システム開発を依頼できるおすすめ会社10選と費用対効果の高い会社の探し方
2023.12.04
業種や規模を問わず、DXやオンラインビジネスに取り組む企業が増えています。自社独自のシステムを開発したい場合には、専門的な技術やノウハウを持ったシステム開発会社に依頼するのが一般的です。
しかし、システム開発会社は多種多様で数も多いため、「どうやって自社に合った発注先をみつけたらよいのか」と悩んでいる企業の担当者の方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、システム開発会社を選ぶ前に知っておきたい基礎知識、おすすめの会社、発注先の選び方、費用対効果を高める方法などについて解説します。
システム開発の工程
システム開発は一般的に「要件定義→設計→開発・テスト→リリース→保守運用」の流れで進めます。
- 要件定義:必要な機能や要求をまとめる
- 設計:要件定義でまとめた要件を機能単位に分割し、外部設計書と内部設計書を作成する
- 開発・テスト:プログラミングや単体・結合テストなど
- リリース:システム移行やサービス開始など
- 保守運用:正常な稼働を維持するために行うソフトウェア更新、セキュリティ監視、障害対応など
システム開発を業者に依頼する時に特に重要なのは要件定義です。この工程で自社が求めるシステム概要や機能要件をしっかり伝えなければならないため、何度も打ち合わせを重ねることになるでしょう。コンサルティングや企画、戦略立案なども含めて依頼する際は、発注先から提案を受けたり、要件定義書を作成してもらったりします。
設計からリリースまでは基本的にシステム開発業者が担当する範囲です。保守運用については、全て自社で行うケースもありますし、開発業者に依頼するケースもあります。
システム開発の費用相場
システム開発の費用相場の一覧は以下の通りです。
種類 |
相場目安 |
小規模なWebアプリ |
100万~500万円程度 |
中規模な業務システム |
500万~1,000万円程度 |
エンタープライズ向け大規模システム |
数千、数億円〜 |
費用の内訳は、主にエンジニアの人件費と、設備やソフトウェアのライセンス料などの諸経費です。このうち人件費は開発期間と人数によって増減します。また、高度なスキルを持った人材が稼働するほど、人月単価(1カ月稼働した時の単価)は高くなります。
上の表はあくまで目安に過ぎません。依頼する内容や規模、納期、用いる技術などによって、費用は大きく変わります。一般的には、既存システム、アプリケーションを組み合わせて開発する「パッケージ開発」のほうが、オリジナルのシステムを開発する「スクラッチ開発」よりも低予算で済みます。
システム開発依頼時の契約方法
システム開発を依頼する際は、「請負契約」が一般的です。請負契約を結べば、システム開発企業に成果物を完成させる義務と、瑕疵担保責任(後から不具合が見つかった時に無償で補修する責任)を負ってもらえます。
自社に開発組織があり、システム開発会社から人的リソースを得たい場合は、特定の業務に従事することを契約する「準委任契約」を結ぶのも良い方法です。準委任契約は仕様変更時も追加コストが発生せず、「稼働数×人月単価」によって人件費が決まります。ただし、開発者側に成果物の完成責任や瑕疵担保責任はありません。
開発手法は大きく分けると、ウォーターフォール開発とアジャイル開発の2択です。ウォーターフォール開発は「要件定義→設計→…」のように、綿密な計画を立てて順番に工程を進める手法で、ソフトウェア開発を依頼する場合はこの方法が一般的です。
対してアジャイル開発は、機能単位ごとに開発サイクルを短期間で回してフィードバックをかける手法で、仕様変更に対応しやすいという特徴があります。
デマンドリンク株式会社
デマンドリンク株式会社は、大手通信会社や金融機関、証券会社、官公庁のシステム開発の実績を持つ会社です。フロントエンドからバックエンドまで幅広いシステムのスクラッチ開発に対応しています。また、保守運用まで任せられるオールインワンタイプのシステム開発会社です。
一例を挙げれば、React社に納入した「Time Assist」は、勤怠打刻やさまざまな申請、コミュニケーションなどを一貫して行えるWebアプリです。従業員はスマートフォンで勤怠打刻したり、経費申請を行ったりできます。また、社内報や給与明細の閲覧などが「Time Assist」上ででき、質問などがあればコメントを投稿できます。
会社名 |
デマンドリンク株式会社 |
目安費用 |
要相談 |
対応種類 |
業務・管理システム、Webアプリケーション、ホームページ制作 |
強み |
大手通信系・金融系・官公庁系のシステム開発の実績が豊富 |
おすすめポイント |
幅広いシステムのスクラッチ開発に対応している |
ワークスタイルテック株式会社
ワークスタイルテック株式会社は、「WelcomeHR」という人事労務系システムのパッケージ開発を提供している会社です。短期間かつリーズナブルな価格で、自社に合った労務管理システムを構築できるのが強みです。
「WelcomeHR」はスマートフォン上からクラウドにアクセスして労務管理できるのが特徴で、すでに190社、1万9,000店舗以上に導入されています。労務管理にかかる負担を減らして、コストカットや生産性向上につなげたい企業におすすめの会社です。
会社名 |
ワークスタイルテック株式会社 |
目安費用 |
要相談 |
対応種類 |
業務システム |
強み |
短期間かつリーズナブルな価格で、自社に合った労務管理システムを構築できる |
おすすめポイント |
スマートフォンで完結できるクラウド労務管理システム「WelcomeHR」を用いたパッケージ開発 |
株式会社コネクティラボ
株式会社コネクティラボは、飲食店に特化した店舗管理のクラウドシステム「絆TIME」のパッケージ開発と運用支援を行っています。「絆TIME」を導入すれば、現場スタッフはモバイルデバイス上でHACCP(※衛生管理手法の1つ)対応のチェックや温度入力などができ、管理者は複数の店舗状況をリアルタイムで把握できるのがメリットです。
特に店舗数が多い企業は、エリアマネージャーや本社担当者の業務を効率化しながら、ガバナンスを強化できるでしょう。また、シンプルな使い勝手にもこだわっており、パートやアルバイトでも簡単に操作が可能です。
会社名 |
株式会社コネクティラボ |
目安費用 |
要相談 |
対応種類 |
システム開発、アプリ開発、Web制作 |
強み |
飲食DXを総合サポート |
おすすめポイント |
飲食店様に特化した店舗管理のクラウドシステム「絆TIME」の開発、運営 |
株式会社ユーエスエス
株式会社ユーエスエスは、金融と小売業に特化したシステム開発を得意としています。株式会社ユーエスエスには45年以上前に設立された金融部門があり、技術だけでなく、金融商品や市場のグローバル化などに精通したエンジニアが多数在籍しています。
また、小売業向けシステム開発では、店舗や倉庫に足を運ぶフットワークの良さが強みです。現場ニーズに合ったシステムを開発できるため、「導入したけれども活用が定着しない」といった失敗を避けられます。
会社名 |
株式会社ユーエスエス |
目安費用 |
要相談 |
対応種類 |
小売業向けシステム開発、金融業向けシステム開発、オリジナルシステム開発 |
強み |
小売・金融業のシステム開発を得意としている |
おすすめポイント |
45年以上の実績を持つ金融部門 |
ユーソナー株式会社
ユーソナー株式会社は顧客管理に特化したシステム開発会社です。特に日本最大の法人企業データベース「LBC」と連携した、BtoB企業向けの情報基盤開発に強みがあります。
例えばPIANO Japanに納入したデジタルビジネスプラットフォーム「piano」では、国内初(2023年7月31日時点)となるサーバーサイドでの連携を実現しました。サイト訪問者のIPアドレスと「LBC」の4,000万件以上のIPアドレスを照合して、企業名や業種、規模などを自動分類してデータベースに蓄積し、営業成果の最大化や効率化に役立てられます。
会社名 |
ユーソナー株式会社 |
目安費用 |
要相談 |
対応種類 |
BtoB企業の情報基盤開発 |
強み |
BtoB企業の営業成果の最大化・営業効率化に強みがある |
おすすめポイント |
顧客管理に特化したシステム会社 |
サイコパスコンサルティング合同会社
広島県に拠点のある
サイコパスコンサルティング合同会社は、マイクロソフト製品のソリューション開発に特化しているシステム開発会社です。Microsoft365やPower Platform、Azureの拡張機能の開発、カスタマイズを行っています。
システム開発の他にも、SharePointやTeams、Azureなどの導入が自社業務とマッチしているか調べる技術調査や、マイクロソフト製品の導入・運用サポートを請け負っています。マイクロソフト製品を中心に業務システムを整えようと考えている企業は、サイコパスコンサルティング合同会社にまとめて依頼できるのがメリットです。
会社名 |
サイコパスコンサルティング合同会社 |
目安費用 |
要相談 |
対応種類 |
Microsoft365、Power Platform、Azure関連ソリューションの開発 |
強み |
マイクロソフト製品、サービスに特化 |
おすすめポイント |
マイクロソフト製品・サービスの技術調査代行、システム監査代行、導入支援も受けられる |
株式会社ユニソンプラネット
株式会社ユニソンプラネットは、Web接客ツール「Tag+(タグプラス)」のパッケージ開発を提供しています。Tag+はWeb接客ツールに求められる次の機能を網羅しているのが特徴です。
- チャットボット
- ポップアップ
- 離脱防止
- ヒートマップ
- 差し込み配信
- A/Bテスト
- レコメンド
- プッシュ通知
- EFO(エントリーフォーム最適化)
これらの機能を自社サイトに合わせてカスタマイズすれば、Webサイトの効果を最大化し、顧客体験を向上させられます。
会社名 |
株式会社ユニソンプラネット |
目安費用 |
要相談 |
対応種類 |
・CMS、チャットボット、Web接客ツール
・Webコンサル |
強み |
Web接客ツール「Tag+」を自社ビジネスに合わせてカスタマイズできる |
おすすめポイント |
・Web活用によるDXに向く
・1975年創業の老舗システム開発会社 |
株式会社リベライズ
株式会社リベライズは、「マッチング」サイトに特化したシステム構築を得意としている会社です。物件紹介サイトや中古品販売サイト、人材マッチングサイトなどを構築したい場合に向いています。
また、サイト構築だけでなく、PoC(新規事業検証)やDXコンサルティングも請け負っています。新事業としてマッチングサイトを立ち上げたいと考えているような場合に、頼もしいパートナーとなるでしょう。
会社名 |
株式会社リベライズ |
目安費用 |
・不動産・住宅業界400万~500万円(制作期間3カ月)
・流通・小売業界200万~300万円(制作期間3.5カ月)
・人材業界800万~900万円(制作期間5.5カ月) |
対応種類 |
マッチングシステム開発 |
強み |
独自アセットを活用した開発で、低コスト高品質なシステム開発が可能 |
おすすめポイント |
人材マッチングサイトや、中古品販売サイトなどを構築したい場合に向く |
ビーパートナーズ株式会社
ビーパートナーズ株式会社は大手SIerと協業しており、大規模なシステム開発を請け負っている会社です。例えば、大手化学メーカーのDXとして基幹システム、工場システムを開発した実績があります。また、大手住宅設備保守企業向けの在庫管理・倉庫管理システムや、大手人材紹介会社向けアルバイト検索サイト構築などの事例があります。
さらに、大手SIerと協業して、数多くのモバイルアプリ開発を手掛けているのも特徴です。特にiOSアプリ開発と、アプリと連携したWeb系ソフトウェアを得意としています。
会社名 |
ビーパートナーズ株式会社 |
目安費用 |
要相談 |
対応種類 |
統合基幹業務システム、周辺システム開発、モバイルアプリ開発 |
強み |
大手SIerと協業しており大規模システムも開発可 |
おすすめポイント |
CRM(顧客情報管理)システムやフロント業務などの周辺システム開発の実績もあり、基幹業務システムとの連携の仕組みも構築できる |
GMOカードシステム株式会社
GMOカードシステム株式会社は、実店舗でのキャッシュレス決済に必要なインフラ整備を担っている決済代行会社です。クレジット決済システム開発の実績が豊富で、飲食店やサロン、クリニック、ホテル・旅館、アパレルショップなどの決済システムをスピーディーに構築しています。
GMOカードシステム株式会社は、小規模な店舗のシステム開発にも対応しています。担当者が直接店舗に出向いて導入システムの提案や費用の説明を実施するため、システム開発に詳しくない人でも安心です。
会社名 |
GMOカードシステム株式会社 |
目安費用 |
要相談 |
対応種類 |
対面市場でのキャッシュレスインフラ整備 |
強み |
クレジット決済システム開発の実績が豊富 |
おすすめポイント |
飲食業、サービス業のキャッシュレスインフラをスピーディーに構築可能 |
実績・強みのある開発分野・IT領域
システム開発会社を選ぶ際は、開発してもらいたいシステムと類似した実績があるか確かめておきます。一口にシステム開発といっても、基幹系、業務用ソフトウェア、Webアプリ、ECサイトなどさまざまな種類があります。業者が得意としているシステム開発を依頼することで、高度な技術やノウハウを提供してもらいやすくなるでしょう。
何が得意分野なのか判断する際には、開発事例が参考になります。例えば医療業界や製造業界など自社の業界での事例が多ければ、多くのノウハウを持っている可能性が高くなります。また、実現したい機能が決まっているなら、顔認証技術や予約受付システムのようにソリューション単位で探すのも良い方法です。
加えて、請け負っている開発規模やグローバル対応の可否などを、自社のニーズに合わせてチェックしておきましょう。システム開発会社は2〜3人程度のスタートアップから海外エンジニアとのネットワークを持つ大規模な事業者まで幅広いため、まず会社概要欄にざっと目を通しておくのが効率的です。
コンサルティング・運用など対応可能な業務範囲
システム開発は「要件定義→設計→開発・テスト→リリース→保守運用」の流れで進みますが、全ての工程を請け負ってもらえるとは限りません。開発・テストだけ請け負っている会社もあれば、保守運用までワンストップで請け負っている業者もあります。どこまで対応してもらえるか、業務範囲をチェックしておきましょう。
自社がシステム開発に詳しくない場合、コンサルティングや企画立案、戦略策定の段階からサポートを受けたいケースがあるかもしれません。しかし、これらの上流工程には経営やマーケティングなどの知見が求められるため、請け負える会社は限られます。業者選定の段階で、対応してもらえるかどうか確認しておくことをおすすめします。
コミュニケーションの質
システム開発の担当者と円滑なコミュニケーションが築けるかどうかも確認しておきたいところです。要件定義のプロセスでは、自社のニーズや悩みを正確にくみ取ってもらい、要件に落とし込んでもらわなければなりません。
また、設計や開発のプロセスでは、進捗状況や途中の成果物について、こまめに報告してもらうことが必要です。リリース後も保守や不具合対応などを担当者を通じて行ってもらうことになるでしょう。
つまり、成果物の成否は、担当者とのコミュニケーションの質に大きく影響を受けます。システム開発は短いものでも3カ月、通常は半年〜1年以上にもなります。人間的に信頼できるか、ITや業界の知識を持っているか、提案力はあるか、などをよく確認しておきましょう。
予算・開発費用
システム開発会社から示された見積もりが妥当か判断するには、一般的な相場が役立ちます。前述したように、開発する種類ごとにおおまかな相場がありますので、参考にしてください。
ただし、費用は依頼したい要件や規模、開発期間、用いる技術、開発手法(パッケージ開発かスクラッチ開発か)などによって大きく変わるため、妥当な費用がわかりにくい面があります。こうした時は、複数の会社から見積もりをとって比較するとよいでしょう。
さらに、金額だけでなく費用対効果で考えることも重要です。例えば短期間で開発すれば競争上優位に立てるケースや、高度な機能によってビジネスを変革できるケースなどがあります。この場合、開発費用がかかったとしても、その後のリターンを考えると費用対効果が高くなります。
いずれにしても、自社の予算のなかで費用対効果の高い提案ができる企業を選ぶのがポイントです。
システム開発の費用対効果を高めるために、自社でできることもあります。
1つ目は発注業務を減らす方法です。例えば、「ECサイト構築は発注するけれども、Webデザインは自社で行う」などです。内製の部分を増やせれば、外注費を抑えられますし、開発期間も短縮できます。
2つ目は補助金の活用です。現在はIT導入補助金やものづくり補助金、事業再構築補助金、小規模事業者持続化補助金など、多くの支援制度がありますので、活用できないか調べてみるとよいでしょう。
3つ目は必要な機能を絞り込むことです。優先順位を決めて不必要な機能は削除しましょう。また、オーバースペックのハードウェア、ソフトウェアがないか契約前に見直してみるとよいでしょう。
4つ目はパッケージ開発を選ぶ方法です。独自システムを作るスクラッチ開発は、自社ニーズに細かく対応してもらえますが、費用が高いのがデメリットです。コストを優先するなら既存のソフトウェアを組み合わせるパッケージ開発のほうが安く済みます。但し、コストだけを優先して自社の目的を果たせないと本末転倒になってしまうため、優先順位を間違えないようにしましょう。
業務システムやオンラインサービスなどを開発したい際は、専門的な技術やノウハウを持ったシステム開発会社に依頼するのが一般的です。一口にシステム開発会社といっても、得意分野や請け負っている業務内容は異なります。自社に合ったシステム開発会社を探していきましょう。
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