短い開発サイクル
スクラムは短い開発サイクル(スプリント)という特徴があり、1ヶ月以内というサイクルが一般的です。その間に、計画・設計・開発・テスト・リリースを繰り返します。
2025.12.15
この記事では、スクラム開発の定義や特徴、メリットについて解説します。スクラム開発をする際の価値基準についても紹介するので、どのように開発すればいいか不明なときにもぜひご覧ください。スクラム開発の外部委託におすすめな企業も紹介するので、パートナー探しの際にも役立ちます。
目次
スクラム開発とはアジャイル開発方法の一種です。アジャイル開発は要件定義・設計・実装・テストをワンセットとして短いサイクルで繰り返す方法で、システムを実際に動かしながら改善できるので認識齟齬などを初期段階で見つけやすい開発方法といえます。
スクラムはアジャイル開発のなかでも特に小規模・短期間という特徴があり、メンバーは多くても10人で透明性が高い開発方法です。
ここでは、スクラムの「短いサイクル」「透明性」「柔軟性」という3つの特徴について解説します。
スクラムは短い開発サイクル(スプリント)という特徴があり、1ヶ月以内というサイクルが一般的です。その間に、計画・設計・開発・テスト・リリースを繰り返します。
スクラム開発は少人数かつ短期間なので、各メンバーが進捗や課題を把握しやすく透明性が高い方法です。また、メンバーはそれぞれ自分でタスクを進めるため、自己組織化しやすくなっています。
スクラム開発は短期間でサイクルを繰り返すため、こまめな仕様変更に対応しやすいです。顧客からの要求の変化に即応できる仕組みが組み込まれているので、素早い改善を可能とします。
ここでは、スクラムの価値基準である「コミットメント」「勇気」「集中」「オープンネス」「リスペクト」という5つの要素を解説します。
スクラム開発にはメンバー全員が実現可能なスケジュールと、プロセスを確証するコミットメントが必要です。無理なタスク・スケジュールを実行するのではなく、メンバーの能力に応じた業務をこなして一丸となって協力します。
メンバーはスクラム開発のあらゆるシーンで勇気が必要です。コミットしたクオリティ・スケジュールで開発するだけでなく、無理な要求を断る勇気も欠かせません。また、プロジェクトマネージャーは率直な意見を伝え、システムの改善やチームの士気を上げることが求められます。
スクラム開発は短期間で行うため、予定どおりに進めるには必要な業務に集中する必要があります。ときにはツールを使ってメンバーのリソースを節約するなど、スプリントの目標のため最優先の作業に絞りましょう。
スクラム開発の成功にはオープンネス(寛容性)が必要で、少数精鋭のチームにおいてオープンなコミュニケーションは欠かせません。システムのクオリティのために必要な意見を言える環境づくりだけでなく、メンバーの貢献度を客観的に評価する体制もオープンネスの一種といえるでしょう。また、メンバーの失敗に対しても寛大になり、チーム全体で意見交換をしやすい空気感が大切です。
スクラム開発において、メンバー同士のリスペクトは欠かせません。個々の性格・アイデアの違いを尊重し、それぞれが意見を出しやすい環境をつくりましょう。違う視点を持つメンバーが集まるからこそ、さまざまな問題解決に繋がりやすくなります。
スクラム開発には以下3つのメリットがあるため、ニーズがある場合は取り入れましょう。
スクラム開発は短いスパンでの開発方法です。開発が終わるたびに成果物を顧客に提示できるため、顧客満足度の向上に繋がります。また、スクラム開発は急な仕様変更に対応しやすく、顧客の要望に応えられます。
スクラム開発はメンバーそれぞれに役割・タスクを振る方法で、チームの主体性向上に繋がります。短いスパンで開発するため自律的な改善が進み、学習効果が高まる効果も期待できるのです。
スクラム開発は短いスパンで要件定義・設計・開発・テストを行うため、リスクを早期に発見できます。メンバーが少人数なためコミュニケーションが取りやすい点も、早期にリスクを発見できる要因です。
一方、スクラム開発には以下3つのデメリットもあります。メリットと照らし合わせたうえで、スクラム開発を取り入れるか検討しましょう。
スクラム開発は柔軟に仕様変更できる分、たびたびスケジュールやタスクの変更に繋がります。そのため、大規模プロジェクトではスクラム開発は難しく、小規模チーム向きと言えるでしょう。大規模なプロジェクトは全体のスケジュールを把握しづらいうえに、柔軟な仕様変更に伴うスケジュール・タスク変更に対応しづらいです。
スクラム開発は少人数かつ短期間で行うため、経験豊富で知識のあるメンバーが必要です。そのため、経験不足なメンバーで構成された場合、スクラム開発の効果をあまり発揮できません。スクラム開発の手法だけ取り入れても、価値基準が理解されてなければ効果的な開発は難しいでしょう。よって、メンバーのスキルや経験によって効果を委ねられる点は、スクラム開発のデメリットと言えます。
スクラム開発は短いスパンでの開発を通して、都度顧客や経営層の意見を取り入れるため、顧客や経営層との合意が取れない場合は改善や開発が難航するでしょう。関係者との調整に負担がかかる点は、スクラム開発において考慮すべきポイントです。
ここでは、スクラム開発に必要なメンバーについて3つの立場で解説します。それぞれの役割ごとに求められる責任を把握しましょう。
プロダクトオーナーとはプロダクトの責任者を指し、開発において最終判断の責任があり、プロジェクトのクオリティの意思決定をします。また、プロダクトバックログを管理して優先順位を決めなければならないため、メンバーの意見を聞き最終判断をするスキルが必要です。
スクラムマスターは開発における環境整備の役割を担い、予定通りに進捗が進んでいるか、悩んでいるメンバーはいないか、作業の障害となる原因はないかなどを常にチェックします。つまり、開発がスムーズに進むために欠かせない役割です。スクラムマスターはプロダクトオーナーの補佐・調整のような立ち位置とも言えます。
開発チームは実際に開発するメンバーを指し、設計・開発・テストまでを一人でこなす必要があるため、それぞれに高いスキルが求められます。前提として、スクラム開発におけるメンバー間に上下関係はなく、平等な立ち位置と考えられます。
スクラム開発は以下5つのステップで進みます。ここでは、具体的な手順を時系列で説明するので、1サイクルの流れを把握しましょう。
プロダクトバックログとは、開発する製品の改善要素を書き表したリストです。製品の改善には機能・技術などあらゆる面で優先順位をつけなければなりません。プロダクトバックログには改善要素に優先順位が振ってあり、プロダクトオーナーはプロダクトバックログをチェックして業務の優先順位を判断します。原則、プロダクトバックログは開発メンバーも参照可能で、メンバーの意見が反映されているケースもあります。
スプリント計画とは短期間のスケジュールのことで、一般的には2週間から1ヶ月程度です。なお、スプリント計画を見ながらメンバーは開発を進めます。事前に作成したプロダクトバックログをもとにスプリント計画を作成しますが、最終的なゴールだけでなく設計・開発・テストそれぞれの期間も詳細に決めましょう。
デイリースクラムとは、開発メンバーの進捗や課題を把握するために行うミーティングです。デイリースクラムでは以下のテーマについて話します。
メンバーそれぞれのタスクの進捗状況
今日の予定
抱えている課題や問題
基本的に毎日同じ時刻で5分から15分くらいの短い時間で行い、進捗状況の把握だけでなくメンバー間のコミュニケーションにも役立ちます。
スプレッドレビューとはスクラム開発のテスト段階で行うレビューで、実装した機能に対してプロダクトバックログで定義した基準を満たしているかをチェックします。スプリントレビューはプロダクトオーナー以外に顧客や経営層などのステークホルダーが参加するケースもあり、レビューを踏まえて今後の開発の方向性を決めます。
スプリントレトロプロスペクティブとは、振り返りミーティングのことです。スプリントレビューと同じタイミングで行うことが多く、今回のスプリントでよかった点・改善すべき点や要因・改善点などを洗い出します。スプリントレトロプロスペクティブで出た意見は、次回のスプリントで活用されます。
「自社でどのようにスクラム開発をすればいいかわからない」場合、外注という手段があります。ここでは、スクラム開発を支援する企業を2社紹介するので、発注検討時の参考にしてください。
ここでは、スクラム開発を導入した事例について紹介します。導入の背景・取り組み内容・成果を整理して、自社に取り入れられるか検討しましょう。
スクラム開発支援企業のgood Inc.は、不動産会社の新規事業プロダクトの企画・開発を行いました。その不動産企業が抱える「既存の営業プロダクトが属人化している」「空きスペースを有効活用できていない」という課題に対しスクラム開発を取り入れ、仮説検証のスピードアップを図りました。その結果、仮説をもとに事業アイデアが創出され、企業が求めるプロダクトの開発に成功しています。
最後に、スクラム開発のよくある質問を紹介します。
スクラム開発は2週間から1ヶ月程度の短期間で要件定義・設計・実装・テストを行う方法で、改善までのスピードが速い点がメリットです。小規模チームでのアジャイル開発で強みを発揮できるため、スクラム開発は適切に運用すれば成果に繋がりやすいという特徴があります。自社の規模やリソースと照らし合わせ、プロジェクトにスクラム開発を取り入れましょう。
自社でスクラム開発の運用が難しい場合、外注するという方法があります。効果的なスクラム開発にはパートナーが必要なため、選ぶ際は実績や支援内容など、あらゆるポイントをチェックしたうえで検討してください。また、1社ではなく複数社と照らし合わせたうえで選ぶと、納得して契約できます。
スクラム開発支援のパートナー選びにはReady Crewがおすすめです。Ready Crewは無料で活用できるビジネスマッチングサイトで、上場企業を含むさまざまなスクラム開発企業が登録しています。コンシェルジュが依頼者にぴったりなパートナーを厳選して紹介するため、自社で探す手間もかかりません。効果的・効率的に発注先を見つけたい方は、以下のリンクよりお問い合わせください。なお、問い合わせだけも可能です。
無料相談はこちら:https://readycrew.jp/media/contact
この記事のタグ
レディクルのコンシェルジュがお客様のご要望にピッタリな企業をお探しいたします。
\ レディクルは、完全無料のサービス /
システム開発関連の会社探しを
レディクルに問い合わせる