65周年を前に「今のままでいい」という安定からの脱却
――武田産業様は、2027年に創業65周年を迎えられるそうですね。なぜこのタイミングで大きな変革に踏み切られたのでしょうか。
野村富久代 代表取締役(以下、野村代表): 鹿児島には「テゲテゲ」という言葉があります。「ほどほどに、今のままでいい」という意味なのですが、私自身も元々はリスクを取って冒険をするタイプではありませんでした。
野村大悟 専務(以下、野村専務): 会社経営自体は安定していました。しかし私自身は、65周年に向けてブランディングなど変革が必要だと強く感じていたのです。ただ、当時は具体的なアイデアが乏しく、なかなか次のアクションを起こせずにいました。
――そのような状況で、まずはロゴのリニューアルからスタートされたのですよね。
野村専務: 2025年8月に、レディクルさんからお電話をいただいたのが始まりです。正直なところ、普段は忙しくて営業電話はすぐ切ってしまうことが多いのです。
しかし当時は、ちょうど「何か新しい挑戦を始めてみてもいいのではないか」と思い始めていたタイミングでした。そこで「まずは話を聞いてみて判断しよう」と考え、オンライン商談の機会をいただきました。
レディクルコンシェルジュ 三木(以下、三木): 最初は弊社の別の者がお話をさせていただきました。その後、私が担当を引き継ぎ、ロゴとカタログのプロジェクトを伴走させていただいております。
良きパートナーとの出会い。リモートでも伝わった「人柄」
――ロゴ制作は、順調に進んだのでしょうか?
野村代表: これまでのロゴはコロナ禍の明けた時期に制作したもので、とても馴染んでいました。やっと認識されてきたものを変えてしまうと、お客様も混乱してしまうのではないかという不安もありましたね。
ですが、専務が非常に強い熱意を持って取り組んでくれました。やはり私の従来の考えだけでは会社を先に進められない。「新しい風を取り入れることこそが進化につながる」と意識を切り替えました。
野村専務: コンシェルジュの三木さんにも会議に入っていただき、代表を説得していきました(笑)。
野村代表:三木さんは本当に私たちの目線に立って考えてくださったんです。「これをやりましょう」と一方的に提案するのではなく、「どのようなイメージで、どのような想いをロゴに込めたいのか」と、深く話を聞いてくれました。
私たちの事業は、先代である母が一生懸命守ってくれた林業から始まって、屋久杉を中心とした伝統工芸へと続いています。そして、母の理念である「感謝と真心」を根幹に据えてきました。地域の皆様に親しまれてきた温かいお土産店を、しっかり後世につないでいきたい。
それを、屋久杉の芽が開き、やがて世界に羽ばたいていくようなロゴで表現したいと考え、私が描いたラフスケッチを元に形にしていただきました。想像以上に素晴らしいロゴが完成したと感じています。
――屋久島という地域柄、やり取りはリモートが中心だったと伺いました。
野村代表: 始める前は「画面越しで相手の人柄までわかるのだろうか」と半信半疑でした。しかし、対話を重ねる中で人柄の良さが十分に伝わり「この人たちなら安心して預けていい」と確信できました。それが正式発注の決め手でしたね。
三木: 地方の企業様からは、「信頼できるパートナー企業との接点が少なく、時には適正水準より高い費用で発注してしまうことがある」というお悩みをよく伺います。 レディクルを通じて、武田産業様にとって最高のパートナーとお引き合わせでき、本当に嬉しく思っております。
「ECが弱い」指摘された悔しさをバネにデジタル戦略を強化
――紹介されたパートナー企業とは、カタログ制作も並行して進められたそうですね。
野村専務: はい。鹿児島で大きな商談会を控えていたため、急ピッチでカタログ制作を進めました。
制作の初期段階では、私たちの真意がデザイナーさんにうまく伝わらず苦労した場面もありました。しかし最終的には、商談会での利用をしっかり見据え、企業の物語性とページをめくる楽しさを両立した素晴らしいカタログが完成しました。社内でも高い評価を得ています。
――その後、ECサイトやSNSなどのデジタル領域にも一気に取り組まれましたね。
野村専務: 実は、レディクルさん経由で出会った企業様から「ECが弱い」「SNSが弱い」とストレートにご指摘を受けたんです。それが悔しくて、独学でEC運用とSNS発信を本格化させました。
他社の成功事例を徹底的に研究し、商品の撮影から投稿まで全て自分自身で実践しました。現在Instagramでは、月700投稿という圧倒的なボリュームでコンテンツを発信しています。
――すごい実践量ですね!フォロワーや周りからの反響に変化はありましたか?
野村専務: 社員の個性を活かしつつ、好きな音楽を取り入れるなど「やらされ感」のない自発的なコンテンツ制作を心がけています。老舗企業という堅いイメージとのギャップが面白さを生み、海外からのフォロワーも増えてきましたね。
野村代表: 最初は「本当にSNSで成果が出るのだろうか」と思っていましたが、雨の日にオンライン注文が殺到する光景を見て、デジタル戦略の威力を実感しましたね。
<武田館様Instagramアカウントはこちら>
EC売上18.5倍、店舗売上115%という成果の理由
――デジタル戦略を実施してみての成果はいかがですか?
野村専務: ECサイトの売上は、前年同月比で約18.5倍へと飛躍的に伸びました。また、実店舗の売上も前年比115%増を記録しています。
――すごい成果が出ているのですね!
野村専務: はい。悪天候で観光客の方々が外出できない日に、オンラインでご購入いただける機会が増えたことが大きいです。SNSで屋久島全体の魅力を発信することが、結果として地域の活性化にもつながっていると感じています。
――日常業務ではAIも先進的に活用されているとお聞きしました。
野村専務: SNS投稿の多言語翻訳などでAIを活用しています。ただ以前、お客様から「AIが作ったものは心に響かない」と言われたことがあり、最終的に人の心に届けるには、「作り手の感情」や「人間らしさ」が不可欠であると学びました。
実際、弊社の熟練販売員は対話を通じた信頼関係によって、お一人で数十万円規模の商品をご購入いただくこともあります。これはAIには決して模倣できない、人ならではの販売力です。
時には商売の枠を超えて、お客様の人生に寄り添うような深い人間関係を築くこともあります。感謝の心を通わせた繋がりは、一生涯続くこともあります。
――まさに「人と人」の関係ですね。
野村代表: はい。「ビジネスの根本は人と人との信頼関係にある」という信念があります。私たちは従業員も家族のように大切にして、お互いに尊重し合う文化を大切にしています。
レディクルは地方企業にこそおすすめしたい
――改めて、レディクルを利用して良かった点を教えてください。
野村専務: 地方に拠点を置いていると、取得できる情報量がどうしても限られてしまいます。自力で最適なパートナーを探すのも難しいですし、過去には外部委託でトラブルを経験したこともありました。
レディクルさんを通じて、リモート環境であっても信頼できるパートナーと出会えたことが何よりの収穫でした。
野村代表: 以前は営業電話を即座に断っていましたが、今回の成功体験を機に「まずは話を聞いてみよう」という柔軟な姿勢に変わりました。これは会社にとって大きな意識改革です。
――どのようなお悩みを持つ企業にレディクルをおすすめしたいですか?
野村専務: パートナー探しに苦戦している「地方の企業様」に心からおすすめしたいです。リモート環境でも丁寧に対応していただけますし、自分たちでは見つけられないような優れた企業とマッチングしていただけます。
野村代表: 「今のままで十分だ」と感じている企業にこそ、一度試していただきたいですね。私たちも最初は現状維持を考えていましたが、外部のプロとの対話を通じて「自社にはまだまだできることがたくさんある」と気づかされました。一歩を踏み出す冒険って大事だと思います。
65周年プロジェクトの展望
――創業65周年に向けた今後の展望をお聞かせください。
野村専務: 来年の65周年に向けて、プロの画家による外壁アート制作や新ロゴの公開、新商品開発などを順次進めています。メディアとも連携し、積極的な情報発信を行っていく予定です。
野村代表: 職人の高齢化という課題もあります。30代の若手職人2名が伝統技術を継承しながら、日常的に使いやすいボールペン・カトラリーなどの小物類から暮らしを共にできる家具まで幅広く製品開発に挑んでいます。職人が生き生きと働ける環境を整え、高品質な製品を生み出す好循環を作り上げたいですね。
――最後に、レディクルに期待することはありますか?
野村代表: 引き続き、良いパートナーとの出会いをサポートしていただきたいです。私たちはまだまだ知らないことがたくさんあるので。
野村専務: 「何を一番売りたいのか」と問われたとき、それに明確に答えられる突出した商品が不足していると感じています。1000種類以上ある商品の中からブランドの顔となる「キレキレの主力商品」を開発したい。そういった時にも、レディクルさんに相談させていただきたいと思っています。
三木: ありがとうございます。武田産業様の素晴らしい挑戦をこれからも全力でサポートさせていただきます。65周年の節目、楽しみにしております!






