年間1,800案件を動かす中での「外部パートナー不足」
――まず、御社の事業内容と森様の役割について教えてください。
森様: 日清食品ホールディングスは、日清食品を中心とした食品メーカーグループの持株会社です。私が所属していたデザインルームは、パッケージデザインや販促物のデザインを手掛ける部署で、カップヌードルやチキンラーメンといったインスタント麺はもちろん、日清シスコのシスコーンやココナッツサブレ、日清ヨークのピルクルなど、グループ全体の商品や販促物のデザインを管轄しています。2024年11月からは別の部署に異動しましたが、レディクルとのお付き合いはデザインルーム時代に始まりました。
――当時はどのような課題を抱えていたのですか?
森様: 2019年の中途入社時に驚いたのは、案件規模に対して協力会社が極めて少ない点です。年間1,800〜1,900案件のうち、約400〜600件を外注しているものの、相談先は限定的でした。そのため、いざという時に外部に相談できず、結局内制になってしまうことが常態化していました。当時は「この人数でこれほどの案件をこなしているのか」と衝撃を受けました。
私は広告制作会社と出版社を経て入社したため、外部パートナーとのネットワークの重要性は理解していました。信頼できる外部パートナーとのネットワークをもっと増やしておかなければ、いざという時に対応できない。これは私だけでなく、部署全体、そして上長も共通して感じていた課題でした。
「高額・高品質」と「低額・リソース不足」のジレンマ
――具体的にどのような外注先を探していたのですか?
森様: 特に課題だったのが、シズル撮影のパートナー探しです。当時お願いしていた企業様は2社あって、1社はクオリティが高いけれど金額も高い。もう1社は金額は非常にリーズナブルなのですが、日清の案件が多くてスケジュールが常にひっ迫していました。新しい提案やトライをしたい時にリソースが押さえられないという状況に陥っていたのです。そのため、この2社の「間」を埋められるパートナーの開拓が、当時の急務でした。
――すぐに新しいパートナー探しに動けたのでしょうか?
森様: 正直に言うと、あまりアクションできていませんでした。前職の人脈で相談しても、業界が違うので予算感が合わない。自力で探すとなると、ネット検索や冊子を頼りに一件ずつ連絡するしかないのですが、日々のデザイン業務に追われて、なかなかそこに時間をかけられなかったんです。
それに、パッケージの写真は商品の顔です。極端な話、写真の出来栄え一つで売上が左右されてしまう。そのため、初めての会社にお願いするのは、大きなリスクを感じていました。お互いに納得のいく成果が出せなかったとき、不本意な結果を招くことになりかねません。だから、お互いの連携を確認するためのトライアルとして適切な案件を用意できるまで、少し時間をかける必要もありました。
「理想」は可能。滞っていたパートナー開拓が動き出す
――レディクルとの出会いはどのようなものだったのですか?
森様: 2024年11月に、クリエイター向けの展示会でレディクルのブースに立ち寄ったのがきっかけです。お話しさせていただき、その後、年末年始にかけて打ち合わせを重ねました。
小池: 最初は、具体的な困りごとや案件についてヒアリングさせていただきました。シズル撮影については現在のパートナーの状況を伺って、その「間」を埋められる企業様を探すことになりました。デザイン制作会社とシズル撮影会社を合わせて、10社ほどご紹介しましたね。
森様: 「金額とクオリティのバランスが取れた企業様を探す」という難易度の高いオーダーだったので、理想に合致する企業様はなかなかいないだろうなと考えていました。しかし、すんなりと紹介していただけたので大変驚きました。
――相談すること自体に価値があったのですね。
森様: そうなんです。自分の中で漠然としていた要望が、相談を通じて整理されていく感覚がありました。また、一度相談し始めると、スケジュールを組んで着実に進めていただけます。デザイン業務に追われて後回しになっていた課題に対して、強制的にでもプロジェクトを動かしてくれる存在ができたことは、日々の忙しい業務の中では本当に助かりました(笑)。
小池: そう言っていただけて光栄です。 森様のお忙しさは伺っていたため、まずはご予算の目安を詳しくヒアリングいたしました。その上で、条件に合う企業様を明確な基準を持ってご提案いたしました。
今回は「継続的にお付き合いできるパートナー探し」というご相談だったこともあり、ご紹介した企業様にも話を通しやすかったです。結果として非常にスムーズなマッチングとなりました。
半年後に主力ブランド「ラ王」の案件で発注
――10社すべてと面談されたのですか?
森様: はい、すべて面談させていただきました。ただ、面談してすぐに発注というわけではなく、「何かあった際にすぐ連絡できるパートナーの選択肢を増やしたい」という目的でしたので、まずはご挨拶を兼ねた面談でした。
面談させていただいた中で、ポートフォリオのクオリティを見て「この人たちに一度お願いしてみたい」と思う企業様がいくつかありました。ただ、シズル撮影は商品の顔。うまくいかなければ、売れ行きに直結します。だから、まずはお互いの連携について確認しやすいトライアル案件を用意できるまで、少し時間をかけて進めました。
――実際に発注されたのはいつ頃ですか?
森様: 面談から半年ほど経った頃、適切な案件が発生したので、その時に依頼させていただきました。最初にお願いしたのが、主力ブランドである「ラ王」のパッケージ写真です。商品の新しい価値をお客様に正しく届けなければならない重要な案件でしたので、プレッシャーはありましたが、結果的に非常にいい仕上がりになりました。
――初めての発注で主力ブランドというのは、かなり思い切った判断ですね。
森様: そうですね。でも、面談の時からクオリティの高さは感じていましたし、コミュニケーションもスムーズだったので、信頼できると判断しました。実際、撮影の現場でも細かいニュアンスをしっかり汲み取っていただけて、こちらの期待を上回る提案までいただけたのは心強かったですね。
「出前一丁」イラストリニューアルでも成果
――社内の反応はいかがでしたか?
森様: 非常に良かったです。シズル撮影は商品パッケージの顔になる部分なので、社内でも注目度が高いんです。今回の仕上がりを見て、「この品質と予算感であれば、今後も継続的に依頼できる」という評価をいただきました。まさに私たちが探していた「金額とクオリティの間」を埋めてくれるパートナーに出会えたと実感しています。
――他にも、何かご相談されたのですか?
森様: 「出前一丁」のパッケージに描かれている「出前坊や」に対し、家族キャラクターである「出前ファミリー」のイラストは、テイストにわずかな差があることが気になっていました。そこで、ブランドの世界観を統一すべく、メインの出前坊やに合わせたリニューアルを依頼しました。
今回ご紹介いただいた企業様は、アニメーション制作の知見があり、キャラクター設定を維持したままポージングや角度を変更するノウハウに長けていました。固定のポーズを描くだけにとどまらず、キャラクターの一貫性を保ちながら展開できる技術こそが、私たちが求めていたポイントでした。
――キャラクターの一貫性というのは、具体的にどういうことですか?
森様: 実際に描いていただいた出前坊やを見ても、きちんとキャラクターを研究して描いてくださっているので、違和感がないんです。適当に書くと変な坊やになっちゃうんですよ(笑)。でも、その辺りの汲み取りをしっかりしてくれる。
動的な視点を持つ企業様だからこそ、1つのキーキャラクターを多角的に捉え、ポージングを自在に変化させる技術が格段に優れていました。その確かな技術力をベースに、単に描くだけでなく、パッケージ全体の調和を考慮した完成度の高い提案をしていただけました。
――2026年春に発売予定とのことで、楽しみですね。
森様: とても高いクオリティで完成して、発売に向けて準備が進んでいます。店頭に並んだら、ぜひ見ていただきたいですね。レディクルを通じて出会えたパートナー様と作り上げた商品が、多くの方の手に取っていただけるのを楽しみにしています。
レディクル活用のポイント
――レディクルを活用して良かったポイントは?
森様: そもそも、自力で10社もの候補をピックアップして、精査するのは現実的ではありません。1週間ずっとネットで検索して、気になるところに片っ端から連絡する。そんな時間を確保するのは不可能です。しかし、レディクルに相談すれば、こちらの要望を整理した上で、スケジュールを組んで着実に進めてくれる。その存在が本当に助かりました。
それに、対面やオンラインでも顔を合わせてニュアンスを伝えられるので、そのニュアンスを汲み取ってバリエーションを出してもらえる。「販促物デザイン」という一言でも、私たちが求めているものを理解してマッチングしてくれるので、「なんか違った」というミスマッチが起きません。
闇雲に多くの企業様と面談を行うと、「ちょっとイメージと違うかも」ということがよく起こるじゃないですか。でも、レディクルの場合は、こちらの意図をわかった上で案件に手を上げてきてくれているので、せっかく面談したのに『ニーズが合わなかった』というようなミスマッチによるロスが起きないんです。そういう意味で、非常に精度の高いマッチングを実現していただいたと感じています。
どのような企業様・担当者におすすめか
――どのような企業様にレディクルの活用をおすすめしますか?
森様: 案件数は多いのに、相談できる外部パートナーが少ない企業様には特におすすめです。「企業様の規模に対して協力会社が少なく、いざという時の選択肢を増やしたい」という課題を持つ企業様には、非常に有効だと思います。
それから、日々の業務に追われて、パートナー探しに時間を割けない担当者。「探さなくてはと思いながらも、業務に追われて1日が終わってしまう」という方にとって、レディクルはパートナー探しを着実に進捗させてくれる存在になるはずです。
当初は活用シーンを明確にイメージできていませんでしたが、結果として期待以上のサポートをしていただけました。外注パートナーを探されている方は、有力な選択肢として検討するべきだと思います。自分では「この要望は、この費用感ではできないだろう」と思っていても、それができる可能性があります。まずは一度、相談してみる価値があります。
今後の展望とレディクルへの期待
――今後の展望をお聞かせください。
森様: 私自身は2024年11月から別の部署に異動して、パッケージや販促のデザインからは少し離れました。現在は映像やウェブ領域も担当するようになり、新たな知見を深めている段階です。
映像制作なども、社内の限られたリソースで対応できるボリュームではないので、やはり外部パートナーの力を借りることになると思います。そういった意味でも、また相談させていただく機会があるかもしれません。引き続き、よろしくお願いします。
小池:こちらこそ、ありがとうございます。今後もご期待に添えるよう、最適なマッチングを提供させていただきます。






