」を起点として、どれくらいの案件を受注されましたか。
亀山 昇汰様:1年間で弊社が受注した案件は10件です。また、そこから派生して、ご紹介いただいたクライアント様から、別の案件のご相談をいただくこともありました。その中に、非常に大きな案件が1件あったことも大きかったです。これは、想定以上でした。
ーー「レディクル」を介して出会ったお客様と、その他のお客様とで違いを感じる点はありますか?
亀山 昇汰様:「課題を抱えて困っているお客様が多い」という点です。逆の立場で考えると、まったく未知の分野に挑戦しようとする際に「レディクル」のようなサービスを活用されるのだと思います。こうしたサービスを利用される企業様は、未知の業界に対して、何とかしてアプローチしたいと考えていらっしゃる。CMでも葛藤といった言葉が使われていますが、そうした課題や不安を抱えているお客様が多いという印象です。既存のつながりの中だけで仕事をしているわけではないので、「この案件は一体どこに相談すれば良いのか」と悩んでいらっしゃるのだと思います。






