――まずは、会社紹介からお願いいたします。
大林寛明様:一般的には「デザイン会社」と説明されることが多いのですが、私たちにとってのデザインは、見た目やアウトプットにとどまりません。その企業様がどんな未来を描きたいのか、何を大切にしていきたいのかといった上流の部分から関わり、戦略・表現・組織の行動までを一貫して整えていく中で言行一致を図っていく。そのプロセス全体を、私たちはデザインだと捉えています。
よく「差別化」という言葉が使われますが、価格や販路といった表面的な話に終始してしまうことも少なくありません。本質的な差別化は、「自分たちは何を信じ、何を提供するのか」を言語化し、それを実際の行動や体験と一致させることから生まれると考えています。
その状態が育っていくと、後発の競合が現れても簡単には揺らぎません。文化や関係性(顧客・従業員などその企業を取り巻くステークホルダーとの関係性)そのものがブランドになっていくからです。なので、私たちは、トレンドに合わせた制作だけでなく、その企業の内側にある価値や意思を丁寧に掘り下げることを大切にしています。
ただし、このプロセスは簡単ではありません。「変わりたい」という意思を起点に連続した施策の検証作業を伴って初めて成立するものです。ブランディングは派手な施策ではなく、日々の選択や行動を整えていく地道な営みだと考えています。
高橋亜美様:リブランディングは、単に既存のものを刷新するだけの作業ではありません。一度立ち止まり、これまでの歩みのどこを残し、どこを更新するのかを編集し直すプロセスです。過去の成功体験を見直すのは勇気がいりますし、社内だけで進めるのは難しい場合も多いです。特に大きな問題が表面化していない企業ほど、現状維持を選びがちです。だからこそ、私たちのような外部の視点を取り入れながら伴走する意義があると感じています。
「手法」ではなく「課題」から始める
――本当に変わりたいと思っている企業と出会うのは、それほど簡単なことでなさそうです。「レディクル」導入以前は、そのような企業へのアプローチや探索はどのようにされていたのでしょうか。
大林寛明様:おっしゃる通り、そこをピンポイントで探すのは非常に難しいですね。
高橋亜美様:気付きを与えるところからのスタートですからね。
大林寛明様:例えば「ウェブサイトを作りたい」というご相談をいただいても、話を聞いていくと本質的な課題は別のところにあることが多いです。私たちはクライアントにとって良い影響を与えられない制作実績は作りたくないので、まずは課題の整理から入ります。
高橋亜美様:手法ありきで相談が来るケースは多いです。「ウェブサイトを作れば解決するのでは」「SNS運用を強化すれば解決するのでは」などという仮説ですね。でも実際には、ブランド価値の整理や組織の共通認識づくりなど、もっと手前の課題があることが少なくありません。
「レディクル」導入前は、その初期の情報整理を自分たちで行う必要がありました。今はヒアリングを通して一定の整理がされた状態で接点を持てるので、より本質的な対話に時間を使えるようになっています。
大林寛明様:また、導入当初は、私と高橋の2人で事業をはじめたこともあり、タッチポイントを作ることにリソースを注力するのが難しい状況でした。
高橋亜美様:そのような状況の中で、例えば、テレアポでタッチポイントを作るというのは最適解ではないと感じていました。当時はお客様から他のお客様をご紹介いただくケースもありましたが、創業2期目ということもあり、自分たちだけで繋がれるお客様の数には限界がありました。
大林寛明様:そこで営業マッチングサービスを探して話を聞いていたのですが、「レディクル」は費用が高いと感じつつも、信用ができました。なぜなら、他のサービスは精査していない情報を載せるだけでしたが、「レディクル」には「これを案件として認めるか認めないか」というフィルターや判断基準がありました。
高橋亜美様:確かに「レディクル」は圧倒的にコストが高かったのですが、下手に他のサービスを使うより、「レディクル」は一度ヒアリングを通しているため、案件の精度が高まった状態だと思いました。こちらがお客様に話を持っていく時にも、土台が出来あがった状態で話ができるのではないかという仮説を持って、“試してみよう”という話になりました。
大林寛明様:コストは気になっていましたが、もう「えいやー」ですね。論理的に考えたら契約していなかったと思います。
高橋亜美様:私には事後報告でした。「契約したよ」「そうなんだ」という感じで。
大林寛明様:金額だけみると結構インパクトはありますが、ダメだったらダメで仕方がないという賭けでした。資金繰り表と照らし合わせていたらやっていなかったと思います。回収できる年間の売上をざっくりと考えていて、そこをペイできれば良いというラインを引いていました。変に最初の期待値を上げすぎずにやっていたのも良かったのだと思います。
高橋亜美様:確か初受注は3ヶ月目だったと思います。「繋がりさえすればいける」という根拠のない自信はありました。もちろん波はありましたが、継続しているうちに「レディクル」を辞める理由が減っていきました。「提案の質を上げよう」「たくさんある案件の中で見極める精度を高めよう」という風に、徐々に変化していったと感じています。
大林寛明様:これは実際に使ってみてから実感したことですが、カスタマーサクセスの佐藤さんが私たちの側に向いてくれていて、「この案件はちょっと変でしたよね」といった話をしてくれるなど、外部の営業担当者のように私たちのことを考えてくれていたのも良かったですね。
高橋亜美様:メタな視点で「FLYDAYZの強みはこのような部分だから、こういう言い方をすると伝わりやすい」といった、私たちの本質的な価値を理解した上でのアドバイスは、外部の視点だからこそできることで、本当に助かっています。
最初の課題が上流工程に紐づき、新たなプロジェクトが始まる
――月額プランに移行したことで、どのような利点を感じていますか。
高橋亜美様:私たちはまず課題の棚卸しから入るため、お客様との対話の中でも、思考を丁寧に掘り下げていくスタイルです。社内では共通言語があるのですが、それを外部にそのまま出した時に、意図や価値が十分に伝わっているのかという課題は常に感じています。
内部では自然に通じている考え方でも、外に向けると伝わりづらかったり、言葉や見せ方がまだ最適化されていなかったりすることがあります。そんな時に佐藤さんと対話することで、「先方が本当に求めているのはここだから、こういう見せ方の方が届くのでは」「こういうアプローチを補うと伝わりやすいかもしれない」といった示唆をいただき、提案の解像度が上がり、“実際に届けられる状態”へと整っていく感覚があります。
大林寛明様:また、定例ミーティングというのは、ともすると実施自体が目的になりがちですが、私たちは「この時間で何かが前進しなければ意味がない」と考えています。佐藤さんとのミーティングは毎回必ず次のアクションが生まれるので、とても健全な時間になっていますね。
高橋亜美様:お客様の状況をタイムリーに共有いただける点も大きいですね。
どんな企業から、どれくらいの提案を受けているのかといった背景情報を整理して共有していただけることで、コミュニケーションの精度が上がりますし、より適切な提案ができるようになります。
――実感している成果について教えてください。
高橋亜美様:「レディクル」経由で出会ったお客様の場合、最初の課題を解消していく中で、次に取り組むべきテーマが自然と見えてくることが多いです。私たちから、別軸で新しい提案をさせていただいたり、場合によっては最初にご相談いただいた内容よりも上流のテーマに発展したりします。そこから小さなプロジェクトが連続的に生まれたり、あるいは半年ほど伴走しながら本質的な課題を整理していく期間を設けたりと、単発ではなく関係性として育っていくケースが増えています。
大林寛明様:現在は案件の約7割が「レディクル」経由ですね。ただ入口が何であっても、提案の姿勢自体は変わりません。紙物の制作でもウェブ制作でも、一度視座を上げて「本当にそこだけ整えれば解決するのか?」という問いを立て直すのが私たちのスタイルです。その過程で別の課題が見えてきて、結果的に仕事が広がっていくことが多いですね。一度ご縁がなかった場合でも、半年後に別プロジェクトで再度声をかけていただくこともあり、関係性として積み上がっている実感があります。
高橋亜美様:まず接点がなければ、私たちの存在を知っていただく機会もありません。だからこそ、一度いただいた機会には必ず印象を残すことを意識しています。その積み重ねが、別のタイミングで想起していただける理由になっているのだと思います。
「レディクル」を通じて得た知見を還元し、良い循環を作る
――「レディクル」を活用するうえで工夫していることがあったら教えてください。
高橋亜美様:自分たちの良さを最大限に感じてもらうための「舞台」を用意してもらうことを意識しています。例えば、提案の順番や競合の特徴といった情報を共有いただくことで、「今回はこういう見せ方にしよう」「こういう言葉の方が届くかもしれない」といった準備ができます。そうした情報はとても大切にしています。
大林寛明様:コミュニケーション量が多いわけではないのですが、定例ミーティングでの情報の質や順序が整理されているので、結果的に全体のやり取りがスムーズになっていると感じます。
――最後に、今後「レディクル」に期待されることがあれば教えてください。
大林寛明様:売上だけでなく、「レディクル」を通じて得た知見を自分たちの中に還元し、次の価値提供につなげていきたいですね。実績そのものより、どんな仕事をし、どんな成果を生んだのかを大切にしたいと考えています。そしてやはり、佐藤さんと一緒に「受注率1位」を目指していきたいですね。
高橋亜美様:私も同じで、組織としての力を高めながら、案件の質やお客様への提供価値をさらに磨いていきたいと思っています。最初の接点づくりについては、引き続き「レディクル」と協力しながら進めていけたら嬉しいですね
大林寛明様:仮に100件の案件があったとして、どのような案件に手を挙げるかという選択の積み重ねが、会社の輪郭を形づくっていくと思っています。ブランディングを極めるのか、その他の特定の領域を深めるのか。そうした方向性を実績を通じて定義していける点に、売上以上の価値を感じています。佐藤さんは、私たちだけでは言語化しきれない部分を客観的に整理してくださる存在で、社員ではありませんが「チームFLYDAYZ」の一員だと感じています。






