1.現状把握を行うため
売上分析を行うことで、売上を細分化し、現状を把握することができます。細分化する指標には商品・サービス・利益率・部署別・個人別などがあり、細分化したデータの分析によって業務停滞の改善や、改善点などを把握することが可能です。
また、一つの視点だけでなくさまざまな視点から分析を行うことによって、自社の状況を客観的に把握できるというメリットもあります。
2025.01.31
売上をアップさせるには、現在の売上データを把握し、改善点を見つけることが重要です。売上分析を適切に行うことによって売上予測の精度を向上させ、今後のマーケティング戦略に活かしていくことが可能となります。
しかし「売上分析といっても何をすれば良いか分からない」「売上分析にどういったツールを使えば良いか分からず困っている」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では売上分析を実施するメリットや、売上分析におすすめのツールなどをご紹介します。売上分析を行うメリットや、混乱しないためにやるべきことを知りたい方もぜひ参考にしてください。
※この記事の内容は2024年12月時点のものです。
この記事のポイント
1.売上分析を実施するメリット
2.売上分析に活用できるおすすめのツール
3.売上分析で混乱しないためにやるべきこと
目次
売上分析とは、売上を指標ごとに細分化し、自社や営業担当者の課題を見出すことを指します。売上高を商品別、顧客別、営業課別などの基準で細分化し、前年同月の売上高と比較して差異が出た理由を検討します。
また、データを比較した後は、自社の課題や優位性を見つけ、その後の戦略や改善策に活かすことも重要です。売上分析はデータを比較するだけでなく、生成されたデータを活用し、アクションを起こすまで行うことがポイントになります。
ここからは、売上分析を行う目的についてご紹介します。売上分析を行う目的は、現状の売上を把握し、今後どういった施策を行うかの目標を設定するためです。詳しくは、以下をご覧ください。
売上分析を行うことで、売上を細分化し、現状を把握することができます。細分化する指標には商品・サービス・利益率・部署別・個人別などがあり、細分化したデータの分析によって業務停滞の改善や、改善点などを把握することが可能です。
また、一つの視点だけでなくさまざまな視点から分析を行うことによって、自社の状況を客観的に把握できるというメリットもあります。
売上分析を行う目的もう一つの目的が、「目標を設定するため」です。現状を把握できれば、現在自社が抱えている問題の解決方法や、どうすれば売上がさらに向上するかなどの目標を設定しやすくなります。
目標設定を行えば、チームや企業全体で同じ方向を目指して業務を行うことが可能です。全体で取り組む内容を明確にすることで、売上を効果的に向上させることができます。
売上分析を実施すれば、収益性の高い商品・顧客を把握して今後の具体的な目標を設定することができます。営業担当のモチベーションにも良い影響があるので、詳しくは下記の説明をご覧ください。
売上分析を行うことで、収益性の高い商品や顧客を把握することが可能です。収益性の高い商品を把握できれば、そこにリソースを集中させて効率的に売上を向上させることができます。
パレートの法則で「売上の8割は、2割の売れ筋商品から成り立っている」という言葉もあるため、売れ筋を見極めてそこにリソースを集中させることは、売上アップの面でかなり重要です。
売上分析によって自社の収益性の高い商品や顧客を把握することができれば、具体的な目標設定が可能になります。売上を上げたい場合には目標を高く設定しすぎてしまう場合もありますが、高すぎる目標は達成の可能性を下げ、社員のモチベーションを下げることにもなります。
売上分析によって自社の売上傾向や顧客の動向を把握し、具体的で実現可能な目標を設定しましょう。
細かい指標を用いて売上分析を行うことにより「この商材はこのシーズンに需要が高い」など、市場の動向を把握できます。市場のニーズを把握することでその分析に基づいた経営戦略を策定できるため、自社のマーケティング戦略に活用することができます。
営業担当者ごとの売上分析を行い、それぞれの得意・不得意を発見できれば、改善のアドバイスを行ったり、得意な面の評価などを行えます。得意・不得意を把握した上で一人一人の目標設定を行えば、営業担当者のモチベーションを上げることが可能です。
担当者に対して「売上を上げなさい」というよりも、売上分析から計算された数値を考慮した目標を設定した方が納得感があり、説得力があるからです。
これまでの売上実績や市場動向など、細かい売上分析によって将来の売上を予測することで、売上予測の精度を上げることができます。
売上予測が不正確である場合、過剰に在庫を抱えることになり、担当者に過剰なノルマを課さなければならない可能性もあり、担当者のモチベーションにも関わります。分析によって正確に売上を予測し、業務内容の改善につなげましょう。
ここでは、売上分析に役立つフレームワークをご紹介します。
フレームワーク名 |
特徴 |
RFM分析 |
直近購入日、購入頻度、購入総額の3要素から顧客をランク付けし、顧客を明確化 |
ABC分析 |
商品等を売上の高い順に並べ、A~Cでランク付けする |
セグメント分析 |
市場や顧客を年齢、居住地などのセグメントに分け、そのそれぞれで分析を行う |
要素分解 |
売上の要素を細かく分け、売上拡大・減少の理由を紐解く |
重回帰分析 |
ある成果に対する要素を用い、どの要素がどれほど影響を与えているかを分析する |
クロス集計 |
1つの項目に対し、複数の要素に注目して分類する |
アソシエーション分析 |
物事の関連性を見つけるための分析 |
上記のフレームワークについて、下記で詳しく説明します。
RFM分析では、Recency (直近購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary (購入総額)といった要素から顧客を分類し、どの顧客が売上において重要な顧客であるかを分析します。
直近購入日や購入頻度の要素が高くても、購入総額の要素が低ければ購買力が低い、といったように判断でき、全ての要素が高い顧客が、自社の売上を支える重要顧客であると判断できます。
ABC分析では、まず商品やサービスを売上の高い順に並べ替えます。そして、それらをA、B、Cのグループにランク分けし、どの商品が売上に貢献しているかを分析します。売上割合の高い順にランク分けをし、需要が高い商品・サービスに注力していきましょう。
セグメント分析は、市場などを年齢や、居住地などのセグメントに分類し、そのそれぞれで詳細な分析を行う、というものです。
セグメントに分けて分析していくことでより深いニーズを捉えることができるので、より効果的なマーケティング施策を展開することができます。
売上の要素を顧客単価、購入頻度といった要素に分け、売上の拡大や減少がなぜ起きたのかを分析するフレームワークが要素分解です。これらの要素がどのように合わさって変化しているかを分析することにより、売上がなぜ上がったのか、もしくは下がったのかを把握できます。
例えば、売上が上がったときに「顧客数と平均購入単価が上がり、購入頻度に変化はない」といった結果が得られれば、「顧客数や平均単価をさらに拡大させる施策を行う」というように、どこに注力すべきかを決めることができます。
成果に対するいくつかの要素をもとにして、その要素がどれほどの影響を与えているか、の分析を行う手法が重回帰分析です。
例えば自社の商品に対する売上という成果に対し、顧客単価や販売数、販売時間といった要素がどれほど影響を与えているかを分析します。
この数値が分かれば、今後のプロモーション戦略において効率的にリソースを割くことができます。
クロス集計は1つの項目に対し、複数の要素に注目して分類を行うフレームワークです。これが用いられることが多いのがアンケート調査で、例えば「Aの商品を持っている」という質問に対し「はい」と答えた割合が男性30%、女性70%であれば、女性により高く支持されている商品であるという傾向を掴むことができます。
アソシエーション分析は、物事の関連性を見つけ出すことを目的に行われるフレームワークです。「商品を購入するのはどの時間帯か」「どういった商品と一緒に買うことが多いか」など、関連性を導き出すことでマーケティング戦略に役立てていきます。
売上分析のほかにツールを活用すれば、マーケティング施策を紐づけられるなど、より深い分析を行うことができます。データを分かりやすく管理できるといったメリットもあります。
ExcelはMicrosoft社が提供する表計算ソフトで、操作が簡単であり、カスタマイズ性が高く無料で利用できる点から多くの企業で利用されています。途中で項目を増やしたい場合でも、簡単に追加が可能です。
簡単なデータの整理はもちろん、関数を用いた複雑な計算・分析を行うこともできます。
SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)も、顧客情報や営業履歴などの細かいデータを蓄積できるため、売上分析をより詳細に、そして多角的に行いたい場合に適しています。
また、MAツールを連携させることで、マーケティング施策などを紐づけた売上分析を行うことができます。
ここでは、売上分析を活用した具体的な企業事例についてご紹介します。売上分析を行った企業が、どのようにして意思決定や目標の立案に活用したのかを説明します。
カゴメ株式会社では、売上に変化があっても、それが自社の営業の成果によるものなのか、それとも外部要因にあるのかを把握することができないという課題を抱えていました。
しかし、SFA/CRMツールを導入することで商談状況に関係する過不足ないデータと、売上目標の達成状況とを簡単に比較できるようになり、実際の売上実績と活動量の関連を可視化することに成功しています。
そして、その情報をもとにどういった施策なら効果的な意思決定ができるかを判断でき、質の高い意思決定が行えるようになりました。
ウリドキ株式会社では、営業のヨミ管理(営業活動の進捗を管理し、売上予測を立てること)に課題を感じていました。そこで、SFA/CRMツールを導入したところ、営業の段階ごとに、担当者別などで分類することで上手くいったところはそれを再現できるように、そして問題があるところはその課題を分析する、というように分析を行うことができました。
売上分析から得られたデータから、戦略的に目標を立て、行動に移すことができるようになっています。
売上分析を行う際、具体的なイメージが無いまま始めてしまうと現場で負担が増えたり、混乱が起きる場合があります。実際に売上分析を始める前に、やるべきことを抑えておきましょう。
売上分析を行う際は、まずは全体の売上など、大きな数値から確認していくことが重要です。いきなり数値を細かくしてしまうと、情報量が多くなってしまい、現場に混乱が起きる可能性もあります。
それほど重要ではないものも重要なものとして扱い、時間を多く使用してしまう可能性があるので、初めのうちは切り口は1つにすることも重要となります。現場に混乱を起こさず、スムーズに分析を行えるように大きな数値から確認していきましょう。
売上分析を初めて行う場合、分析結果をどう活用していいのか分からない、という場合も少なくありません。分析結果を出してみたはいいものの、その数字をどう増やしていけばいいか分からないという場合も少なくないでしょう。
こういった事態を防ぐために、分析後の結果を分析前にイメージし、「どういう結果が出たらどういうアクションを起こせば良いか」ということをあらかじめ想定しておくことが重要です。
売上分析で明らかになった数字は、できるだけ数字のままにしておかず、可視化できるようにしましょう。分析を行うと多くの数字が出てくるので、それらを脳内で比較していくのは意外に脳のリソースを消費するものです。
例えば、数値をグラフ化するだけでどの数値が高い、もしくは低いという事が分かるので、分析したデータの理解度を上げることができます。売上分析の目的は数字を出すことだけではありません。数字を伸ばすための施策を考えられるように、グラフなどを利用してビジュアル化を行い、より施策を考えやすい環境を作りましょう。
売上分析のように切り口が多いデータを扱う場合は、求める切り口を忘れないようにチェックシートを用意しておく必要があります。組み合わせまで考慮すると切り口だけでもかなりの数になるので、どこを切り口にしたかについて、その部分を記録しておくとスムーズでしょう。
また、切り口をメモするだけでなく、分析結果をチェックシートの横に記載するようにすると、その後に情報をスムーズに整理することも可能です。分析結果の情報を活用するため、環境を整えておくことが重要になります。
売上分析とは、売上を指標ごとに細分化し、自社や営業担当者の課題を見出すものです。売上分析は自社の問題点や伸ばすべき点を把握し、改善、継続していくために欠かせません。分析を行う際には、まずは全体の売上などの大きな数値から確認し、その後に細かな数字を見つつ、出力結果からどのように数字を成長させていくかを考える必要があります。
しかし、自社だけで売上分析を行うには慣れるまで時間もかかったり、専門知識を持った担当者が不足したりといった課題を抱える場合も多いでしょう。
こういった課題は専門家であれば豊富な経験や知識を活かし、より深い洞察をスムーズに行うことができます。
ビジネスマッチングエージェント「Ready Crew(レディクル)」なら、どういった分析方法が自社に合っているか、という基本的な内容から相談に乗ってもらうことができます。相談は無料でできるため、自社に合った分析方法を相談してみてはいかがでしょうか。
この記事のタグ
レディクルのコンシェルジュがお客様のご要望にピッタリな企業をお探しいたします。
\ レディクルは、完全無料のサービス /
Web制作・マーケティング関連の会社探しを
レディクルに問い合わせる