コールセンターの外注を考えている企業様必見、選び方のコツ解説
2025.08.05
近年、コールセンターを外注する企業が年々増加している傾向にあります。では、外注するうえでメリット・デメリットはどういった部分なのか、請け負ってもらえる範囲はどれくらいなのか、気になっている人は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、費用の相場や依頼できる内容、委託先選びのコツ、さらにはメリット・デメリットなどを解説します。また、実績のある外注先企業や事例なども紹介するため、ぜひ参考にしてください。
コールセンター外注とは?その基本と重要性
外部に自社の業務を依頼するという意味では、外注(アウトソーシング)と委託の2種類があります。外注(アウトソーシング)とは仕事の一部を外部の業者に発注することです。また、外注と一言で言っても派遣や請負、委任・準委任などの形態に分けられます。
そして、委託とは外部に頼んで代わりにやってもらうことや、契約などの法律行為・その他の事務処理を他人に依頼することです。
コールセンター業務を外注する企業が増加している理由は、通話対応だけでなくメール・チャット・SNSなど多様な手段が求められていることから、高い専門性が必要になるためです。また、業務の効率化や生産性の向上、コスト削減のニーズも増加を後押ししている要因となっています。
外注で依頼できるコールセンター業務の範囲
コールセンター業務は大きく分けて インバウンド(受信型) と アウトバウンド(発信型) があり、それぞれ役割や対応内容が異なります。企業が外注を検討する際は、どの範囲を委託するかを明確にすることで、効率的に業務を進められます。ここでは、外注できる主なコールセンター業務について詳しく解説します。
インバウンド
インバウンド型のコールセンターは、顧客からの問い合わせや相談を受ける窓口です。電話に加えて、メールやチャットツールを通じた対応も可能で、顧客の疑問や不満を解消する役割を担います。
具体的な業務内容には、
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商品・サービスに関する質問対応
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クレーム対応(初期受付やエスカレーション含む)
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注文や予約の受付業務
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サポート窓口としてのトラブル解決
などがあります。インバウンド業務を外注すれば、社内スタッフは本来の業務に集中でき、顧客満足度の向上と業務効率化を同時に実現できます。
アウトバウンド
アウトバウンド型のコールセンターは、企業側から顧客に働きかける業務を担当します。単なる営業活動にとどまらず、リサーチやアフターフォローなど幅広い活用が可能です。
代表的な業務例は以下の通りです。
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新規顧客への営業電話(テレマーケティング)
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既存顧客への満足度調査やアンケート回収
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商品到着後の開封確認・使用感のヒアリング
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フォローコールによる追加提案やクロスセル
これにより、顧客との関係性強化や売上アップにつながる施策を効率的に展開できます。
一部委託
「すべてを外注するのは不安」「一部だけ依頼したい」という場合には、部分的な業務委託も可能です。
例えば、
といった柔軟な活用ができます。これにより、最低限の人員で効率よく顧客対応を行えるため、中小企業やスタートアップにも導入しやすい方法です。
スポット対応・営業時間外のコール対応・クレーム対応・カスタマーサポート
コールセンター外注のメリットは、通常業務以外にも対応できる点にあります。
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スポット対応:キャンペーン期間や繁忙期など、一時的に問い合わせ件数が増える際のみ外注可能。
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営業時間外対応:夜間や休日など、自社スタッフを配置できない時間帯の問い合わせ窓口を任せられる。
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クレーム対応:精神的負担が大きいクレームも、経験豊富なオペレーターが冷静かつ適切に対応してくれるため、顧客とのトラブルを最小化できる。
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カスタマーサポート:商品やサービス利用中の顧客を対象とした継続的サポート。マニュアルを整備することで、誰が対応しても一定品質のサービスを提供できる。
このように、外注をうまく活用すれば、24時間365日対応や大規模キャンペーン対応など、自社だけでは難しい体制を構築できます。
コールセンター外注の費用相場と料金体系
コールセンターも様々な規模の会社があります。以下表に、料金体系についてまとめています。
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料金体系
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特徴
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時間課金制
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顧客からの連絡に対応した時間で発生する金額
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成果報酬
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アウトバウンドで用いられることが多く、会員やアポイントを獲得できたときに発生する報酬
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件数課金
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対応した件数によって発生する報酬。インバウンドでもアウトバウンドでも用いられる
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他にも、コールセンターの料金には月額固定型と従量課金型があります。月額固定型は対応件数に関係なく一定の金額を支払う方式で、時期的な変動が少ない企業に向いています。一方で、従量課金型は対応件数や通話時間によって金額が変動する支払方法で、時期的な変動が激しい企業に向いています。
初期費用については小規模型の方が1万円から2万円ほどで収まりますが、中規模・大規模になると初期費用が大幅にかかる場合が少なくありません。なお、大規模の場合は1席あたりの単価が20万円から30万円ですが、中小規模は規模が小さいため、どうしても1席当たりの単価が50万円から70万円と高額になってしまいます。
外注先の選定ポイント|失敗しないためのチェックリスト
コールセンターの外注先を選定する際は、以下のポイントを意識しましょう。
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実績の有無と得意分野
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対応範囲・時間
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コスト
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セキュリティ対策
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コミュニケーションの取りやすさ
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トライアルの有無
まずは、実績を確認しましょう。実績が多く経験豊富な場合は対応力の高さが伺えるため、安心して任せられます。また、コールセンターによってはインバウンドのみやアウトバウンドのみの対応になってしまうことがあるため、対応範囲もチェックが必要です。
なかには24時間対応のコールセンターもありますが、時間指定を設けているケースもあります。その際、24時間対応となると時間指定を設けている場合に比べて人件費などの関係により費用は高くなるため、顧客の年齢層やニーズを把握して選定してください。
そして、外注するということは外部に情報が漏洩する恐れが少なからずあるため、セキュリティー対策について調査しておく必要があります。
また、対応してもらいたいことや改善してもらいたいことを伝えやすい方が良好な関係を築きやすいため、コミュニケーションの取りやすさも確認すべきです。
なお、外注に対して不安がある場合は、トライアルの有無も確認しておいてください。無料もしくは低価格でトライアルを実施している場合は、事前に利用することで自社にマッチしているかを把握できます。
コールセンター外注の主なメリット3つ
コールセンターを外注するにあたって、主に以下3つのメリットがあります。
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生産性の向上
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リソースの最適化
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自社におけるノウハウの蓄積
顧客の対応を外注先に任せることで、自社企業の製品開発や戦略立案などに時間を割けます。故に、他の業務に時間を割けるため、生産性の向上が期待できるのです。
また、自社でコールセンターを立ち上げると対応できるスタッフの育成に費用がかかりますが、外注をすると経験豊富な人材が対応してくれるため、コストを抑えられます。さらに、豊富な知識を活かして顧客の知りたい情報に答えられるため、顧客満足度が上がり利益に繋がっていくでしょう。
そして、コールセンターに自社企業のスタッフを起用せずに済み、かつ有している専門知識やノウハウを自社に還元できます。
コールセンター外注のデメリットと注意点
コールセンター外注における、主なデメリット・注意点は以下です。
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思った通りに対応してくれない
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顧客からの信頼を失墜する恐れがある
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情報漏洩のリスクがある
外注を依頼したいが思っていたような対応をしてくれない場合があるため、モニタリングの時に様々な可能性を考慮して外注先に伝えておくことで、方針とのズレを軽減できます。
また、イレギュラーなことが発生したり、顧客からのクレームがあったりした場合に対応が遅れてしまい、顧客の評価が下がってしまうリスクはゼロではありません。そのため、外注先を選定する際は緊急時の対応も確認しておきましょう。
そして、顧客情報や機密情報が社外に漏れる危険があるため、情報を多く扱う企業は依頼時に十分な検討が必要です。外注先の選定時には創業年数や実績、プライバシーマークの有無などから信頼性の高さを確認しておきましょう。
委託までの流れ|初期検討から運用開始まで
一般的に、委託までの流れは以下となります。
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課題整理と要件定義
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委託先の選定と比較検討
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契約締結とKPI設定
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テスト運用・本稼働へ移行
全ての対応窓口を委託するのか、一部のみを委託するのかによって料金も左右されるため、企業の課題をまとめて請け負って欲しい業務を整理しておきましょう。なお、依頼したい内容への対応可否や料金などを比較して、委託先を選定してください。
契約に至るまでには希望対応日時や業務内容、想定される対応件数などの調査があるため、スムーズに聞き取り調査が行えるよう事前に答えを用意しておきましょう。そして、全てのヒアリング内容に納得すると契約締結となります。
外注先のコールセンターは、必要なインフラ整備やトークスクリプトの作成、さらにはテスト運用や品質の確認を支援してくれます。そのため、本稼働へ移行しても適宜のフィードバックや定期的なミーティングにより改善案を探り、顧客のニーズに答えることができるでしょう。
実績ある外注先企業の紹介
ここからは、コールセンターの外注において実績ある企業を紹介します。委託先に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
株式会社中央事務所
株式会社中央事務所は、コールセンター代行だけでなく事務作業代行も担っています。士業を中心に、新規構築・運営受託・既存センターの診断・スタッフの研修など多数の実績を持っていることから、それらの経験を活かして最高のサービスを提供してくれます。
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会社名
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株式会社中央事務所
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サービス名
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BPOサービス
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費用
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20万~60万円程度
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おすすめポイント
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司法書士事務所から独立したコールセンターの為個人情報の基礎知識が高い
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ビーウィズ株式会社
ビーウィズ株式会社は様々なBPOサービスに精通しており、多種多様な職種の企業が利用しています。AIの導入も行っており正確かつ迅速に対応できるため、多種多様な内容の業務をサポートすることが可能です。また、第三者視点のモニタリングを定期的に行うことで、さらなる品質管理レベルの調査や評価を行っています。
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会社名
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ビーウィズ株式会社
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サービス名
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BPOサービス
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費用
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要相談
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おすすめポイント
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24時間のコンタクトサービスにより緊急時に迅速かつ正確に対応可能
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株式会社エフザタッチ
株式会社エフザタッチは徹底的なヒアリングとコールセンターにおけるマニュアル作成やトークスクリプトの作成が強みで、これにより対応品質の向上や均一化を図っています。また、スタッフの育成にも力を入れており、経験豊富なスタッフによる高い応答率も魅力的な特徴です。
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会社名
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株式会社エフザタッチ
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サービス名
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コールセンター・人材派遣サービス
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費用
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要相談
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おすすめポイント
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インバウンド・アウトバウンドともに様々な業務内容に対応可能
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株式会社S
株式会社SはAIが導入されることが増えている中、顧客満足度の向上はスタッフの満足度の向上なくしてはないという考えをもっており、あえて「人により人を支える」をモットーにしています。また、事業で得た収益は地元地域に還元されており、社会貢献にも尽力している点が特徴です。
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会社名
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株式会社S
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サービス名
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コールセンター・BPO事業・パートナー事業
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費用
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要相談
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おすすめポイント
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培ってきたノウハウを生かし様々な分野の些細な相談に対応
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株式会社BPO Japan
株式会社BPO Japanは、AIやRPAを活用し人とテクノロジーの融合化を図っています。そのため、費用を抑えながらも迅速かつ確実なサービスを受けることが可能です。また、企業の現場における実態を把握したうえで作業を行っていくため、失敗を防止しつつデジタル化を進めていけます。
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会社名
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株式会社BPOJapan
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サービス名
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コールセンター・BPO事業・バックオフィス業務
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費用
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月50万~(業務内容により変動あり)
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おすすめポイント
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低価格でトライアルを実施
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株式会社リグロス
株式会社リグロスは、デザインとマーケティングの融合により問題解決を目指す企業です。Web制作やYouTube動画の作成実績が多いなか人材サービスも展開しており、人手不足に悩む企業をサポートします。高いマッチング精度により、最適な人材配置が期待できる点も魅力です。
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会社名
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株式会社リグロス
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サービス名
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人材サービス・アウトソーシング
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費用
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要相談
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おすすめポイント
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デザインとマーケティングの融合で顧客のニーズに寄り添う
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株式会社グロップ
株式会社グロップはテレマーケティングや営業事務など、オフィスサポートを提供しています。様々な受託業務での経験を活かし、顧客のニーズに最適な人材をコーディネートする点が強みです。また、配属後もフォロー専任者による強力なサポートがあるため、顧客満足度も高いです。
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会社名
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株式会社グロップ
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サービス名
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各種アウトソーシング事業・人材派遣など
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費用
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要相談
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おすすめポイント
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企業の課題やニーズに沿ってあらゆる角度から最適な解決策を提案
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ズィーバーコミュニケーションズ株式会社
ズィーバーコミュニケーションズ株式会社の「ズィーバー」とはおじいちゃん・おばあちゃんを指しており、おじいちゃん・おばあちゃんでもわかりやすく易しいコミュニケーションを目指している会社です。コールセンター運用に対応、かつシステム設計支援を得意としており、あらゆる電話システムと連携できる座席表の作成を最短5営業日で提供します。これにより、在宅ワークをはじめ複数拠点での活動を一元管理することが可能です。
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会社名
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ズィーバーコミュニケーションズ株式会社
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サービス名
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ソリューション事業・クラウドサービス事業ほか
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費用
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要相談
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おすすめポイント
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システム開発により複数拠点で活動する社員を一元管理できる
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外注を検討する際によくある質問(FAQ)
ここでは、コールセンターの外注に関するよくある質問を紹介します。
コールセンターを外注する際の費用はどのくらいですか?
費用は業務内容や稼働時間によって変わってきますが、1時間当たり数千円から、1件あたりは数十円から数百円ほどが一般的です。1ヶ月単位ではプランにより変動しますが、数万円から数十万円になることがあります。
外注することでのデメリットはありますか?
自社の方針と合わない、情報漏洩の危険、顧客対応の遅れなどが挙げられます。それらを防ぐためには、選定時にサービス内容や信頼性の確認が必須です。
日本ではどの程度の企業が外注を利用していますか?
コールセンターの外注を利用している企業の割合は年々増加傾向にあり、約40%というデータがあります。なお、人材不足の解消やコスト削減、業務の効率化などが目的です。
コール単価はいくらですか?
1コールあたり30円から100円程が目安です。ただし、決められていた対応数を超えてからの1コールあたりの費用は高くなるなど、内容や件数によって変動します。外注する際は、事前に費用面を確認しておきましょう。
自社で立ち上げる場合の初期費用は?
自社で立ち上げる場合は、設備費、人件費、研修費などを含めて数百万円以上かかる場合があります。また、スタッフ育成の面で時間もかかるため、外注の方が費用を抑えられる、かつ迅速に業務へ取り掛かれるでしょう。
まとめ|コールセンター外注で業務効率と顧客満足の両立を
コールセンターの外注は費用面を抑えられ、かつ企業の生産性向上に繋がる有効な選択肢と言えます。依頼先を選ぶ際は実績の有無を確認して、企業の課題に合わせて業務委託を進めることが重要です。なお、ビジネスマッチングサービス「Ready Crew」では、自社に最適なパートナー企業探しを無料でサポートいたします。
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