ヘルプデスク業務とは?効率化・外注・将来性まで徹底解説|発注先選びも紹介
2025.07.08
問い合わせやカスタマーサポートなど突発的な業務が中心となるヘルプデスクは、人手不足や業務負荷などあらゆる課題を抱えています。
ヘルプデスクを取り入れたいが役割がわからない、ヘルプデスクを効率化させたいという企業向けに、ヘルプデスク業務の基本的な役割や定義、効率化の方法などを解説します。
なお、ヘルプデスクの課題解決に有効なアウトソーシングのメリットや将来性についても紹介するので、効率的な業務運営を目指すためにも、ぜひチェックしてください。
ヘルプデスクは問い合わせやカスタマーサポートなど不規則な業務が中心で、業無負荷がかかりやすいという特徴があります。自社の体制を整えて改善されるケースもありますが、対応できない場合はアウトソーシングがおすすめです。
そこで本記事では、ヘルプデスク業務の基本的な役割や定義、効率化の方法について解説したうえで、おすすめのアウトソーシング4社を紹介します。
ヘルプデスクの抱えている課題を解決して効率的な業務運営を目指したい企業はもちろん、基本的な役割や定義を知りたい方も、ぜひチェックしてください。
ヘルプデスクの基本的な役割と定義
ヘルプデスクの基本的な役割は、顧客や社員の環境整備です。社外・社内で以下のような役割が揚げられます。
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役割
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具体的な業務内容
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社外
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顧客満足度のキープ
サービス品質の維持
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・顧客からの問い合わせ対応
・クレームやトラブル対応
・営業のサポート
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社内
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社内業務の環境整備
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・社員への電子端末の貸出や設定
・トラブルシューティング
・IT機器の管理やメンテナンス
・ITに関する社員からの問い合わせ対応
・社内への新規電子機器の導入
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ヘルプデスクは主に社外・社内の両者に対するITサポートを指しますが、企業によって定義が異なります。企業によっては、カスタマーサポートやカスタマーサービスを含めたチームをまとめてヘルプデスクと呼ぶケースもあります。
ヘルプデスクの重要性
ヘルプデスクは社外・社内両方からの問い合わせやトラブルに対応するため、他部署の負担を減らすという重要な役割があります。
仮にヘルプデスクがなければ、各部署の問題は所属部署メンバーが対応しなければならないため、設置することで業務が中断したり、人手不足で業務が進まなかったりするリスクを軽減できます。
問い合わせ対応に追われる状況を回避したい場合、ヘルプデスクの設置はおすすめです。
顧客・社員対応の中心としての役割
ヘルプデスクの主な役割は、顧客・社員対応です。つまり、顧客満足度や社内サポートに直結する立ち位置と言えるでしょう。
ヘルプデスクには顧客・社員からの意見や要望が届くので、データにまとめて品質改善・新サービス考案などに繋げられます。
また、ヘルプデスクは社内の他部署間を連携させる立場であるため、立ち入ることで中立的な立ち位置からの解決が期待できるでしょう。
IT環境の安定稼働サポート
スマホやパソコンをはじめ、企業独自のシステムを安定して稼働させるためには、ヘルプデスクのサポートが重要です。
ヘルプデスクはIT環境の導入・メンテナンスだけでなく、日々の業務におけるサポートも担います。例えば、スマホの設定がわからないという社員の窓口になることで、システムの操作に自信がない部署でも安心です。
なお、ヘルプデスクは社内SEと明確な定義の区別がなく、企業によっては社内SEと同じ業務内容というケースもあります。
業務負荷の増大
ヘルプデスクは業務量や内容が相手に左右されがちなため、問い合わせが多い部署では業務負荷が考えられます。昨今はリモートワークやDX化が進んでいるため、利用者からの問い合わせが増加傾向にあることも懸念点です。
また、ヘルプデスクは属人化について考慮しなければなりません。事前にマニュアルがあるのではなく、対応後にデータ化してまとめていくケースが多いため、知識や経験が特定の人に偏ってしまうのです。故に、業務が特定の人に集中しないよう体制を整える必要があります。
スキル不足・人材確保の難しさ
ヘルプデスクは実際の問い合わせやトラブルから対応策を積み上げていくため、事前にスキルを磨くことが難しい傾向にあります。また、全員に通用するマニュアルを作りにくく、個人の知識や経験の差によって対応できる範囲も異なるので、スキルアップの再現性が低い点はデメリットです。
つまり、経験値が高い個人が転職・異動になると、ヘルプデスクとして稼働しなくなるリスクもゼロではありません。
業務の効率化と品質維持の両立
業務の効率化と品質維持の両立は、ヘルプデスクの代表的な課題です。ヘルプデスクへの問い合わせは1件ごとに内容が全く同じではないため、詳細に対応していると他の業務が滞ったり、時間と人員が足りなくなったりします。反対に、効率化を重視するあまり品質が悪くなり、顧客満足度の低下にも繋がりかねません。
業務マニュアルの整備と標準化
いつ誰が対応しても再現性があるように、業務マニュアルの整備と標準化をしておきましょう。
問い合わせが来てから対応方法を決めていては、効率的な解決は難しいです。問い合わせをカテゴリに分けて、エスカレーションのマニュアルを作っておくと安心です。なお、マニュアルでは以下のようなことを決めておきましょう。
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この種類の問い合わせには
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誰に
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どのような手段でエスカレーションするのか
ヘルプデスクは業務手順を標準化して、どのスタッフでも一定ラインの対応ができる体制をつくることが大切です。
FAQシステム・チャットボットの活用
業務を効率化しつつ品質もキープするには、幅広い問い合わせに対応できるFAQシステムやチャットボットが役立ちます。
FAQシステムとはFrequently Asked Questions(よくある質問)の略で、質問・回答をデータベースにまとめたものです。顧客や社員が閲覧できるサイトにまとめて、問い合わせる前にチェックしてもらう体制を整えることで、ヘルプデスクの労力や時間をカットできます。
チャットボットは「自動会話プログラム」を指し、人間に代わりチャットの返答をしてくれるシステムです。24時間365日対応しているので、残業する必要もありません。
アウトソーシング・外注の活用
自社での対応が難しい場合は、アウトソーシング・外注の活用がおすすめです。社員の業務負荷を減らせるうえ、すぐに一定レベル以上のヘルプデスク運用ができる点はメリットとなります。
ヘルプデスクの業者は複数あるので、自社のニーズやコストなどを踏まえて依頼先を検討しましょう。
ヘルプデスクの効率化を成功させるポイント
ヘルプデスクの効率化を成功させるには、以下3つのポイントが重要です。
適切なパートナー選定
ヘルプデスクのアウトソーシングは、どの業者でも良いわけではないため、以下のポイントから適切なパートナーを選ぶことが大切です。
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自社が必要とする業務を依頼できるか
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コストや費用対効果が適切か
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担当者とコミュニケーションをとりやすいか
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セキュリティ対策が整っているか
アウトソーシングの対応可能範囲は業者によって異なるので、ニーズにあっているか事前にチェックしましょう。そして、コストや担当者の対応、セキュリティ体制なども併せて確認してください。
スキル教育とナレッジ共有
ヘルプデスクでの対応を個人の知識や経験に任せるのではなく、スキル教育とナレッジを共有して全員で対応できる体制を整えることが大切です。
最初は手探りになりますが、業務が完了するたびにノウハウを蓄積してナレッジ化しましょう。過去の問い合わせのデータが溜まると、類似の事象に対応しやすくなります。
また、個人によって対応・知識の差が出ないよう、社内外を問わずスキルアップできる教育体制を整えることも欠かせません。
KPIの設定と運用の徹底
ヘルプデスクはイレギュラー対応がメインですが、KPIを設定・運用することで成果を定量的に管理できます。なお、ヘルプデスクが設定すべきKPIは以下の通りです。
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問い合わせ数
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解決率
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解決時間
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1件の問い合わせに対するラリー数
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顧客満足度
KPIの設定により、10件中8件は解決できるが2件は保留などデータ化でき、数字を意識することでヘルプデスクの効率化を図れます。
IT化の加速によるニーズ拡大
チャットボットやFAQなどIT化は加速しており、いずれヘルプデスクの人手は不要になるという声はゼロではありません。
しかし、新しいシステムが導入されるたびにレクチャーやメンテナンスをする人が必要になるため、実際にはヘルプデスクのニーズは拡大の傾向にあります。つまり、IT化が加速するとヘルプデスクのニーズは拡大するでしょう。
ヘルプデスク業務の高度化と専門分化
常に新しくなるIT機器やシステムに対して、ヘルプデスクは多くの知識が求められる傾向にあります。従来の対応以外にもセキュリティやインフラなどの知識も必要となるため、自社の社員だけでの対応は簡単ではありません。
専門的で高度な技術・知識が求められる業務は、アウトソーシングに一任するのもひとつの手段です。
株式会社シントーワ・インベストメント
シントーワ・インベストメントはITシステムのコールセンターなどヘルプデスクの基本的なサポートだけでなく、システムの保守・監視も依頼できます。
取り扱いシステムは金融系やメガバンク、選挙など幅広いので、多くの企業が依頼しやすいでしょう。
会社名
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株式会社シントーワ・インベストメント
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サービス名
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ITヘルプデスク
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費用
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要相談
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おすすめポイント
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・人材派遣・業務委託の柔軟な契約形態が可能
・システムの保守・運用も依頼可能
・システムの開発のサポートあり
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ポールトゥウィン株式会社
ポールトゥウィン株式会社はゲームメーカーやアミューズメント機など、エンタメ業界を中心としたヘルプデスク代行業者です。
企業規模や問い合わせ数などに応じて運用プランを提案するので、無駄にコストがかかりません。電話やチャットなど必要に応じた依頼をしたい場合、おすすめの依頼先となります。
会社名
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ポールトゥウィン株式会社
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サービス名
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カスタマーサポートサービス
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費用
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要相談
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おすすめポイント
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・24時間365日体制にも対応可能
・ゲームやエンタメ業界に強い
・20言語に対応
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株式会社ネイティブクリエイション
株式会社ネイティブクリエイションは、プライバシーマークと情報セキュリティマネジメントシステムの認証を取得している企業です。高いセキュリティ体制を強みとしており、安心してアウトソーシングを活用できます。
また、日本語だけでなく多言語にも対応しているので、海外とのやり取りが多い企業にもおすすめです。
会社名
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株式会社ネイティブクリエイション
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サービス名
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ヘルプデスク
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費用
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要相談
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おすすめポイント
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・多言語サポートが可能
・開発・運用・保守まで一気通貫の支援が可能
・セキュリティ体制が整っている
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株式会社エクスブレーン
株式会社エクスブレーンは「システム開発」「インフラ」「DX」という3軸の事業を展開しています。問い合わせ対応のような基本的な業務だけでなく、基幹インフラの設計や構築も依頼できるため、問い合わせ対応の体制が整っていない企業にもおすすめです。
また、DX推進化もサポートしているので、将来的にDXの知識を身に付けたい企業は問い合わせてみてください。
会社名
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株式会社エクスブレーン
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サービス名
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リモート保守サービス
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費用
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要相談
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おすすめポイント
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・遠隔でのヘルプデスク業務が可能
・インフラ設計や構築の依頼が可能
・DX推進化のサポートあり
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ここでは、ヘルプデスク業務に関するよくある質問についてまとめています。
ヘルプデスクはどんな仕事をしますか?
社外・社内両面からのITサポートや問い合わせが主な仕事です。
社内SEとヘルプデスクの違いは?
ヘルプデスクは導入されたITの問い合わせ対応がメインである一方、社内SEはシステム全般の業務を担当します。システム開発から保守運用など、テクニカルなサポートは社内SEが行います。
ヘルプデスクとコールセンターはどう違いますか?
顧客からの問い合わせに回答する点は、ヘルプデスクとコールセンターに共通します。なお、コールセンターは営業電話をかけるケースがありますが、ヘルプデスクから顧客へ連絡することはほとんどありません。
ヘルプデスクに求められるスキルは?
取り扱いシステムに対する知識だけでなく、IT全般に関する知識が必要です。また、顧客や社員からの問い合わせに対するコミュニケーション力、トラブル対応力も求められます。
ヘルプデスクが担当する範囲は?
システムの使用方法のレクチャーやトラブル対応など、幅広く担当します。企業によっては、コールセンターや社内SEと同じ業務を行うケースもあります。
この記事では、ヘルプデスク業務の基本的な役割や定義、効率化の方法について解説しました。
ヘルプデスクの基本的な役割は、社内・社外からの問い合わせ対応やIT環境の整備です。イレギュラーな対応がメインなので、属人化や業務負荷などが課題となっています。
マニュアル化やスキル教育などで効率化を期待できますが、自社で対応しきれない場合はアウトソーシングを活用しましょう。
なお、ヘルプデスクのアウトソーシングを探す際には、Ready Crewがおすすめです。Ready Crewは業界・業種を問わず、パートナー企業を完全無料で紹介します。効率的にぴったりなアウトソーシングが見つかるので、まずはお気軽に問い合わせてみてください。