2024.02.26
対面・非対面を問わず、ビジネスにおいて「どのような決済システムを使うか」は決済の安定性・収益機会の最適化に向けて重要な課題です。ただし決済システムには多くの選択肢があり、「どの決済プラットフォームを選び、どの開発会社に依頼するか」に悩む担当者の方も多いでしょう。
この記事では、決済システム開発会社の概要や提供する主なサービス、費用相場を紹介し、決済システム開発会社に開発を依頼するメリットや潜在的なデメリット・注意点にも触れます。さらに、ニーズに合った決済システム開発者を選ぶポイントや、おすすめの開発会社5社を紹介します。
決済システム開発会社とは、商品・サービス代金の支払いといった決済処理を行うためのシステムやアプリケーションを設計・開発する会社のことです。オーダーメイドの開発だけでなく、既存の決済代行プラットフォームの導入や別システムとの連携、カスタマイズのための開発も含まれます。
決済システムは、クレジットカードや電子マネー、キャリア決済といった複数の決済手段に対応するのが普通です。キャッシュレス決済が一般的となった現在、実店舗であってもECサイトであっても、決済システムは必須の存在でしょう。
特にインターネット上で注文や決済が完了するECサイトは、決済システムなしでは成り立ちません。ECサイトの需要そのものも高まっていることから、決済システムを含むECに関する総合的なソリューションを提供している開発会社もあります。
決済システム開発会社が提供するサービスは、主に次の通りです。
このうち決済ソリューションとは、決済システムよりも広い概念を指すもので、決済に関する課題を解決するためのサービスの総称です。例えば「会計ソフトウェア」や「顧客管理システム」といった別システムとの連携、データの暗号化などが含まれます。会社によってソリューションの強みが異なるため、自社の目的に合った開発会社を選ぶことが重要です。
また、決済システム開発会社によっては決済システム導入や運用のコンサルティングを行っていることもあり、ワンストップで依頼することもできます。会社によってはECサイトの立ち上げから任せることも可能です。
決済システムの開発にかかる費用の相場は、20万～50万円程度です。自社システムとの連携といった独自の機能を実装する際は、そこに数10万～数100万円が上乗せされます。基本的には開発に時間がかかる複雑なシステムほど、開発費用も高くなります。
なお、既存決済システムを導入する場合は、初期費用が数万～10万円程度、月額手数料が決済金額の数％かかるのが相場です。どのような決済システムが最適なのかは、毎月の決済総額や店舗の規模によって異なります。
決済システムを開発会社に依頼する主なメリットは、以下の通りです。
決済システムは、内容や作り方によっては数100万円で開発が可能です。比較的安く依頼できる場合もあり、規模がそれほど大きくない企業でも導入しやすい点がメリットでしょう。
また、MAツールとの連携など、自社ニーズに合わせたカスタマイズも依頼できます。
さらに、ゼロからECサイトを立ち上げる時や決済システムを一新したい時などに、導入や運用に関するコンサルティングを受けられるのもメリットです。社内にエンジニアがいない企業でも、プロの意見を取り入れながら最適な決済の仕組みを構築できます。
決済システムを開発会社に依頼するデメリットや注意点は、次の通りです。
システム開発を専門とする会社に依頼すれば、要望に応じてさまざまなカスタマイズも可能です。しかしその分、費用がかかることは避けられません。
また社内に開発・運用の知見が蓄積されないため実装後に自社でメンテナンスや改善をすることが難しく、開発会社への依存が続く可能性があります。
さらにシステム開発会社は得意分野がそれぞれ異なるため、自社のニーズに合わない会社に依頼してしまうと、コストをかけた割に満足いくものができないケースもあります。
決済システムの開発会社を選ぶ際は、次のポイントをチェックしましょう。
まず重要なことが、「自社が実現したいことができるか」どうかです。そのためには「顧客データと連動させたい」「海外との取り引きにも対応したい」など、要件を明確にしておく必要があるでしょう。決済頻度や決済総額に合ったシステムを構築できるか否かも重要なポイントです。1日に多くの決済が行われる大規模な店舗の場合、貧弱なシステムでは支えきれない可能性もあります。
また、「決済システムの開発実績があるかどうか」も重要なポイントです。見極めが難しい場合は、決済システムや決済ソリューションに関する事業を中核としている会社を探し、候補を絞りこみましょう。尚且つ決済システムは顧客の個人情報を扱うため、セキュリティや個人情報取り扱いに関する取り組みも重要です。
そのうえで、費用面で折り合いが付くかどうかもチェックしておきましょう。決済システムは直接的に利益を生むものではないものの、不備があれば機会損失や信用の失墜につながってしまいます。そのため、導入コストやランニングコストと性能のバランスを取ることが重要です。
ここでは、さまざまな強みを持つ決済システムの開発会社を5社紹介します。自社に合う決済システム会社選びの参考にしてください。
株式会社TwoGateは、OEMアプリケーションなどの開発を手がけるシステム開発会社です。世界175ヶ国で展開するECプラットフォームのShopify（ショピファイ）公認のShopifyパートナーに選ばれる実力のある会社で、有名アーティストのECサイトなどを手がけています。イベント会場での決済処理など、一度に決済が集中するシステムの構築に関する実績もあります。
ECサイトにおいて最も流通量があるコンビニ決済会社と業務提携をしており、決済手数料が抑えられるのも強みです
| 会社名 | 株式会社TwoGate |
| 対応可能な決済代行サービス | 要問い合わせ |
| 主なサービス内容 | ・Shopifyによる構築支援および保守サポート ・イベント用アプリの構築支援 ・スマートフォンアプリ開発 |
| 目安費用 | 要問い合わせ |
| おすすめポイント | ・Shopifyに関する実績が豊富 ・アーティストのファンクラブ運営やECサイト構築など ・エンターテイメントジャンルに強みがある |
アクティブワークス有限会社は、WebサイトおよびWebシステムの開発、IT化支援などを手がけるシステム開発会社です。決済システム関連では、200以上の国・地域で利用可能なオンライン決済サービスであるPayPal対応の実績があり、越境で決済が発生するシステムにも対応可能です。PayPal以外のオンライン決済サービスも、希望に合わせて実装できます。
| 会社名 | アクティブワークス有限会社 |
| 対応可能な決済代行サービス | PayPalなど |
| 主なサービス内容 | ・WebサイトおよびWebシステムの開発 ・システム関連のコンサルティング ・IT化支援 |
| 目安費用 | 要問い合わせ |
| おすすめポイント | ・クライアントとのコミュニケーション重視 ・中小企業向けシステムに強みがある ・顧客会員情報管理システムなど高セキュリティなシステム開発の実績がある |
株式会社CrownStrategyはWeb制作やDXを柱とするシステム開発会社です。Shopifyやecforce、BASEといったECプラットフォームを活用したECサイトの構築支援サービスを手がけています。ECサイト構築サービスには10種類の料金体系があり、低コストでシンプルなECサイトを構築するプランのほか、業務効率化や売上を伸ばすコンサルティングなどがセットになったプランなどが用意されています。
| 会社名 | 株式会社CrownStrategy |
| 対応可能な決済代行サービス | 要問い合わせ |
| 主なサービス内容 | ・システム開発 ・ECサイト構築 ・DX ・スマートフォンアプリ開発 |
| 目安費用 | 60万円～ （※2024年1月時点） |
| おすすめポイント | ・クライアントのニーズに応える柔軟な料金体系 ・複数のECプラットフォームを利用可能 ・ECサイトの立ち上げや拡大時にコンサルティングを受けられる |
有限会社ユーアイシステムはシステム開発やネットワーク構築・保守などのサービスを提供する福井県の開発会社です。設立は1991年でIT企業としては老舗で、地元である福井県を中心に企業のIT化に貢献しています。これまでに国立大学向けのシステム開発を手がけた実績があり、さらにWebサイト構築、ネットワーク構築など、業務のIT化全般に関する依頼が可能です。
| 会社名 | 有限会社ユーアイシステム |
| 対応可能な決済代行サービス | 要問い合わせ |
| 主なサービス内容 | ・ソフトウェア開発 ・システム開発 ・Webサイト構築 ・サーバー設定・ネットワーク構築 ・保守サービス |
| 目安費用 | 要問い合わせ |
| おすすめポイント | ・システム開発やネットワーク構築などIT全般に関する相談が可能 ・BtoBや会員制などの高機能なWebサイト構築に強い ・システム開発会社として30年以上の歴史がある |
GMOカードシステム株式会社は、決済代行システムや決済関連の商材販売などを行う会社です。店舗へのクレジットカード決済端末機（CAT端末）導入、タッチ式券売機の提供などを手がけています。
初期費用および月額費用が無料で、小規模な店舗でも導入しやすい点が強みです。飲食店やヘアサロン、ホテルなど、幅広い業種での導入実績があります。
| 会社名 | GMOカードシステム株式会社 |
| 対応可能な決済代行サービス | クレジットカード、Apple Pay、各種電子マネーなど |
| 主なサービス内容 | ・クレジットカード決済端末機の提供 ・タッチ式券売機の提供 ・無人店舗運営サービスの提供 |
| 目安費用 | ・初期費用および月額費用：無料 （※2024年1月時点） ・決済手数料：契約内容により異なる |
| おすすめポイント | ・実店舗でのキャッシュレス決済を簡単に導入できる ・クレジットカードは国際5ブランドおよび銀聯を利用可能 ・導入から運営までのサポートを受けられる |
決済システムは顧客の利便性や決済処理の安定性にもつながる、重要なツールです。さまざまな決済方法が使われるなか、対面・非対面いずれのビジネスであっても、顧客にとって使いやすい決済システムを用意することが重要です。決済業務ではクレジットカード番号などの個人情報を扱うことになるため、セキュリティ対策も必須です。決済システムの開発会社選びでは、自社ビジネス・要件との相性や、決済分野での開発実績、費用対効果などの観点をもとに検討しましょう。
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