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Webサイト制作におけるRFP(提案依頼書)の作り方【サンプルあり】

Webサイト制作におけるRFP(提案依頼書)の作り方【サンプルあり】

2021.06.22

「Webサイトの立ち上げやリニューアルにあたって制作会社を選定するためのRFP(提案依頼書)を作りたいが、どんな内容を提示するべきかわからない」「最適な制作会社を見極めるためのRFP(提案依頼書)作成のポイントを知りたい」

このような方に向けて、本記事では、RFP(提案依頼書)を作成する目的をおさらいした上で、Webサイト制作におけるRFP(提案依頼書)の作り方のポイントを解説していきます。すぐに使えるRFP(提案依頼書)サンプルもご用意しているので、ぜひご一読ください。

目次

Webサイト制作向けのRFP(提案依頼書)のWordサンプルを無償公開

Webサイト制作でRFP(提案依頼書)を作成する目的とは?

Webサイト制作におけるRFP(提案依頼書)の作り方・書き方のポイントとは?

まとめ




Webサイト制作向けのRFP(提案依頼書)のWordサンプルを無償公開

Word形式でご用意したWebサイト制作向けRFP(提案依頼書)のサンプルを、下記からダウンロードいただけます。いずれも編集可能ですので、貴社の具体的な状況に応じて内容を書き換えてご活用いただけます。

また、本記事の内容はサンプルで取り上げている内容と連動しているので、サンプルを参照いただきながら記事を読み進めていただくことでより理解を深めていただくことができます。

>>RFP(提案依頼書)サンプルをダウンロードする(Word形式)

Webサイト制作でRFP(提案依頼書)を作成する目的とは?

Webサイト制作を外注する場合には、RFP(提案依頼書)を作成する必要があります。RFPに記載された内容を一定の制作条件とし、複数社から提案を受けてから発注する制作会社を決めた方が、客観的な視点から自社の要件に合った発注先を見極められるからです。

今日では、多くの企業がWeb上でのブランディング、マーケティング、PRに注力しています。こうしたニーズの高まりを受けて、すでに数多くのWeb制作会社が事業を展開しています。

そして、一口にWeb制作会社と言っても、規模や得意領域が大きく異なります。このような状況で、「自社のPRにつながるWebサイトを作りたい」「競合他社もやっているので、うちもオウンドメディアを立ち上げたい」といった抽象的な要件だけで相見積や提案を受けても、選定基準があいまいなので最適な発注先を見極めることは困難です。

そのため、制作会社の選定にあたっては、できる限り要件を具体的に記載したRFP(提案依頼書)をあらかじめ作成しておくことが欠かせません。

Webサイト制作におけるRFP(提案依頼書)の一般的な記載項目とは?

Webサイト制作のためのRFP(提案依頼書)には、一般的に次の項目を記載します。

概要・基本情報
前提課題
ゴール
スコープ
成果物
機能要件
非機能要件
予算
スケジュール
提案に関する情報
契約に関する情報
各項目について、以降で詳しく解説していきます。

1.概要・基本情報

簡単な挨拶文を添えた上で、Webサイトの新規制作(あるいはリニューアル)を目的としたプロジェクトの概要を説明します。あわせて、正式な社名や拠点所在地といった自社の基本情報も記載するのが一般的です。

2.前提課題

Webサイト制作を検討するに至った前提課題を説明します。部門やチーム単位でのKPIの到達状況、対象となっているWebサイトが関係する業務が抱えるボトルネック、既存サイトのPV数やCV数など、できる限り深掘りして記載することで前提課題を明確化します。

3.ゴール

Webサイト制作によって到達したいゴールを記載します。例えば採用サイトを新規で制作する場合には「採用サイト経由での応募を月間30件獲得する」、ECサイトをリニューアルする場合には「サイト上での顧客単価を20%改善する」といったように定量的な数値で示すようにしましょう。このように具体的なゴールを示すことで、その後の制作会社からの提案の解像度が高まるほか、実際にWebサイトをオープンした後に具体的な数値にもとづいて効果を検証しやすくなるからです。

4.スコープ

APIを用いたCRMとのデータ連携
外部の決済システムとの連携

Webサイトに関わる処理は、必ずしもサイト内で完結するとは限りません。例えば会員登録や決済といった機能を持たせる場合には、上記のように外部システムとの連携が必要になります。そのため、Webサイト制作のRFP(提案依頼書)では制作会社からの提案に含んで欲しい範囲をスコープとして明確化しておくことが欠かせません。

5.成果物

Webサイト制作では、サイトそのもののほか、ドキュメントを中心に様々な成果物が生み出されます。そして、必要とする成果物の認識について、発注元と制作会社との間で齟齬が発生してトラブルになることが珍しくありません。そのため、あらかじめRFP(提案依頼書)に成果物を明記しておくことが重要です。Webサイト制作に関わる成果物は、主に下記の通りです。

【主な成果物】
Webサイト一式
要件定義書
サイトマップ
ワイヤーフレーム
WBS
操作・設定マニュアル
など

6.機能要件

機能要件とは、Webサイトの機能や動作などの定義を指します。具体的には、コンテンツの追加・編集、画面遷移、会員登録、決済、外部システムとの連携、レスポンシブ対応、などが含まれます。

機能要件は、発注先が決まった後の要件定義段階で細部を明確化していきます。とはいえ、RFP(提案依頼書)の段階であっても、ある程度は必要となる機能が決まっているはずです。そのため、抽象度が高い状態でも構わないのでRFP(提案依頼書)にはできる限り機能要件を記載しておきましょう。候補先からの提案の精度が高まり、比較検討をしやすくなるからです。

7.非機能要件

メディア露出のタイミングで流入が増えるとアクセスしづらい状態になってしまい、機会損失が発生してしまう
アニメーションを駆使していて見栄えは良いが、表示速度が遅くて直帰率が高くなっている

Webサイト制作に関連する上記のようなトラブルを、皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか?

このようなトラブルを防ぐには、RFP(提案依頼書)に機能要件だけではなく、非機能要件も記載しておくことが重要です。非機能要件とは、端的には機能要件以外のすべてのシステム要件を指します。下記の通り、IPA(※1)が定義している「非機能要求グレード」にもとづいて記載することが多いです。
性能・拡張性
セキュリティ
運用・保守性
移行性
可用性
システム環境・エコロジー
必ずしも、RFP(提案依頼書)に非機能要件として上記の項目すべてを記載する必要はありません。「発注後に認識の齟齬が生まれそうだな」「この要件は絶対に譲れない」といった項目だけを記載しておくだけでも発注後のリスク軽減につながります。

例えば、オープン後にWebサイトのアクセス数が増加する見込みが高い場合には、「可用性」の要件として数ヶ月あるいは数年スパンでのアクセス数の予測値を記載しておくのが良いでしょう。

そのほか、自社にWebサイト制作に詳しい人材がいない場合には、「運用・保守性」の要件として「専門的な知識がなくとも、コンテンツの追加・編集やデザインの変更などが容易であること」といった内容を盛り込んでおくといったことも考えられます。「運用・保守性」に関わるところでは、自社によるWebサイトの継続的な運用を見据えて、制作会社による研修の実施やマニュアルの作成に関する要望を記載しておくこともおすすめします。

※1:独立行政法人 情報処理推進機構

8.予算

予算次第で、制作会社が構築できる体制や投下できる工数は大きく異なります。そのため、予算範囲を示しておく必要があります。また、予算をオーバーするものの提案内容の質が高いという場合もあるため、「予算を超過する場合には、提案書内でその理由を説明すること」といった注釈を設けておくことをおすすめします。

一方で、RFP(提案依頼書)に相場とかけ離れた予算を記載してしまうと、不必要に高い見積が含まれる提案を受けたり、まったく提案がこなくなってしまったりするおそれがあります。そのため、相場がわからない場合にはRFP(提案依頼書)に予算を記載しないということも選択肢の1つです。

9.スケジュール

プロジェクト全体スケジュール
発注先の決定から要件定義、制作、検収、オープンに至るまでのスケジュールを示します。RFP(提案依頼書)段階では、「YYYY年MM月W週までに開発完了」といった粒度でスケジュールを示す程度で十分です。

発注先の選定スケジュール
Webサイト制作における発注先の選定は、一般に下記のスケジュールで進みます。

一般的な発注先選定スケジュール
RFP(提案依頼書)公開
1.RFP(提案依頼書)に対する質問受付
2.RFP(提案依頼書)への回答
3.提案・見積提出
4.提案プレゼン
5.提案内容に対する質問と回答
6.選定結果の通知


RFP(提案依頼書)には、それぞれのステップの期間や期限を明記しましょう。

10.提案に関する情報

RFP(提案依頼書)の公開後は、候補先からの提案を待つことになります。期日までに必要な情報を抜け漏れなく提出してもらうために、RFP(提案依頼書)には下記のような情報を明記しましょう。
提出期限
提出先
データ形式
備考

11.契約に関する情報

CMSのアップデートで不具合が発生したが、発注先から「契約外」と言われて対応してもらえなかった
事前の許可申請を減ることなく、制作の一部を第三者に再委託していた

このようなトラブルを防ぐために、RFP(提案依頼書)には契約に関する主に下記のような情報を記載しておく必要があります。
当社の権利
検収・支払条件
瑕疵担保責任
秘密保持契約

Webサイト制作におけるRFP(提案依頼書)の作り方・書き方のポイントとは?

1.関係各所と調整する

RFP(提案依頼書)はマーケティング部門やデザイン部門だけで作成するのではなく、関係各所と調整した上で作成しましょう。

例えばコーポレートサイトは、自社のミッションやビジョン、トップメッセージなどを発信することが目的であり、自社全体のブランディングに大きな影響を及ぼします。そのため、その目的や打ち出したいイメージなどについて事前に経営層と調整をする必要があるでしょう。

一方で、サービスサイトは特定の製品・サービスのPRや顧客獲得が目的になります。そのため、実際に顧客と接している営業担当者やサポート担当者の意見を反映したRFP(提案依頼書)を作成した方が目的に適った提案を受けやすくなります。

2.”完璧”を目指さない

RFP(提案依頼書)は、その名の通りあくまでも候補先に提案を依頼するために作成するものです。細部の要件は、選定後に発注先ベンダーとの間ですり合わせを行うことになります。そのため、”完璧な”RFP(提案依頼書)を作り上げることを目指す必要はなく、前項で取り上げた項目をすべて盛り込まなければならないというわけでもありません。

あらゆる項目を網羅するのではなく、”絶対に譲れないこと”を明確化した上で、それをRFP(提案依頼書)に記載することが重要です。その方が、RFP(提案依頼書)作成の手間を減らせる上に、提案依頼を受けた制作会社としても要件のポイントを理解しやすいからです。

まとめ

今回は、Webサイト制作におけるRFP(提案依頼書)の作り方・書き方のポイントを解説してきました。冒頭でご紹介したサンプルを活用していただきつつ、本コラムで解説した内容を参考にしてぜひRFP(提案依頼書)を作成してみてください。

一方で、Web制作を依頼する制作会社の選定にあたって次のような課題を感じている方も多いのではないでしょうか?

「できるだけ多くのWeb制作会社から提案を受けた上で、最適な発注先を選定したい」
「できるだけ早くWebサイトをオープンしたいので、直近で制作会社から提案を受けたい」

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※2:日本マーケティングリサーチ「2020年 12 月期 ブランドのイメージ調査

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