―今回、発注システム制作についてご相談いただいたとのことですが、ご相談の背景や、当時抱えていた課題について教えていただけますか。
木我様:卸売り事業で使っていた発注システムが、商品検索ができない、商品写真がない、表示速度が遅い、頻繁に落ちる、などお世辞にも使いやすいとはいいがたいもので、それもあり発注システムはあっても利用率が低く、ほとんどの注文を電話かFAXで受けていました。
その結果、高コストで従業員への負荷も大きい24時間運営のコールセンターを使うことになりましたが、オペレーターの少ない時間帯は電話がつながりにくかったり、とお客様にご不便をおかけする場面もありました。そのような状況を受け、発注システムの刷新を皮切りにDXを進めていくべきだと舵を切ったタイミングでした。
―そのような中「レディクル」にご相談いただいたきっかけは、どのようなものでしたか。
木我様:昔からお付き合いのある制作会社様に相談しましたが、この会社様が古いタイプの小売向けEC構築システムしか扱えなかったため、卸に必要な機能を実装しようとするとカスタマイズ対応となってしまい、想定を大幅に超える費用と納期で見積もりが出されました。
これを機に、既存のネットワークだけでなく外にも目を向けて新しいパートナー様を探すことにしました。そこでふと、以前お電話をいただいた「レディクル」コンシェルジュ 長峰さんの存在が頭に浮かび、ご相談してみることにしました。
長峰:初回のお打ち合わせから2週に渡ってヒアリングを実施させていただき、詳しく背景やご要望について伺っていきました。
木我様:そうでしたね。「いずれこうしたい」という全体のゴールと、「まずはここまで」というフェーズごとのゴールを可能な限りお話しさせていただきました。非常に深いところまで掘り下げて、こちらの考えを聞いていただいた印象です。
―長峰さんは木我様のご要望をお聞きして、どのような考えでご紹介する企業様を選定されましたか。
長峰:業界ならではのご事情や難易度の高いご要望もあったため、同様の業界でのEC制作実績を豊富に持たれる老舗の制作会社様を中心にお探ししました。その中でも、立ち上げフェーズにおいてしっかりと施策をご提案いただける企業様であること、そしてBtoB・BtoCの両方へのご対応が可能であることは、特に重視していたポイントです。
―実際に紹介を受け、木我様はどのような印象を持たれましたか?
木我様:複数社ご紹介いただきましたが、的外れだと感じる企業様は一社もありませんでした。
またそれぞれの企業様とお打ち合わせをさせていただく中で、どの担当者様も今回のプロジェクトについての前提知識を正しく把握されていたことが印象に残っています。これは、長峰さんがしっかりとヒアリング内容を伝えた上でつないでくださったからだろうなと感じました。
自分で企業様を探した上で一社一社に事業やご相談内容について説明するのは大変な労力ですが、おかげさまで非常にスムーズに進めることができました。
―今回、株式会社キール様に発注された決め手は何でしたか。
木我様:制作だけでなく、ご自身でECショップを運営し、実際に商売をされている、という点が大きな決め手になりました。
今回要望として挙げさせていただいた内容には、決まったものを定期的にご注文いただくことが多いという特徴をふまえた発注リストなど、BtoB、卸売ならではの独特な機能も多くあるため、卸の商売をご経験されている方にお願いできる安心感がありましたね。
―実際にご発注いただいて、成果や満足度としてはいかがですか?
木我様:まずは見栄えが良くなり、表示速度や安定性が大幅に向上するなど、システム的な課題を解決いただけた点が良かったなと思っています。また仕組みづくりにもしっかりと伴走していただけたおかげで、いざとなれば外部に問い合わせのできる属人化しないシステムにできた点も大きかったですね。
お客様のご事情もあるため電話やFAXでの受注が0になった訳ではありませんが、今回の刷新によってコールセンターを廃止することができ、年間2,000万円を超えるコスト削減にもつながりました。ちなみに構築費用も当初の1/3程度に収まりました。
キール様にはたくさん要望をお伝えしてしまいましたが、それをしっかりと聞いてくださり、また全部を鵜呑みにはせずできないことにはしっかりとNOを伝えていただけたのも、非常にありがたかったですね。
―あらためて、「レディクル」をご利用いただいてよかった点があればお聞かせください。
木我様:システム担当として自社の依頼主と外部の企業様とをつなぐ「良い通訳でありたい」とは思いますが、結局私はグランマルシェの人間ですから、使う言葉や文化の違いを完全に取り払える訳ではありません。
客観的に当社の事情を汲み取り、それをフラットに伝えられるコンシェルジュの方が介在してくださることが、とても良かったと思っています。
―「レディクル」を他の企業におすすめいただくとしたら、どのような企業に合うと思われますか。
木我様:「うまくいっている」と満足されている企業様ほど、利用された方が良いのではないでしょうか。長く企業の中にいると他の企業のやり方を知る機会はとても少なくなりますし、どうしても自社の価値観に沿うものばかりが目に入ってしまうものです。
だからこそ、第三者の客観的な視点を一枚はさむことが重要だと思います。利害関係のない方からの提案や価値観に少しでも触れることが、新しい風を吹かせることにつながるのではないでしょうか。
―ありがとうございます。それでは最後に、御社の今後の展望と、その中で「レディクル」に期待されることがあればお聞かせください。
木我様:どの部門にも長くお付き合いをしていただいている企業様がいらっしゃるのですが、今回のように当社が抱えるさまざまな課題を解決してより良い方法を見つけていくためには、選択肢を広げた上での柔軟な判断が必要なのではと思っています。
販促部門などにも「レディクル」を使ってみてはと声をかけていますので、今後ともお力添えのほど、よろしくお願いいたします。
(撮影/服部 健太郎 取材/伊藤 秋廣(エーアイプロダクション) 文/永田 遥奈)
※ページの内容は2022年10月時点の情報です。