IoTの活用事例やIoT開発に強いおすすめシステム会社5選
2024.07.24
近年スマート化社会の実現が進められるなかで、「IoT」が注目を集めています。IoTに興味がある方のなかには、活用方法や相談先にお悩みの方もおられると思います。
本記事では、家庭用および産業別のIoT活用事例を解説します。こちらの事例解説を「IoT化による課題解決を成功に導くためのヒント」としてぜひお役立ていただけますと幸いです。
また、IoT開発に強いシステム会社のご紹介も行っております。IoT活用を今まさに検討中の企業担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事のポイント
①企業がIoTを推進するメリット・デメリットがわかる
②産業別にIoTの取り組み例を知れる
③自社に最適なIoTシステム会社が見つかる
IoT(Internet of Tings)とは、モノとインターネットが繋がっているシステム環境のことです。従来インターネットに繋がっていたパソコンやサーバーのほかに、IoT環境では家電や医療機器・ロボットなどの機械が接続されます。
IoTにより、データの取得や分析・連携が容易になり、故障原因の特定やマーケティング活動などデータ利活用を進めることが可能です。
ここでは、IoTの仕組みをわかりやすくご紹介します。
IoTの仕組み
IoTは下記の4要素を組み合わせて、一つのシステムを構築します。
・エッジデバイス(各種センサー、設備など)
・ネットワーク(Wi-Fi、5Gなど)
・データ蓄積システム(IoTプラットフォーム、自社サーバーなど)
・アプリケーション(パソコンやスマホでアクセスできるアプリケーション)
まず、設備に設置されたセンサーがネットワークを通じて、データ収集システムへデータを蓄積していきます。そして、蓄積されたデータを、人がパソコンのアプリケーションからチェックする仕組みです。
遠隔操作・制御
IoT環境では、離れた場所にある機械を遠隔から操作・制御できます。
・各店舗のサイネージを、本部のパソコンからコンテンツの変更をする
・遠隔地から産業用ロボットのメンテナンスを実施する
従来は現場の機械は現場にいる従業員しか動かせませんでしたが、IoT化を進めることで、本部からでも操作ができるようになります。
データの連携
IoTにより、異なる設備から得られるデータの連携が容易になります。
・振動データとカメラ画像のデータをクラウド上で連携し、AI技術を使って未知異常の早期に検出する
・患者の生体データと周囲環境データをクラウド上で一元管理し、異常時にナースコールをする
単体のデータでは発見が難しかった人間の病気や機械の不具合も、複数データの連携により発見できる可能性が高まります。
モノの動きを感知
IoTにより、モノの動きを自動で感知できるようになります。
・設備に備え付けた振動センサーで設備の挙動データを取得し、故障前兆をアラートする
・マットセンサーを設置したベッドで、離床や転倒を検知する
微細な動きの変化も、IoTのシステムであれば迅速に検知できます。
モノの状態の把握
IoT環境では、モノの状態をリアルタイムで把握できます。
・畑に設置した土壌センサーから、土壌の乾き具合をリアルタイムで把握する
・無線タイプの汎用温度センサーで、厨房にある冷蔵庫や冷凍庫の温度変化を把握する
現場から離れた場所でも、設備などの状態変化をタイムラグなく把握でき、スピーディな判断や遠隔対応に繋がります。
IoT活用のメリット
企業がIoTを活用するメリットは、下記のとおりです。
・保守保全業務の省人化に繋がる
・人件費を削減できる
・マーケティング活動の精度を高められる
たとえば、管理本部と地方工場のロボットとのIoT環境を構築することで、管理従業員が地方まで赴くことなく、本部のパソコンからメンテナンスを実施可能です。IoT化を通じて設備やロボットの遠隔操作が可能になることで、保守保全業務の省人化や人件費の削減が期待できます。
また、近年IoT活用のなかで特に注目を集めるのが、IoT技術とAI技術のマッチングです。IoT環境で複数の設備から収集されたデータはAIの分析精度の向上に繋がり、より高精度なマーケティング活動が可能になります。
IoT活用のデメリット
IoT活用のデメリットは、下記のとおりです。
・情報漏えいのリスクがある
・ネットワーク障害で生産がストップする
・教育コストがかかる
クラウド上で設備のデータを管理する場合は、エッジデバイスや情報収集サーバーがサイバー攻撃の対象となり、大切な顧客・自社情報の漏洩リスクがあります。情報漏洩を起こしてしまうと、企業の社会的信用が下がり、顧客離れや契約切れに伴う業績悪化につながる可能性があります。
本部のネットワーク障害が発生すれば、遠隔操作ができなくなり、複数現場の生産がストップする可能性も考えられます。
またIoTシステムを運用するうえでは、人材の育成や教育も必要です。自社にノウハウがない場合には、外部へ研修を委託する際に多額の教育コストがかかります。
IoT活用のデメリットをなくすうえでは、会社選びが重要です。IoT開発のシステム会社のなかには、IoT環境内の設備にネットワーク障害が生じた際に、24時間365日電話相談に対応している場合もあります。安全かつコストパフォーマンス良く運用するためには、会社のサポート内容に注目することをおすすめします。
スマホで照明の調節が可能なスマート電球
家の照明にIoTを活用することで、照明の調節が楽になります。照明IoTの一つとして、「スマート電球」が挙げられます。スマート電球とは、スマホで照明のオンオフや明るさ調整が可能な照明のことです。
スマート電球を設置すれば、照明を消すために離れた電源スイッチまで歩く手間をなくせます。
温度を自動調節可能なスマートエアコン
従来のエアコンで温度調整をするには、人が専用リモコンから操作する必要がありました。近年開発が進むスマートエアコンは、エアコンが自動で温度を調整します。
たとえば、照度センサー搭載の空気清浄機が部屋の消灯を検知すると、スマートエアコンが部屋を冷やしすぎたり、暖めすぎたりしないように運転を自動で制御します。
エアコンや関連機器のIoT化により、エアコンのリモコンで設定温度を何度も上げ下げすることなく、快適な室内環境を保つことが可能です。
スマホから家電を遠隔操作で稼働するスマートリモコン
家電IoTを実現することで、照明やエアコンなどの家電スイッチを外出先からでもオンオフできます。
家電IoTに欠かせないのが、「スマートリモコン」です。スマートリモコンとは、スマホなどの操作デバイスからのオンオフ指示を各家電へ伝える仲介機械です。家電への指示は「赤外線」で行うため、赤外線対応の家電であれば家電IoTができます。
スマートリモコンがあれば、旅行先や出勤中にエアコンの消し忘れに気が付いても、すぐに対応できます。
製造業の活用事例
製造業では、製造データの見える化のために、IoT技術が積極的に活用され始めています。
たとえば、不良数などの製造関連データをクラウド上で一元管理することで、複数のデータから設備トラブルの原因分析が可能となり、設備の早期復旧を実現しています。
製造現場でIoT化を進めることで、設備の保守保全問題の解決が可能です。
農業の活用事例
農業では、深刻な人材不足を解消する目的で、IoTの遠隔操作技術が活用されています。
たとえば、水田の水位を測定するセンサーから得られるデータを、無線通信経由でクラウドシステムへ蓄積し、データをもとにスマホから給水バルブを遠隔で操作している事例があります。
農業の省力化を実現したいなら、IoT活用が不可欠です。
物流業の活用事例
物流業では、器材や製品の所在管理の簡略化を目的に、IoTのモノの状態を把握する技術が活用されています。
たとえば、無線通信が可能なタグを輸送器材へ設置することで、所在データの自動収集を通じて輸送器材の動きが見える化されます。これにより、大量の輸送器材を管理する場合にも、従業員が手で一つずつ数えることなくスムーズに管理可能です。
倉庫管理の負担を軽減するには、IoTが必要不可欠といえます。
医療分野の活用事例
医療分野では、医療従事者の業務負担軽減のために、IoTの活用が進められています。
たとえば、院内にある大量の医療機器の所在と稼働状況を、一つのアプリケーション上で管理できる仕組みを構築し、機械を扱う臨床工学技士や看護師の負担軽減を試みる事例があります。
医療現場において、医療機器のデジタル化・DX化を成功させるためには、IoT技術の活用が重要です。
飲食業の活用事例
飲食業では、在庫管理の最適化のために、IoTを活用している事例が多くあります。
たとえば、各チェーン店のPOSレジを本部のPOSシステムのサーバー上で一元管理する仕組みを構築することで、大量の購買データが取得可能になります。購買データをもとに仕入れ量を調整でき、過剰在庫を抱えるリスクの回避が可能です。
そのためIoTにより、多店舗経営でも適正在庫を実現できます。
近年さまざまな業界のIoTニーズに合わせて、エッジデバイス開発やDXコンサルティングなどのサービスを通じて、現場のIoT化を支援する企業が増えてきています。
ここでは、IoT開発に強いおすすめのシステム会社を5社ご紹介します。各会社の強みや開発サービスを解説しますので、会社選びの参考にしてください。
株式会社ボイジャー
株式会社ボイジャーは、中小企業のDX推進に役立つサービスを手がけるシステム会社です。
AWSなどのクラウドサービスを利用し、安全かつ良心的な価格のシステムを提供しています。
またお客様と共に社内の弱点を見極め、どのように進めていくべきか考え、現状分析からデジタルトランスフォーメーションまでワンストップに提供が可能です。
会社名
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株式会社ボイジャー
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設立年
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2021年
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対応領域
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システムの受託開発
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おすすめポイント
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・クラウドサービスの「AWS」で安全性と良心的な価格を両立するサービスを提供
・AIシステムの構築も相談できる
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株式会社STANDARD
株式会社STANDARDは、DX推進を目指す企業に向けて、コンサルティングサービスとDX人材教育プラットフォームを提供しています。
伴走型のコンサルティングサービスでは、クライアントの従業員がDX推進の企画や戦略策定・分析まで自立してできるように目指します。
そのため、IoT化に欠かせないDXノウハウを自社で蓄積したい企業におすすめです。
会社名
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株式会社STANDARD
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設立年
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2017年
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対応領域
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法人向けのDX支援
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おすすめポイント
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・実践型のワークショップなどでDX内製化に必要なスキルやマインドを提供
・質問形式でDXの知識をインプットできる「DX人材教育プラットフォーム」を提供
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株式会社Mt.SQUARE
株式会社Mt.SQUAREは、飲食店や小売店、オフィス食堂のIoT化をサポートするシステム会社です。
特に独自開発のPOSレジシステムは、多くの飲食・小売業で活用されています。モバイルオーダーやセルフレジ、配膳管理が可能で、接客業務の省力化を実現できます。
人材不足を解消したい飲食・小売業は、まず検討したいシステム会社です。
会社名
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株式会社Mt.SQUARE
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設立年
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2015年
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対応領域
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コンサルティング/業務量調査/オペレーション改革/システム設計・構築・保守・監視
/パッケージ開発・販売・保守・監視/インフラ構築・保守・監視
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おすすめポイント
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・24時間365日専用のコールセンターへ操作方法を機械不良を相談できる
・オンサイト保守やデバイスの破損保険など導入後のサポートが充実
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アジアクエスト株式会社
アジアクエスト株式会社は、エッジデバイスやIoTプラットフォームなどIoT化に必要なモノをワンストップで開発するシステム会社です。
建設業や農業など、幅広い業界のIoT化をサポートしています。たとえばバナナ農家には、栽培管理に必要なデータをリアルタイムで共有できるIoT機器の導入を支援し、バナナ栽培のノウハウ蓄積に貢献しています。
自社に特化したエッジデバイスやアプリケーションを希望する企業に最適です。
会社名
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アジアクエスト株式会社
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設立年
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2012年
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対応領域
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コンサルティング/システム開発/プロダクト開発
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おすすめポイント
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・エッジデバイス・クラウドシステム・アプリケーションまでトータル開発
・大手建設会社や自治体からも信頼を受ける開発力
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株式会社エキスパートギグ
株式会社エキスパートギグは、工場向けのIoT開発に強みを持つ企業です。グループ会社に自動車部品工場があり、現場ニーズに合うシステムを開発し続けています。
独自開発した機械は、稼働率や不良原因など、生産設備から得られるデータを自動で集計し、生産工程の効率化に向けたデータ分析に役立てられています。
自社工場の生産効率に悩みを抱えている場合に、おすすめのシステム会社です。
会社名
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株式会社エキスパートギグ
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設立年
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1999年
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対応領域
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コンピュータシステムの提案・開発・運用
/自動化設備の設計~開発/運用プロジェクトへの技術者の派遣/オフショア開発、海外教育支援/コンピュータ関連機器の販売
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おすすめポイント
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・ハードウェアとソフトウェアの開発に精通し工場IoTを技術力で支援
・工場にある設備や従業員の動きを見える化できるデータ集計用装置を提供
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近年スマートファクトリーやスマート農業のニーズから、さまざまな企業でIoT化が進められています。IoT化を目指すことで、離れた工場やビニールハウスの設備を遠隔で操作できるようになり、管理業務の省力化や生産性の向上が実現可能です。
IoT開発会社は、企業が抱える人材不足などの課題を解決するために、工場内のあらゆる設備からデータ収集が可能なデバイスや、人材育成サービスを提供しています。
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