【システム開発】自社開発のデメリット|他社へ依頼すべきケースとは
2021.10.02
システム開発を行う際に、自社開発にするか他社へ依頼(委託開発)するか迷う方も多いのではないでしょうか。 システム開発を内製化するにはいくつかの注意点があります。それを知らないまま自社開発を進めてしまうと、思わぬ落とし穴から予定通り進行しなくなるおそれが生じます。 今回は、システム開発を自社開発で行う場合のデメリットや、「自社開発」「他社へ依頼」のどちらを選ぶべきかを判断するポイントを紹介します。
自社開発するときに考えるべきこと
自社開発とは、自社で扱うサービスや製品のシステムを企画、設計などの開発段階からすべて自社で行うことを指します。
「自社で使用するシステムは自社で開発を行いたい」と考えている場合は、まず自社開発にかかる負担を確認しておきましょう。
システムを自社開発するときに考えるべきこととして「人材の確保と育成」「保守コストの確保」のふたつがあります。
人材の確保と育成
システム開発を自社開発で行う場合、システム開発を進められるスキルや知識をもつ人材の確保と育成が必要です。
たとえば、要件定義や概要設計、基本設計を担当するシステムエンジニアや、詳細設計、プログラミング、テスト、導入支援を担当するプログラマーなどです。
これらの人材を確保するためには、新たにスキルを持つ人材を採用しなければなりません。システム開発を自社開発で進めるにあたり、まずは人材を確保できるかを検討する必要があります。
また、自社開発はシステム開発関連の業務負担が一部の社員にのみ集中する「属人化」が発生しやすいです。開発後、システムを運用していくことを考慮すると、運用保守や改善業務など人材の育成も必要になります。
保守コストの確保
システム開発では、開発コストだけでなく運用や管理に必要な保守コストを確保しなければなりません。また、新しいシステムを社内に浸透させるために、教育や研修などの対応も必要です。
トラブル発生時の対応や、場合によっては法令改正に伴うシステムの改修などを行うこともあるでしょう。
システムを自社で開発する場合、運用にかかる負担はすべて社内でまかなわなければなりません。運用保守にかかる工数なども想定し、保守コストを確保しておく必要があります。
自社開発のデメリット
システム開発を自社開発で行う場合、現場の意見に合わせた機能開発を行いやすく、迅速で柔軟に対応できるメリットがあります。
では、デメリットとしてはどのような点が挙げられるのでしょうか。ここからは、システム開発を自社開発で行う際のデメリットや注意点について紹介します。
自社の負担が大きくなりやすい
自社でシステム開発をすべて行う場合、業務が増えて負担が大きくなることがあります。
たとえば、開発に際して自社のエンジニアが不足しているのであれば、スキルや知識、経験をもつ人材の採用活動が必要です。また、自社にシステム開発のスキルがない場合には、新たに人材の雇用や研修、育成を行わなければなりません。
開発が遅れた場合取り戻すことが難しい
自社開発では、開発に遅れが出たときに改善や修正対応が難しい点もデメリットにあげられます。
開発スケジュールに遅れが生じた際、人員増を図ることで効率を上げてスケジュール調整を行うことが一般的です。しかし、自社開発では開発中にすぐ人員調達を行うことが難しいため、スケジュールの短縮が困難です。
他社にシステム開発を依頼する場合、納期が明確に設定されるため、基本的に開発が遅れることはありません。また、システム開発のノウハウを豊富にもっていることから「どのような開発にどれくらいの時間が必要になるのか」ということも明確です。
システムの開発、導入を見越した事業計画を立てているなど、開発に遅れが出てはならない場合は、委託開発を検討すると良いでしょう。
システム完成後に人材を持て余しやすい
開発に関わるスキルをもった人材を完成後に持て余してしまう点も、自社開発のデメリットにあげられます。
システムのリリース後は運用保守や改善などの業務が必要です。とはいえ、継続的なシステム開発ではなく特定のシステムだけの開発の場合、エンジニアなどの人材を雇用しても、完成後に任せられる仕事がなくなってしまうことがあります。
「自社開発」「他社へ依頼」どちらを選ぶべきか
ここからは、システム開発をおこなう場合「自社開発」「他社へ依頼」のどちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。それぞれ自社の状況や開発したいシステムの内容、規模などによって選択することが大切です。
「自社開発」がおすすめのケース
自社開発がおすすめのケースは、システム開発の規模が大きい場合です。規模の大きなシステム開発では、開発を他社へ依頼するコストも膨大になります。
そのため、外注するよりもコストをかけて社内に開発部門やチームを創設した方が、将来的にシステム開発のノウハウが蓄積できるでしょう。
また、開発期間が長くなる場合、人的リソースが無駄になりにくいことから自社開発を選ぶことがあります。
しかし、システム開発終了後など人材が力を発揮できる場を提供できずにいると、雇用し続けるコスト負担が大きくなるため、自社開発を行う際は長期的な視点で人材を活用できるか検討したうえで判断することが大切です。
「他社へ依頼」がおすすめのケース
システム開発を他社へ依頼するのがおすすめのケースは、自社にシステム開発の知識やノウハウがない場合です。
自社開発の場合、システム開発に必要な人材の確保や育成からはじめなければならないため、自社に必要なシステムの開発に着手するまでに時間がかかる可能性があります。
また、システム開発の規模が小さい場合も、他社への依頼がおすすめです。エンジニアを雇用して自社に開発部門を立ち上げるよりも、低コストかつスムーズに必要なシステムを開発できるためです。
コストや開発期間、自社のノウハウなど、さまざまな要素から自社にとってメリットの大きいシステム開発の方法を選択しましょう。
システム開発を他社へ依頼する際のポイント
システム開発を他社へ依頼する場合、どのようなシステムを開発するのか明確にしておくことが大切です。
ここからは、システム開発を他社へ依頼する際のポイントや注意点を紹介します。
システム開発への要望を明確にする
システム開発を他社へ依頼する場合、担当者とのコミュニケーションがとても重要です。「どのようなシステムを作りたいのか」を明確に担当者に伝えるために、社内で要望をまとめておくと良いでしょう。
必要な仕様を整理して優先順位をつけ、どの部署で誰が使用するのかなど、使用を想定したイメージを伝え、システム開発を依頼する企業と共有することが重要です。
依頼先にすべて丸投げしない
システム開発を他社へ依頼するとき、依頼先にすべて丸投げするのはおすすめできません。
依頼先にすべて任せてしまうと、認識のズレが生じて要望したものとは異なるシステムができてしまう可能性があります。
要望通りのシステムを作ってもらうためにも、依頼先と綿密にコミュニケーションを取りながら、細かく要望を伝えるようにしましょう。
マッチングサービスを利用する
システム開発を他社へ依頼するとき、「どのような企業に依頼すれば良いのか」といった依頼先選びは悩むポイントのひとつです。
システム開発といっても、企業によって得意な範囲は異なります。自社の求めているシステムの開発に精通した企業に依頼するには、依頼先の企業選びを入念に行う必要があります。
システム開発の企業選びにお悩みの際は、ビジネスマッチングサービスのReadyCrew(レディクル)をご活用ください。
ReadyCrew(レディクル)では、抱えている課題や開発コスト、開発期間などを丁寧にヒアリングしたうえで、最適な企業をご紹介しています。
機械的でなく担当者を介したマッチングを行うため「希望のシステムを開発してくれるか」という点だけでなく、依頼先企業の担当者同士の相性の良さにまで踏み込んで発注先を探すことが可能です。
仲介手数料は完全無料で何度でも相談できます。システム開発のアウトソーシングを検討しているのであれば、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
将来的にシステム開発を内製できるようにしたいのであれば、エンジニアの採用や育成などを行いながら自社開発に着手するのも良いでしょう。
しかし、自社開発を行えるようになるまでに時間がかかることや、人材の有効活用を継続していくことなどを考えると、自社開発における課題は多くあります。
他社へ依頼する場合と自社開発する場合で必要なコストを試算したり、長期的に開発部門を運用できるかを検討したりして、必要に応じてアウトソーシングも活用しましょう。