リモートワークシステムを導入すべき理由とは、おすすめシステムも紹介
2026.04.14
リモートワークシステムの基本をはじめ、導入すべき理由や実施手順、システムの選定基準まで詳しく解説します。おすすめのビジネスツールも紹介しているため、効果的なリモートワーク環境を構築する際の参考にしてください。
リモートワークシステムとは、従業員が自宅やコワーキングスペースなどから業務を行うために整備するIT環境やツールのことです。例えば、オンライン会議ツールがなければ朝礼ができず、勤怠管理ツールがなければ労働時間の把握が曖昧になります。つまり、単なる「便利ツール」ではなく、業務を止めないための基盤です。
近年、働き方改革の推進によりリモートワークを導入する企業が急増しており、オフィスに出社せずとも生産性を維持するには、適切なシステム環境の整備が結果的に大きな差につながるケースが少なくありません。通信インフラの発達により、場所を問わず高品質な業務遂行が現実的になっています。
リモートワークの方式
リモートワークの方式によって、セキュリティの強固さや導入コスト、操作感は大きく異なります。自社の業務内容に照らし合わせ、最適なインフラ構成を検討しましょう。
リモートデスクトップ方式
オフィスの自席にある業務用PCに、外部の端末からインターネット経由で接続して遠隔操作する手法です。
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仕組み: 自宅PCからの入力信号をオフィスPCへ送り、画面情報だけを手元の端末に転送します。
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メリット: 実際の業務データはオフィスのPC内に留まるため、情報漏洩のリスクを極めて低く抑えられます。
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注意点: 常にオフィスのPCの電源を入れておく必要があり、ネットワークの帯域不足による画面の遅延(レイテンシ)が発生する場合があるため、安定した通信環境の整備が欠かせません。
仮想デスクトップ方式
社内のサーバーやクラウド上に仮想的なPC環境を構築し、従業員がそれぞれの端末からアクセスする高度な方式です。
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仕組み: ユーザーごとに独立したデスクトップ環境をサーバー側で一括管理します。
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メリット: OSのアップデートやセキュリティ設定を一括で行えるため、ガバナンスの維持が容易です。どの端末からログインしても、常に自分専用のデスクトップ環境を再現できます。
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注意点: サーバー構築やライセンス費用など、初期の導入コストが他の方式に比べて高額になる傾向があります。
クラウド型アプリ方式
Google WorkspaceやMicrosoft 365といった、インターネット上で完結するSaaS(Software as a Service)を活用する方式です。
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仕組み: 特定のPCを遠隔操作するのではなく、ブラウザやアプリを通じて直接クラウド上のデータにアクセスします。
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メリット: 特別なサーバー構築やVPN機器の用意が不要で、アカウント発行後すぐに業務を開始できるスピード感が魅力です。場所やデバイスを選ばず、共同編集などのコラボレーションもスムーズに行えます。
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注意点: 会社の管理外の端末(私物PCなど)からのアクセス制限や、多要素認証(MFA)の導入といった、クラウド特有のセキュリティ設計が重要になります。
会社PCの持ち帰り方式
普段オフィスで使用しているノートPCを、そのまま自宅へ持ち帰って作業を行う方式です。
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仕組み: 物理的な端末を移動させ、VPN(仮想専用線)などを通じて社内ネットワークに接続します。
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メリット: 新たなシステムを導入するコストがほとんどかからず、従業員も使い慣れた環境で即座に業務を継続できます。
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注意点: 物理的な「紛失・盗難」のリスクが最も高いため、ストレージのフルディスク暗号化や、万が一の際の遠隔データ消去(リモートワイプ)機能の備えが必須となります。
コミュニケーション不足を解消するため
オフィス勤務と比べてリモートワークは対面での会話が減少し、かつ声をかけることができません。些細なことでも相談できないことから、認識のズレが生まれやすくなります。
チャット導入前はメール返信の遅れにより、意思決定に数日かかっていたという企業もあります。ビジネスチャットやWeb会議ツールは、「見えない時間ロス」を減らす役割を果たしてくれるのです。
勤務状況を把握するため
リモートワークは従業員の勤務状況が見えにくく、誰がいつ働いているのか、業務は計画通り進んでいるのかを把握することが困難です。そこで、勤怠管理システムやタスク管理ツールを活用すれば、労働時間の記録や業務の進捗状況を可視化できます。適切な労働管理により、長時間労働の抑制にもつながります。
セキュリティリスクを回避するため
自宅やカフェなどオフィス外での作業は情報漏洩のリスクが伴い、公衆Wi-Fiの利用や私物端末での業務は極めて危険です。VPNやセキュリティソフト、アクセス制御機能を備えたシステムを導入することで、リスクを大幅に軽減できます。万が一の情報漏洩は企業の信用問題に直結するため、機密情報や顧客データを守れるよう、セキュリティ対策は最優先で考えるべきです。
現状を把握する
導入前に自社の業務フローや課題を明確にしましょう。どの業務がリモートワーク可能か、どこにボトルネックがあるのかを分析します。ここを曖昧にするとツールだけ導入して現場が混乱しかねないため、従業員へのヒアリングやアンケートを実施し、現場の声を集めることが重要です。現状を正確に把握することで、最適なシステム選定につながります。
必要なツール・システムをリサーチする
課題解決に適したツールを調査して比較検討します。ビジネスチャット、Web会議、勤怠管理、ファイル共有などで必要な機能を整理し、無料トライアルを活用して実際の使用感を確認してください。複数のツールを比較し、自社に最適なものを選定することが好ましいです。
体制を構築する
次に、導入を推進するチームを組みます。IT部門だけでなく、人事部門や各部署の代表者を含めた横断的な体制が理想的です。責任者を明確にして、スケジュールと予算も早めに決めておきましょう。
社内ルールを決める
リモートワーク時の就業規則や、セキュリティポリシーを策定します。勤務時間の取り扱い、連絡可能な時間帯、報告の頻度などを明文化する必要があり、情報の取り扱いルールや私物端末の使用可否なども定めます。これらは、現場の理解がなければ定着しません。
環境を整備する
システムの導入と従業員への教育を実施します。選定したツールを導入して動作確認を行い、マニュアルを作成して従業員向けの研修を実施しましょう。最初は小規模なグループでテスト運用し、問題点を洗い出してから全社展開する方法が現実的です。
コミュニケーションは取りやすいか
チャットやビデオ通話がストレスなく行えるかを確認します。コミュニケーションツールは機能の多さよりも、使われ続けるかが重要です。高機能でも操作が複雑では、結局メールに戻ってしまうケースもあります。グループチャットや1対1のメッセージ、あるいはビデオ会議など、状況に応じて使い分けられるツールが理想的です。
情報共有はしやすいか
ファイルやドキュメントを簡単に共有できるかをチェックします。クラウドストレージとの連携や、バージョン管理機能があると便利です。また、誰が何を共有したのかが分かりやすく、検索機能が充実していることも大切です。
共同作業は進めやすいか
複数人で同時に作業できる機能の有無を確認しましょう。ドキュメントの共同編集やタスクの共有管理ができると、プロジェクトがスムーズに進みます。また、編集履歴が残り、誰がどの部分を変更したかが分かる機能も有用です。
労働管理はしやすいか
勤怠記録や業務の進捗状況を把握できる機能の有無をチェックします。打刻機能をはじめ、休暇申請や残業時間の集計など、労働管理に必要な機能が揃っているかを確認しましょう。レポート機能があると、全体像が見えやすくなります。
セキュリティリスクへ配慮されているか
データの暗号化やアクセス制御、ログ管理などのセキュリティ機能が充実しているかを確認します。二段階認証やIPアドレス制限など、不正アクセスを防ぐ仕組みがあると安心です。定期的なセキュリティアップデートが提供されているか、サポート体制が整っているかも重要なポイントになります。
ビジネスチャット
ビジネスチャットはテキストベースでリアルタイムにコミュニケーションを取れるツールです。代表的なものとして、以下が挙げられます。
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Slack
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Microsoft Teams
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Chatwork
Slackは外部ツールと連携しやすく拡張性が高い一方、ITツールに慣れていない現場では最初は戸惑うことがあります。Microsoft TeamsはOffice製品との相性が良く、既にMicrosoft 365を導入している企業は比較的スムーズに定着しやすいでしょう。便利なツールでも、導入して使われなければ意味がありません。通知が多すぎて逆に生産性が下がるケースもあるため、運用ルールの設計も重要です。
Web会議
Web会議で使用できるツールには、主に以下があります。
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Zoom
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Google Meet
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Microsoft Teams
操作の分かりやすさではZoomを評価する声が多い一方、セキュリティポリシーの厳しい企業では設定面の確認が必要になることもあります。Google Workspaceを利用している企業であれば、Google Meetの方が管理はシンプルです。
勤怠管理
従業員の労働時間を記録・管理するシステムで、主に以下が挙げられます。
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KING OF TIME
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ジョブカン
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TeamSpirit
各社で機能面は大きくは変わりませんが、給与システムとの連携可否やサポート体制には差があります。リモートワークでは勤務実態が見えにくいため、従業員数が増えるほど管理画面の見やすさが重要です。また、打刻ルールを明確にしなければ、形だけの管理になる恐れがあります。
タスク管理
業務の進捗状況を可視化してチーム全体で共有するツールで、主に以下があります。
Trelloは直感的に操作しやすく、少人数チームに向いています。Asanaはプロジェクト管理機能が豊富で、中〜大規模チームでも活用しやすい設計です。Backlogは日本語サポートが手厚く、国内企業では導入しやすいという声もあります。ただし、細かく管理しすぎると入力作業が負担になりかねないため、運用レベルを決めておくことが現実的です。
PBX
電話システムをクラウド化し、場所を問わず電話対応ができるようにするシステムです。主なツールに以下があります。
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MiiTel
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トビラフォンCloud
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MOT/TEL
MiiTelは通話内容の解析機能が特徴で、営業部門で活用されることが多いです。トビラフォンCloudやMOT/TELは比較的導入しやすく、中小企業でも採用例があります。なお、通信環境に左右されるため、安定したネットワーク環境が前提です。固定電話と同じ感覚で使えるか事前にテストしておきましょう。
ここでは、リモートワークシステムに関してよく寄せられる質問をまとめています。
リモートワークシステムを導入しなければどうなる?
現状のツールでも問題はないと考える企業も少なくないでしょう。しかし、長期的に見ると業務効率や情報管理の面で課題が表面化する恐れがあります。また、コミュニケーション不足により業務の進捗が遅れたり、認識のズレが生じたりしかねません。さらに、情報共有が不十分になり、属人化が進む可能性も高いでしょう。勤怠管理が曖昧になれば労働時間の把握が困難になり、セキュリティ面でも情報漏洩のリスクが高まります。
リモートワークシステムの導入費用相場は?
導入するシステムの種類や規模によって、費用は大きく異なります。ビジネスチャットやWeb会議ツールは、月額数百円から利用できるサービスが少なくありません。従業員一人あたり月額500円〜1,500円程度が一般的ですが、人数が50名を超えると年間で数十万円規模になるケースもあります。無料プランを提供する企業もありますが、セキュリティ機能が制限されている場合があるため注意しましょう。勤怠管理やタスク管理も同様の価格帯で、クラウドPBXは月額3,000円〜5,000円程度が目安です。
導入するリモートワークシステムはどのように決める?
自社の業務内容や課題、予算を総合的に考慮して決定します。まず、どのような課題を解決したいのかを明確にすることが重要です。コミュニケーション不足が問題であれば、ビジネスチャットやWeb会議、勤怠管理が課題であれば勤怠管理システムが優先されます。無料トライアルを活用して、実際の使用感を確認しましょう。
リモートワークを成功させるには、適切なシステムの導入が不可欠です。コミュニケーション不足の解消や勤務状況の把握、セキュリティリスクの回避といった課題に対応できるツールを選ぶ必要があります。ビジネスチャット・Web会議・勤怠管理・タスク管理・PBXなど、目的に応じたシステムを組み合わせることで効果的なリモートワーク環境を構築できます。リモートワークは「制度」ではなく「仕組み」であるため、制度だけを整えてもシステムが不十分では現場に負担がかかりかねません。まずは小さく始めて、そこから改善していくというステップが現実的です。
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