戦略的提携は企業同士が法的には独立したまま互いの経営資源を持ち寄り、共通の目標を追う協力関係のことを言います。その際、持ち寄るものは主に以下です。
単独では難しい新市場参入や技術開発を、パートナーの力を借りて実現しようとします。なお、M&Aとの違いは所有権にあり、買収や合併では経営支配権が移りますが、アライアンスでは各社が法人格を維持したまま組みます。
通常の取引より深い関係ですが完全統合まではいかないため、その中間を狙う選択肢と考えましょう。実務でよく使われる方式は、以下の3パターンです。
- 合弁会社を新たに設立する方式
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株式を相互保有または一方取得する方式
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契約だけで協力する方式
提携の代表形態(合弁/資本/非資本)
合弁会社(JV)は複数企業が共同で新会社を立ち上げる形で、出資比率が50対50なら対等型、どちらかが過半数なら主導型となります。新市場への本格参入や大型の研究開発など、腰を据えて取り組む案件で選ばれやすい形式です。
資本提携は一方が相手の株式を買う、あるいは双方で株を持ち合う形式を指します。有名な例としては、PanasonicがTeslaに30億円出資し、バッテリー工場を共同運営した件が挙げられます。技術や製造ラインに直接関与できますが、投資額が大きく回収までの期間は長くなる点が特徴です。
そして、契約だけで進める非資本型はライセンス供与や共同マーケティングといった形で実現されます。新会社も出資も不要なため立ち上がりが早く、相性を確かめたい初期段階に向いています。ただし、拘束力は弱いため途中で優先度が下がり、立ち消えになることもある点に注意しましょう。
M&Aや「共同事業」との線引き
M&Aでは買収側が対象企業の経営権を握り組織を統合しますが、アライアンスは各社が独立を保ちながら協力するため、撤退の判断も比較的しやすくなります。外部成長の手法として見れば、以下のように整理できます。
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M&A:買って自分のものにする
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アライアンス:組んで足りない部分を補う
なお、資金力や時間軸、統合のリスクをどこまで許容できるかで使い分ける企業が多いです。
市場の変化スピードが上がり、技術サイクルも短くなったことで顧客ニーズは多様化し、グローバル競争は激化しています。そのため、自社だけで全てを担うと、品質・コスト・革新・スピードのどこかで行き詰まることになりかねません。
よって、足りない部分を外から調達する発想が広がり、アライアンスが現実的な選択肢になってきました。大企業においても、30件以上のアライアンスを同時進行させているケースは珍しくありません。
技術・市場の複雑化と補完資産へのアクセス
特定技術を自前で開発するには、時間と資金が莫大にかかります。その点、技術をもつ企業と販路をもつ企業が手を組めば、互いの弱点を補いながら前に進めるため、海外進出においても現地の商習慣や規制に詳しいパートナーがいれば、失敗の確率は下がります。
例えば、自動車業界では電動化や自動運転といった技術領域で、異業種との連携が急増しています。トヨタがソフトバンクと組んでMONET Technologiesを設立したのは、モビリティサービスのプラットフォーム構築に向けた動きです。自動車メーカーが単独でAI技術やビッグデータ解析の専門家を大量に抱えるより、IT企業と組んだ方が開発スピードは上がります。
ソフトウェアやテクノロジー業界でアライアンスが盛んなのは、プロダクトライフサイクルが極端に短いからです。開発費を分担して複数社の技術を組み合わせなければ、市場投入が間に合わないという背景があります。
政策・制度面(産学官連携の整備)
日本では経済産業省と文部科学省が、2016年に「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」を策定し、大学と企業の組織的連携を後押ししてきました。2020年の追補版では、大学の研究成果に適正な対価を設定する手法や、産業界側の体制整備の指針が追加されています。
制度が整ったことで企業はスタートアップや研究機関と組みやすくなり、連携の敷居が下がっています。
成長とスピード
自前で能力を構築するより、既存のネットワークを借りた方が市場投入は早くなります。海外進出で現地の流通網を活用すれば、ゼロから販路を築く手間が省けるでしょう。さらに、提携相手のブランド力を借りることで、顧客の信頼を得やすくなる効果もあります。
スターバックスとペプシコの協業は、異なる強みを持つ企業同士が手を組むことで、双方にメリットをもたらした好例です。スターバックスはコーヒーブランドとしての知名度と製品開発力を持っていましたが、スーパーやコンビニといった小売店への流通網は十分ではありませんでした。一方、ペプシコは飲料業界で培った広範な流通ネットワークを有しています。
両社が提携したことで、スターバックスはペプシコの流通力を借りて缶やボトル入りコーヒー製品を全国の店舗に届けられるようになり、ペプシコは人気コーヒーブランドを自社のラインナップに加えることができたのです。
このように、自社に足りない部分を相手の得意分野で補い合う形の提携は、両者にとって新たな成長機会を生み出す有効な戦略といえます。
投資とリスクの分散
アライアンスなら投資額を限定しやすくなります。合弁会社でも出資比率に応じた負担で済むため、全額自己資金で事業を立ち上げるより財務的なダメージは小さいです。
進め方として、小さく始めて成果を確かめてから規模を拡大するなど、相手との相性や市場の反応を見極めたうえで次の投資を判断できます。
アライアンスの失敗率は高く、複数の調査では50〜70%が当初の目標を達成できずに終わると報告されています。また、80%以上が失敗するという厳しい数字を挙げる研究もあるほどです。失敗の原因を整理すると、主に以下が挙げられます。
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目標のズレ
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利益配分の偏り
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情報共有の不足
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片方の不祥事がもう片方に波及する
根本をたどれば、ガバナンスを設計段階で詰め切れていないケースが大半です。では、失敗の要因を具体的に見ていきましょう。
意思決定と責任の曖昧さ
「誰が何をいつまでに決めるか」を契約と会議体で明文化しなければ重要な判断が宙に浮き、パートナー間で優先順位の認識がずれたまま進めると、途中で関係が悪化してプロジェクトが止まりかねません。
責任の所在が曖昧では問題が起きたときに責任転嫁が始まり、信頼が崩れることにも繋がるでしょう。そのため、決裁権限と報告ルートは契約締結前に固めておかなければいけません。
評判・品質リスクの相互伝播
共同ブランドを掲げていれば消費者は両社を一体とみなすため、パートナーの一方で品質問題や不祥事が起きると、もう一方の信用も傷つきます。
VWとスズキの提携破綻は、VWが技術を開示せず、スズキがインド市場へのアクセスを与えなかったことで信頼が崩れ、最終的にスズキが契約違反を通告し、国際仲裁裁判所での争いが4年近く続いたことでも知られています。
こうした事態を防ぐには、品質基準やコンプライアンス体制を事前に確認し、定期監査やKPI管理で早期に問題を見つける仕組みが必要です。
戦略仮説の明文化(補完資産とギャップの特定)
まず、自社の弱点を洗い出して、パートナーの強みがどう埋めるかを言語化します。つまり、「なぜ単独でなく組むのか」を社内外に説明できる状態を作るのです。仮説が曖昧なままだとパートナー選定の軸がぶれ、交渉も難航しかねません。目的・期待成果・前提条件を文書化して、双方で共有しておきましょう。
運営ガバナンス(会議体・情報・知財・出口)
決裁ルール、知財の帰属先、競争領域と協調領域の線引き、解消の手続きを設計します。会議体は経営レベルと実務レベルに分け、それぞれの意思決定権限と情報共有範囲を明示します。
知財の扱いは紛争の火種になりやすい点です。そのため、共同開発で生まれた成果の配分方法や、将来競合になったときの扱いを事前に詰めておきましょう。なお、提携を終わらせる際の手順と条件を契約に盛り込んでおけば、万一のときでも円滑に動けます。
KPIと見直し(期間・マイルストン・ROI)
売上、新規顧客数、開発マイルストンといった数値指標を設定します。測定方法と担当者を決め、四半期ごとにレビューしましょう。
なお、成果指標だけでなく活動量や関係性の質も見るとバランスがとれます。例えば、「意思決定にかかる平均日数」や「情報共有の頻度」といったプロセス指標を加えると、問題を早く見つけられるでしょう。
合弁(JV)で始める
合弁は責任分担がはっきりしており、双方が本気で取り組むインセンティブが働くため、新会社を通じて意思決定を一本化できます。ただし、登記・ガバナンス設計・人員配置など、立ち上げの負荷は大きくなり固定費も増えるため、事業規模や収益見込みとのバランスを見ましょう。なお、撤退時は清算手続きが必要なことから、機動的な方針転換はしにくくなります。
非資本アライアンスで素早く試す
契約で範囲を区切り、短期間で成果を検証したいなら非資本型が向きます。ライセンス契約や共同マーケティング契約なら、設立コストを抑えながら効果を測ることが可能です。
なお、拘束力が弱いだけにパートナーが途中で優先度を下げて、立ち消えになるケースもあります。秘密情報の管理も甘くなりやすいため、開示範囲と守秘義務の設定には注意が必要です。
株式会社ARUKIBITO
映像制作を軸に、マーケティング戦略からSNS運用、ウェブ制作まで対応可能です幅広い提携先をもち、クライアントのニーズに応じて柔軟に連携できます。
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会社名
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株式会社ARUKIBITO
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サービス名
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・映像コンテンツ企画/制作
・Web/カタログ制作
・ブランディング/マーケティング支援
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費用
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要問い合わせ
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おすすめポイント
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・映像制作を軸とした多角的な支援
・地方PRや地域タレントとの連携実績あり
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エバーコネクト株式会社
新規事業共創やCVC運営支援を手がけています。スタートアップや他社新規事業部門とのマッチング機能をもち、連携先探しのハブになります。
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会社名
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エバーコネクト株式会社
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サービス名
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コンサルティング&アウトソーシングサービス
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費用
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要問い合わせ
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おすすめポイント
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戦略から実行まで一貫支援
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株式会社ixaid
ウェブ制作とマーケティングに強みをもっています。100名超の大規模プロジェクトにも対応し、提携パートナーと組みながらクロスメディア企画を推進します。
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会社名
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株式会社ixaid
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サービス名
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設計製作・コンサルティング
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費用
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要問い合わせ
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おすすめポイント
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最適な戦略や施策を共に考えられるパートナー企業
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パートナー探しは、「何を達成したいか」「どの資産が足りないか」の整理から始まります。目的を明確にしたうえで候補を広く集め、秘密保持契約の締結前後で相性を段階的に評価していきましょう。なお、評判やメディア記事だけで判断せず、一次情報での確認が原則です。ウェブサイトの企業情報や過去のプレスリリース、IR資料などから実態を把握し、可能であれば既に提携している企業に話を聞くのも有効です。
また、候補リストの作成段階では、最初から絞りすぎない方がいいでしょう。業界の垣根を超えて探すと、思わぬ相手が見つかることもあります。自動車メーカーとIT企業、製薬企業とAIスタートアップの組み合わせなど、異業種間の提携が増えているのはそのためです。
初期スクリーニングのチェック項目
初期スクリーニングにおいては、以下を確認してください。
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重複市場
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チャネルの有無
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競合関係の有無
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意思決定の速さ
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法務・知財の整備状況
また、規模やカルチャーの違いも見逃せません。経営層がどこまでコミットするか、実務レベルでコミュニケーションがとれそうかを面談で確認しておくと、契約後の摩擦を減らせます。
そして、提携実績の有無も判断材料になります。過去に複数のアライアンスを成功させている企業は、連携のノウハウが蓄積されている可能性が高いです。逆に、初めてのアライアンスだからといって避ける必要はありませんが、ガバナンス設計により時間をかける覚悟は必要です。
契約前の“赤信号”
契約前に以下の兆候が見られる場合は、十分に注意してください。
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成果の定義が曖昧なまま進めようとする
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情報開示に極端な偏りがある
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解消の手続きを契約に入れたがらない
交渉初期でこれらが表面化した場合、契約後も同じ問題が起きる確率は高くなるため、無理に進めず条件の再交渉か撤退を検討した方が長期的には得策です。
また、契約書のドラフトを何度も先送りにする、重要な質問にはぐらかした回答しかしない、担当者がコロコロ変わるといった状況も要注意です。こうした企業は社内の意思決定が混乱している可能性があり、提携後も指示系統が不明瞭なまま進む恐れがあります。
ここでは、戦略的提携に関して多く寄せられる質問に簡潔に回答します。
戦略的提携とM&Aの違いは?
アライアンスは独立性を保って協業し、M&Aは支配・統合が前提です。最大の違いは、所有権が移るかどうかにあります。
「戦略的」とは?
経営目標に直結する合理性があることを指します。「なぜ単独でなく組むか」を第三者に説明できる状態なら、その提携は戦略的といえるでしょう。目的が曖昧なまま組むと、単なる付き合いで終わりかねません。
なぜ増えている?
技術・市場の複雑化で補完資産へのアクセスが重要になったこと、グローバル競争下でスピードが求められること、産学官の連携枠組みが整備されてきたことが背景にあります。
戦略的思考の具体例は?
「自社の弱点(流通網がない)×相手の強み(全国にチャネルをもつ)=目標(新市場で売上を立てる)」を数値目標で結び、提携で埋める設計を行います。
戦略的な提携とは?
互いに何を補うかが明確で、ガバナンスとKPIと解消手続きまで定義された協業を指します。形式だけでなく、成果測定と改善サイクルが回っている状態が望ましいです。
戦略的提携は補完資産・ガバナンス・KPIの組み合わせで成り立ちます。技術や市場が複雑化する昨今において、単独では届かない価値を実現する有力な手段です。
成功確率を高めるには、まず目的を言語化して提携スキームを選び、運営ルールと指標を設計します。四半期ごとに見直し、必要に応じて方針を修正するループを回し続けることで成功確率は高まるでしょう。
なお、パートナー選定では警戒すべきサインを見逃さず、契約前に課題を洗い出す姿勢が欠かせません。準備を丁寧に進めて対話を続けることが、長期的な協業の土台になります。
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