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システム開発の手法とは?発注の前に知っておくべきこと

システム開発の手法とは?発注の前に知っておくべきこと

2021.05.20

近年、IT技術の進化にともない、システム開発を行う企業が増えています。開発をスムーズに進めるため業務の構造化が行われ、今日までさまざまな手法が考えられてきました。 各手法にはそれぞれ特徴があるため、プロジェクトに最適な方法を選択しなければなりません。 今回は、システム開発で用いられている手法の種類や、それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。

システム開発にはどのような手法があるのか

システム開発のためにはさまざまな手法が用いられています。この項では、主流の手法について、種類や特徴を解説します。


ウォーターフォール型

ウォーターフォール型は、上流工程から下流工程へ順を追って行っていく最も基本的な開発手法です。滝の水が流れていく様子を連想させることから、ウォーターフォールと名付けられました。

要件定義から外部設計、内部設計、実装、テスト、運用など、現在の工程が完了してから次へと進んでいくため分かりやすい手法といえます。

システム開発の経験があまりない方でもイメージがしやすく、各工程で一定の品質が確保されなければ次に進められないため、高い信頼性のある手法として多くの現場で用いられています。

しかし、滝の水が上に登ることができないように 、工程を戻してやり直すことが難しい手法でもあります。途中で仕様変更や大幅な設計改善が必要な場合は、プロジェクトに遅れが生じるリスクが高くなるでしょう。

逆にいえば、大きな変更さえなければ開発をスムーズに進めやすいです。

アジャイル型

アジャイルには「素早い」や「俊敏(びんしょう)」などの意味があります。アジャイル型とは、いわばスピード型の開発手法です。
ウォーターフォール型は確実性が高く、安定したシステム開発には適しているものの、変化に弱くスピード感に難がありますが、アジャイル型はその弱点を克服した手法だといえます。

アジャイル型は、作業を計画・設計・実装・テストのように、開発工程を小さくして反復し追加開発していくため、開発完了までの期間を最終的に短縮できます。

仕様変更を前提に作業を進められるため、依頼者の要望を適宜取り入れながら柔軟に対応しなければならない現場で用いられることが多いです。

近年需要が高まっているWebサービスやゲームアプリなどの開発に適しているでしょう。

しかし、プロジェクトが大規模になるほどに反復する工程も増え、進捗管理や変更への対応も多くなるため、システム開発の規模によっては不利になるおそれもあります。

スパイラル型

アジャイル型と似ている手法で、各工程を細かく分けて作業を反復しながらシステム開発を進めていきます。

アジャイル型と異なる点としては、「品質の保証がまだできていない段階で依頼者に公開して評価してもらい、直接意見を聞きながらクオリティを高められる」です。

適宜フィードバックを受けながら作業を進められるので、仕様変更にも柔軟かつ適切な対応が可能です。各工程の信頼性を高めることにもつながります。

とはいえ、スパイラル型もアジャイル型と同様に、反復する工程が増えるほどに進捗管理が難しくなるので、事前に予測や計画をしっかり立てておく必要があります。

プロトタイプ型

スパイラル型が各工程でクライアントのチェックが行われるのに対して、プロトタイプ型は開発の早い段階で試作品を完成させてチェックをしてもらう手法です。
チェック後に詳細な仕様などを肉付けしていき、全体的なシステムを完成させていきます。

クライアントがシステム開発に関わる経験が少ない場合など、漠然と思い描いているシステムに対し言語化や具体化が難しい際に多く用いられます。

一度試作品を見ると、求めている形がはっきりとイメージしやすくなります。それにより、具体的な提案が増えることもあります。

システム開発の各手法のメリット・デメリット

ここまで紹介した各手法には一長一短があるため、プロジェクトに適したものを選ぶことが大切です。
次は、それぞれのメリットやデメリットについて具体的に解説します。

ウォーターフォール型

・メリット
一つひとつの工程を完了させながら着実に進めていくため、全体的な計画が立てやすく、成果物のチェックがしやすいです。

流れや全体像の把握がしやすいのも特長で、次の工程に移る際に人員の変動があっても対応しやすいという強みがあります。

・デメリット
現在の工程で失敗や変更が発生した場合、解決しなければ次へは進めません。各工程のプロジェクト全体へ及ぼす影響力は大きいです。

急な変更やトラブルに弱く、途中でクライアントの意見を取り入れることも難しいでしょう。柔軟な対応が求められるようなプロジェクトには不向きです。

アジャイル型

・メリット
工程を小さな単位に分けて作業を繰り返すため、その都度やり直しがしやすく、仕様変更や要望の追加にも対応がしやすいです。

スピード感を求められる状況でも有効なので、変化や追加の多いアプリ開発などに適しているでしょう。

・デメリット
計画段階では綿密な仕様決定をしない傾向にあるため、スケジュールがコントロールしにくく方向性がブレやすくなる場合があります。

スムーズにプロジェクトが進行すれば迅速な開発ができますが、変更が多いと全体的な進捗管理が困難となります。統率がうまく取れなければ、完成が遅延するおそれが生じるでしょう。

全体を管理するためには、経験豊富なシステムエンジニアや適切な人員体制が必要です。

スパイラル型

・メリット
アジャイル型と同様に、前工程が後工程に影響を与えない手法なので、変更に対応しやすいのが特長です。各工程でクライアントのチェックと修正を繰り返していくため、質の高いものを作れます。

・デメリット
フィードバック後に問題が発見されるたびに修正を行う必要があるため、問題箇所が多くなるほど、開発期間の長期化やシステムの肥大化へとつながりやすくなります。

プロトタイプ型

・メリット
はじめのうちに試作品をクライアントに提示することで、双方が完成品のイメージをしやすくなります。

完成形が漠然としているクライアントに対して具体的かつ正確なシステム開発を伝えられるため、開発後の修正依頼の減少が見込めます。

・デメリット
「試作品の制作」「クライアントによるチェック」「修正」という工程が必要なので、大規模なシステムの場合はスケジュール調整が難しくなり、開発期間も遅延しやすくなります。

作業効率が良いとはいえないため、大規模なシステム開発には向いていません。また、工程の多さから開発側にとっては負担が大きい点もデメリットといえます。

システム開発の発注先を探すポイント

システム開発には専門知識や技術が必要不可欠です。

そのため、自社に専門性の高い人材がいない場合、希望しているシステムを完成させるのことは難しいでしょう。

自社に専門性の高い人材がいなければ、外部に依頼するのも手です。その場合、まずは発注先の実績の確認をおすすめします 。

実績や経験は、技術力を見極めるうえで重要な参考材料です。さらに、プロジェクトのスムーズな進行や構想を実現するためにも、発注先担当者の人柄や能力もしっかりと確認しておきましょう。

前述したポイントをふまえたうえで、予算に合った費用で依頼を検討します。コストは少しでも抑えたいところですが、技術と費用は釣り合うことが多いです。安ければその分品質も下がるおそれがあるため、よく考えてから選ぶことが大切です。

上記に加えて、定期メンテナンスや機能の追加などの保守費用についても確認しておきましょう。

システム開発の発注先は慎重に選ぶ必要がありますが、近年では多くの業者が存在するため厳選する作業も大変です。

まとめ

今回はシステム開発の手法について解説しました。全体像を掴みやすく計画を立てやすいもの、スピード感や柔軟性に優れたもの、試作品を提供することでクライアントがイメージしやすくなるものなど、特徴やプロジェクトに合わせてさまざまな手法が用いられています。

最適な手法でシステム開発を進めるためには、メリットだけではなくデメリットについて把握しておくことも大切です。

とはいえ、いくら手法について理解したとしても、自社にシステム開発に精通した人材がいなければ実現は難しいでしょう。

そういった場合、外部の専門家に依頼することになります。本記事で紹介したポイントを参考に、信頼できる発注先へ依頼してください。

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手法 発注 システム開発