システム開発の見積もりを依頼するなら抑えておきたいポイント
2021.06.29
システム開発をアウトソーシングする際には、見積もりを取って予算の概算を把握することになります。 しかし、工程になんらかのトラブルが発生するなど、遅れや修正が必要になったときは、場合によっては見積もり以上の金額が必要になることがあります。 では、システム開発で見積もりを出してもらう際は、どのような点をチェックしておくべきなのでしょうか。 この記事では、システム開発の見積もりで確認しておくべきポイントや注意点について解説します。
前提条件を決める
まず、アウトソーシングする際に前提条件を決定したうえで、見積もりに明記してもらう必要があります。
前提条件とは、見積もりの範囲や、逆に見積もりには含めない部分、使用技術、開発方法、要件などが含まれます。これらについて、依頼前に詰めておく必要があるというよりは、アウトソーシング先に提案をもらい、見積書に記載してもらうようにしましょう。
細かい部分の仕様を話し合って決定し、どの時点を想定した見積もりなのか、追加費用が発生するのはどのようなケースなのかをはっきりさせておく必要があります。
システム開発後に起こり得ることも想定する
システム開発後に起こりうるトラブルや、納品後の修正対応などについても見積もりを依頼することが重要です。
予定していた内容や工期を上回る事態が発生すれば、その分工数が増えるため、開発・修正費用が加算されることが見込まれます。
そういった場合は追加費用として支払うのか、あらかじめ予算内に含まれているのかを明確にし、システムが安定して導入されるまで対応してもらえるようにしましょう。
また、
工期に余裕があるかどうかも重要になります。遅れが生じた際に、無理に納期に収めてもらうとシステムの品質低下につながるおそれがあるためです。
どの程度の余裕があるのかを確認し、依頼する側からも無理な工期を求めないようにする必要があります。
作業範囲が明確か
システム開発では、依頼する作業範囲が案件によって異なるため、曖昧な範囲指定になっていないかを確認する必要があります。
たとえば、「リリースまでとするのか」「総合テストまで行うのか」などです。社内に定着させるための修正やカスタマイズまで依頼する場合もありますよね。
また、社員を対象とした使い方の指導を依頼する場合も、見積もりに明記しておかなければなりません。「自社で使い方の指導はできると思っていたが、やっぱりサポートしてもらいたい」など、依頼内容の変更が発生した場合に備えて、数パターンの見積もりを作成してもらうのも選択肢のひとつです。
そのためには、見積もりを依頼する段階から積極的に自社の意図や、開発してもらいたいシステムの方向性などを、しっかりとシステム開発会社に伝える必要があります。
リスクが含まれているか
システム開発は、今までになかったものを生み出すことで、さまざまな業務の効率化やサポートを行うものです。そのため、想定外のトラブルが発生するという前提で見積もりを依頼しなければなりません。
見積りの際は、トラブルが発生した際や、納品後の運用リスクなどに備えて、対応方法や対応に必要な費用なども明記されているか確認しておきま しょう。
また、「修正対応や再開発が必要になった際に、必要な工期や費用などはどうなるか」という部分にまで踏み込んで見積もりを作成してもらう必要があります。
工数が細かく明記されているか
システム開発は、長期にわたる工数が必要になるため、工数が細かく明記されているかを確認することも重要です。
設計や実際の開発だけでなく、管理工数、調査、分析工数なども含まれます。また、開発環境整備やテスト環境などの付帯作業も工数として明記されているかを確認しておくこともおすすめします。
また、システム納品後の保守やカスタマイズ業務まで依頼する場合は、開発とは別に費用の見積もりを出してもらう必要があります。
システム開発の費用が初期コストとするなら、保守業務は運用コストにあたることから、予算範囲が別枠になるためです。
自社で計上する費用として予算を組む際に重要になるため、工数が明記されているか確認しながら運用まで依頼する場合は、混同しないように注意する必要があります。
費用が明確で妥当か
システム開発の費用が、明確かつ妥当な試算になっているかをチェックすることも重要です。
工数が明記されているかという点に共通する部分でもあり、
大枠としてではなく工数に基づいた費用の算出が行われているかを確認する必要があります。
ハードウェア、ソフトウェアなどの購入が必要な場合は、その金額も含まれているのか、さらに検収や導入テストについても明確になっているかをチェックしておきましょう。
費用が明確な見積もりは工数計画をもとにして算出されているため、工数の範囲が曖昧な場合などは、予算の根拠が不明確なものになっていないか注意しなければなりません。
コミュニケーションをしっかり取る
アウトソーシング先企業としっかりとしたコミュニケーションを取りながら、見積もりを出してもらうことが大切です。
とくに、「自社が意図していた内容とは異なる伝わり方になっていないか」を擦り合わせ、認識にずれが発生しないように注意しなければなりません。
また、コミュニケーションをしっかり取ることで、担当者との相性もチェックすることができます。依頼する企業を決める上での判断材料になるため、見積もりの段階から積極的にコミュニケーションを図りましょう。
安さだけで決めないようにする
システム開発のコストを抑えようとして、見積もり金額の安さだけで依頼する開発企業を決定しないよう注意が必要です。
見積もり金額が安いということは、必ず何らかの理由があります。なかには、人件費がかけられていない場合や、無理な工期が組まれているなど、ネガティブなケースも考えられます。
上記のような場合、品質の悪いシステムができあがってしまったり、工期延長で追加費用が発生しやすくなったりするなど、トラブルへと発展する可能性が高くなります。
とはいえ、工数などが明記されたうえで妥当性のある金額であれば、安い開発企業を選択しても問題ありません。
たとえば、「過去に同様のシステム開発を行ったノウハウがあるため、工数を効率化できる」など、企業努力によって低コスト化が実現している場合もあります。
システム開発の費用が妥当かどうかを判断するには、開発企業に丸投げしてしまわないように、依頼側が開発へ積極的に関わることが大切です。
しかし、システム開発の経験やノウハウがなければ、「どのような関わり方をすれば良いのか」「どのような基準で開発企業を選択すれば良いのか」など、分からないことばかりかもしれません。こういった場合は、システム開発の業界に詳しい専門家への相談がおすすめです。
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