ー今回はレディクルを通じて社史制作の発注先を探されたそうですね。
石川様:はい。社史制作の話自体は以前から出ていましたが、ずっと形にならずふわっとした状態でした。50周年を迎える前年に制作することが決まり、私がプロジェクトのリーダーとして関わることになりました。しかし、時間がない上、社史を制作可能なパートナーをどのように探したらいいか、困っておりました。
ーずいぶんと急なお話しだったのですね。
石川様:通常は2〜3年かけるところを、約1年前に動きだすというタイトなスケジュールで始まりました。まずは制作会社を探さねばといくつかツテを当たったのですが、予算をオーバーしたり、ご提案が合わなかったり。インターネットで検索をしながら自分でも探しましたが、強い手ごたえは感じられませんでした。
ーレディクルに依頼することになったことになった経緯を教えてください。
石川様:営業のお電話をいただいたのがきっかけです。以前から何度かご連絡をくださっていて、「タイミングが合えば」とお答えしていたのですが、今回、制作会社を探している時にちょうどご連絡が来て、お試しの気持ちで依頼しました。
ー社史のテーマやコンセプトはプロジェクトチームで考えられたそうですね。
石川様:はい。当社はビルメンテナンス企業として50年の歴史がありますが、業務の記録や写真はほとんど残されていません。基本的に現場の管理はルーティーンワークであり、毎日同じ業務を続けるなかで“何も起こさないこと”が我々の仕事。つまり、社史に刻むような「目に見える歴史」がありません。過去の記録より、未来に向けた私たちの“想い”を伝えられるものを作りたいと思いました。
ー制作会社の選定に当たり、コンシェルジュにはどのようなご要望を出されましたか。
石川様:スケジュールと予算の条件、あとは、お伝えしたように当社には「目に見える歴史」と呼べるものがないので、それを補うアイデアを出せる企業です。一般的な社史のような固いイメージではなく、新しいモノを一緒に作ってくれるところに依頼したいと思いました。
谷:石川様のご要望を踏まえた上で、十分な実績があり、「提案の幅が広い」「課題解決が得意」など、強みがかぶらない複数社にお声がけしました。納期が短いため、先方の状況次第という心配はありましたが、「面白そう」と前向きなお返事をくださる企業が多く、かなり早い段階でご紹介ができました。
ー最終的に選ばれたのはL社様でした。決め手となったポイントを教えてください。
石川様:他の企業が社史らしく「会社の歴史」というものに則したご提案をくださったのに対し、L社様からは、現場で働く社員の写真を使って“視覚に訴える”という新たなアプローチをご提案いただきました。まるでビジュアルブックのような内容です。これなら記録や写真があまりない弊社でも作り込めるのではないかと思い、L社様に依頼をしました。
ー昨年9月に制作を開始し、今年4月の記念式典で配布するというタイトな日程だったそうですが、制作中はL社様とどのようにやりとりをされていたのでしょうか。
樋口様:週1回のオンラインミーティングの他に、普段からコミュニケーションツールのChatworkで密に連絡を取りあっていたので、短期間でスムーズに話が進んだ印象です。
石川様:アイデアが出た時や確認したいことがある時は、時間や曜日に関係なく柔軟に対応していただいて非常に助かりました。
ー制作過程で特に大変だった点はありますか。
石川様:写真メインの構成に決まったものの、私たちが管理業務等を行う現場は基本的に撮影NG。機密事項が含まれるため一般の方は入れない場所が多いです。そのため、現場担当者や営業担当者が取材交渉を行う必要があり、日程の調整や撮影準備にはどうしても時間がかかりました。同じ総務の制作チームにもかなり負担をかけてしまったと思います。
ー納期も間に合い、無事に配布されたそうですね。完成品を手にした時のお気持ちを教えてください。
樋口様:何もないところから、取材をして写真を撮り、一つ一つが積み重なっていく様子をずっと近くで見ていたので、本当に嬉しかったです。
石川様:一般的な社史からはかなり逸れた内容だったので、役員への進捗報告はいつも緊張の連続。しかし、「みんなが考えたことだから」という上席のフォローもあって最後までたどり着けました。周囲に助けられながら作ったものだと、改めて実感しましたね。
ー周囲からはどのような反応がありましたか。
石川様:やはり新しい試みなので、社内の評判を聞くのはいまだに緊張します。お配りした株主様や取引先のお客様には喜んでいただけているようです。
ー社史制作という大きなプロジェクトを終えて、何か変化はありましたか。
石川様:制作メンバーからは、現場で働く社員との距離が縮まったという声が上がっています。一緒に社史を作り上げたことで絆が生まれ、今ではよりよい関係が築けているようです。
ーL社様には、続けて別の案件も依頼されているそうですね。
石川様:周年ロゴのデザインや、カレンダーやクリアファイルなどのオリジナルグッズのデザインをお願いしました。恥ずかしながら当社には今まで社名入りのアイテムがなく、ずっと「欲しいね」と話していましたが、それを実現する手段がなかったのです。L社様に尋ねたら快く引き受けてくださったので、その後に50周年ロゴ入りの紙袋もお願いしました。
谷:親身にお付き合いしていただける会社さんをご紹介できるのは、コンシェルジュとして一番嬉しいことです。L社様からも素敵な会社をお繋ぎし喜びの声をいただいています。
ーレディクルを利用するメリットはどんな点にあると思いますか?
石川様:自分で探しても出会えないような企業に会えることだと思います。今回の案件で多くの企業の方と出会い、様々なアイデアに触れられて、こんなに面白いことは他にないなと感じました。古くからのツテを使うのは楽ですし、「知っている」「慣れている」という安心感もあります。でも、“こちらの想像を超えるもの”とは中々出会えません。だからこそ、レディクルを使う意味があるのではないでしょうか。
谷:ありがとうございます。石川様はご自身でも複数の企業に当たり、レディクルを通じても複数の紹介を希望されました。発注候補先の企業様、一社一社とお話をするのは大変だったと思います。しかし、本当に良いものを作りたいという想いが力強く伝わり、私も「絶対に喜んでいただける企業を探そう」と熱が入りました。
ーどんな企業にレディクルをお勧めしたいですか?
石川様:あらゆるケースに対応してくださるので、どんな企業にもお勧めできます。つい先日も部署内で「あの件、レディクルの谷さんに相談しよう」なんて会話をしたばかり。「社史」という成功体験があるので、困った時はレディクルにお願いすればいいという感覚です。
樋口様:企業同士を繋ぐビジネスマッチングエージェントがあることを、私はまったく知りませんでしたが、今回はレディクルを知ったおかげで貴重な経験をさせていただきました。どんな時でも頼れるサービスだと思います。
ー業務における今後の展望などがあればお聞かせください。
石川様:私たちの主たる業務のひとつである採用活動には、今以上に力を入れていきたいです。実はすでに採用のパンフレットをL社様に依頼しているので、この流れで、今後はブランディングについてもご相談できたらと。
ー今後はブランディングにも注力していかれるのですね。
石川様:採用活動において、やはり企業ブランディングは必須ですので。今まではやりたくても社内の理解を得にくい風潮がありましたが、今回の社史やグッズの制作で「こういうものがあるといいよね」という感覚を共有でき、一歩前進したような気がしています。長い間変えられなかったことを変える、今がそのチャンスかもしれません。