2025.07.07
企業では個人単位ではなくチームごとに行動することが多いため、パフォーマンスを十分に発揮できる組織づくりへの取り組みが重要です。このような取り組みをチームビルディングと呼び、概要や手法を取り入れることで企業のメリットへ繋がるでしょう。
そこで本記事では、チームビルディングの基本から具体的な手法、成功事例までを網羅的に解説します。チームの生産性向上や組織の一体感を高めるポイントについても紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
チームビルディングとは、チーム単位で最大限の成果・実力を発揮できる組織づくりに対する取り組みです。企業や業務内容によっては特定のプロジェクトを進行するために、部署単位ではなく少数精鋭のチーム単位で取り組むケースがあります。
各チームにはそれぞれ目標があり、構成するメンバーには能力やスキルがあります。基本的にチームの目的は決められた目標を達成することであり、それに向けて計画的・戦略的に行動しなければなりません。
なお、構成メンバーの能力やスキル、強みを把握して、目標を効果的かつ効率的に達成するために環境を整備したり、コミュニケーションを取ったりする必要があります。このように、チームビルディングはチームのポテンシャルを最大限発揮し、より大きな価値を生み出すための取り組みでもあるのです。
似ている言葉に「チームワーク」があり、目標達成を目的にメンバー同士で連携する必要があることがチームビルディングとの共通点です。ただし、チームワークは短期的な目標達成に向けた組織のまとまりを意味するため、概念としてはチームビルディングの方が大きく、その要素の一つといえます。
チームビルディングの目的は、企業に利益をもたらす高いパフォーマンスを発揮する組織を作ることです。なお、取り組みによる効果や利点は次の通りです。
パフォーマンス向上
主体性の醸成
組織の一体感の強化 など
これらの効果を得ることも、チームビルディングの目的でもあります。チームビルディングへの取り組みはメンバーの強みや業務プロセスを明確にするため、その過程で新しい発見があるケースも珍しくありません。
業務プロセスを見直し、各メンバーの能力・スキルを効果的に発揮できるよう配置転換を実施することで、今までよりもパフォーマンスが向上します。すると、チームの目標達成に繋がり、結果として企業の利益となるのです。
そして、チームビルディングにより業務プロセスが見直され必要事項の情報共有が円滑に進むことで、各メンバーのやるべきことも明確化されます。それぞれが自身の課題や役割を把握することで、主体的に行動しやすくなるでしょう。
さらに、チームとして目標を掲げて、達成に向けてチームワークを強化してまとまることで、組織の一体感が生まれます。また、チームビルディングによりコミュニケーションが促進されることで知識やノウハウを共有しやすくなり、抱えている課題を解決しやすくもなるのです。
効率良くチームビルディングに取り組むためには、チームの発展を5段階に分類した「タックマンモデル」の活用がおすすめです。タックマンモデルでは、チームの発展を形成期・混乱期・統一期・機能期・散会期に分類しています。
形成期はチームを形成した初期段階であり、お互いについて把握していない状況です。まだ、チームの目標や細かい業務内容・プロセスも明らかになっていないため、これからプロジェクトやメンバーについて明らかにして理解を深める必要があります。
混乱期はお互いの理解がそこまで深くなく、異なる意見・主張がぶつかりやすい段階です。チームビルディングの通過点でもあるため、大きなトラブルに発展しないよう議論を重ねて、お互いの理解を深めましょう。
次の統一期はメンバー同士の理解が深まり、認め合うことによってチームとしてまとまりが出る段階です。お互いを完全に理解することは難しいですが、それぞれの価値観や意見を受け入れることでチームワークを発揮しやすくなります。
機能期はチームの各メンバーが主体的に行動し、組織として機能し始める段階です。リーダーが特別な指示をしなくとも各々が行動することにより、プロジェクトは進んでいきます。この段階ではメンバーが自分とそれぞれの役割を把握しているため、チームとして協力しながら成果へと近づいていくでしょう。
そして、タックマンモデルにおける最終段階となる散会期は、チームの目標を達成したりプロジェクトが完了したりと、チームとしての活動が終わる段階です。場合によっては、プロジェクトの途中でもメンバーの離脱によって散会期を迎えるケースもあり、新しいチームを編成した際はまた形成期に戻ります。
効果的なチームビルディングを実施するためには、以下のポイントを把握しておきましょう。
目標設定の明確化
メンバーの役割分担
相互理解・コミュニケーションの促進
チームとしてまとまるためには、共通の目標を設定してください。ゴールを設定することで、達成のためにやるべき具体的な行動が見えてきます。また、チームの目標が決まれば達成に向けた個人目標も設定しやすいです。
また、チームで協力して最大限のパフォーマンスを発揮するためには、メンバーが自分のやるべきことを把握する必要があります。それぞれの役割分担を明確にすることで、より具体的な目標設定やアクションを決められるでしょう。
そして、チームビルディングに取り組むことで個人では達成できない目標でも、チームであれば達成しやすくなります。そのため、個人の集合体ではなく、一つのチームとしてまとまることが重要です。
メンバー同士で協力したり、お互いに建設的な意見を出し合ったりすることで、チームとしてより高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。組織内のコミュニケーションを重視し、お互いを理解・認め合えるよう働きかけてください。
チームビルディングに取り組んでも、必ず組織力が向上するわけではありません。進めるうえでの注意点や、陥りやすい落とし穴を把握しておくことは重要です。
例えば、目標を適当に設定するとメンバーの具体的な行動が見えてこず、何をすべきかわからない状態に陥りかねません。そのため、適切な目標を設定しなければメンバー個人のパフォーマンスが下がり、チームとしての目標を達成できないのです。
他にも、メンバーへ仕事を任せっきりになるケースも適切ではないでしょう。メンバーへ依頼する業務範囲が広すぎたり、業務量のバランスが悪かったりすると、個々のモチベーションが低下しやすいです。さらに、お互いの理解を深めないままプロジェクトを進めると、メンバー間の対立が生まれる可能性があるため注意しなければなりません。
チームビルディングの手法にはいくつか種類がありますが、代表的なものは次の3つです。
アイスブレイク
ワークショップ
ロールプレイング
アイスブレイクとはメンバーの緊張をほぐし、適切にコミュニケーションを取れるようチームの雰囲気をリセットすることです。特に、チームが組織された初動段階で必要なステップで、自己紹介に加えて簡単なゲームなどを実施して、自然なやり取りを始められるよう準備します。
次に、ワークショップとは特定の課題について、メンバー間で解決に向けて話し合いをすることです。チームビルディングを目的にした研修では、仮定の課題や実際に起こった他社の事例などをもとに、解決に向けて議論します。
そして、ロールプレイングとは指定の役割を演じることで、問題解決能力を向上させる手法です。例えば、営業チームであれば具体的なクライアント像をイメージしてメンバーが演じることで、効果的な訴求方法などを思い付きやすくなります。
実際の企業でチームビルディングに成功した「株式会社ぐるなび」の事例を紹介します。ぐるなびでは、チームビルディングとして社長と社員が歩きながら会議をする「ウォーキング・ミーティング」を実施しています。
ウォーキング・ミーティングは多いときで週に3回程度、皇居周辺などを歩きます。上司とメンバーが並んで歩くことで自然に話し合いができ、リラックスした状態での意見交換が可能です。
従来の室内会議よりも話しやすく、メンバー間の壁がなくなり距離が縮まり、結果としてチームワークが向上しました。
チームビルディングを学ぶためには、関連の書籍を読んでみるのも良いでしょう。おすすめの書籍には中原 淳氏・田中 聡氏著の「ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方」が挙げられます。
本著では「チームの病」と称したさまざまな課題や、チームワーキングに求められる3つの視点、そして求められる3つの行動原理について紹介しています。
効果的にチームビルディングを進めるためには、自社で研修プログラムを考えて実施するよりも、専門的な企業が提供する研修やセミナーを取り入れることも有効です。
例えば、チームビルディングを推進するリーダーを育成するための研修を受けることで、目標達成に向けて舵取りできる管理職を創出しやすくなります。研修やセミナーにはさまざまな種類があるため、理想のチーム像を思い描き、提供内容と合致した企業に依頼しましょう。
自分たちの力だけでは効果的なチームビルディングが難しい場合、サポートしてくれる企業の手を借りることもおすすめです。ここからは、チームビルディングの支援企業を紹介します。
Thermalworks株式会社は、社員研修事業と採用コンサルティングを行っている企業です。セミナー・講演などの研修は850回以上も実施しており、25,000人以上へ直接指導した実績があります。
具体的には、ビジョン設計の支援や体験型ワークショップ、組織カルチャーの変革などのサービスを提供しており、企業が掲げる理念のメンバーへの浸透と、チームの主体性を同時に促す設計が得意です。
会社名 |
Thermalworks株式会社 |
サービス名 |
・社員研修事業 ・人材採用 ・組織デザインコンサルティング事業 |
費用 |
要問い合わせ |
おすすめポイント |
・ビジョン設計の支援 ・体験型ワークショップ ・組織カルチャーの変革 |
チームビルディングは、チーム単位の組織の目標達成やメンバーの成長に不可欠な取り組みです。目標を達成して企業に利益をもたらすチームを作るためには、適切なステップで組織を構築しなければなりません。
まずは、明確な目標を設定してメンバーとコミュニケーションを取り、信頼関係を築く必要があります。自社にチームマネジメントの知識やノウハウがある人員がいない場合は、効率良くチームビルディングを進められるよう専門のサポート企業へ相談しましょう。
なお、チームビルディングの導入や改善を検討されている方はReady Crewの利用がおすすめです。Ready Crewは発注先の検索が完全無料となっており、コストを抑えてチームビルディングに貢献する支援企業のご紹介が可能です。まずは、お気軽にご相談ください。
この記事のタグ